魚の脂肪にあるEPAやDHAは藻や微生物由来ですと

魚由来のサプリメントでDHAとかEPAというのが20年くらい前からあります。DHAは頭がよくなるとかぼけない成分といわれ、EPAは血液をサラサラにする成分という広告を見かけます。

DHAは炭素の数が22個、EPAは、炭素の数が20個からなります。これらもω3(オメガ3)の脂肪酸です。αリノレン酸は炭素の数が18個ですから少し大きいです。

この記事では、DHAやEPAがなぜ魚に多いのか調べてみました。

まぐろ

魚の脂肪にはDHAとEPAがとても多い

魚を食べると、その脂肪を構成する脂肪酸の中には、αリノレン酸も少し入っていますが、圧倒的にEPAやDHAの量が多いのです。

調べてみると、脊椎動物は、ω3の脂肪酸を生産できないのだそうです。私はヒトだけなのかと思っていました。ヒトだけでなく、背骨がある生き物はすべてω3の脂肪酸を生産できないから、ω3の脂肪酸は、外からとる必要がある必須脂肪酸とされています。

冷たい水の中で生活する魚の脂肪にω3(オメガ3)の脂肪酸であるEPAやDHAがたくさん含まれているのは、魚がEPAやDHAを含む藻や微生物をえさとして食べているからです。

ウイキペディアで魚介類の脂肪酸を改めて読むと、こんな風に書かれていました。

魚介類には、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのω-3脂肪酸である高度不飽和脂肪酸が多く含まれる。

魚介類に含まれるDHAの多くは、ラビリンチュラ類の1属である シゾキトリウム(Schizochytrium)属などのような海産の微生物によって生産されたものが、食物連鎖の過程で魚の体内に濃縮されたものである。

そこで、ラビリンチュラ類について調べて改めて記事を書きました。
ラビリンチュラ類のDHAとEPAが青魚の脂肪に移るも是非、一緒に読んでください。

EPAやDHAを含む藻を食べても、EPAやDHAは消化されてバラバラになってしまうのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

脂肪は完全に分解されない

油の構造が分かると血液検査の中性脂肪がわかるよで書きましたが、脂肪は脂肪酸とモノグリセリドまでしか分解されず、体の中にはいるとまた脂肪に戻りやすいのです。

脂肪酸は、そのまま、また体の中に取り込まれると考えてよいと思います。つまり、魚がEPAやDHAを含む藻を食べると、魚の体内で、EPAやDHAを含んだ脂肪になるのです。

魚と食肉の脂肪酸組成を比較

魚の脂肪酸組成がウィキペディアに出ていたので、他の食肉と比べようとネットを探して、鶏肉、豚肉、牛肉のデータを見つけてきました。文科省の食品データベースを使いました。

食品(生)100g中の主な脂肪酸
名前 18:2
リノール酸mg
 18:3
α-リノレン酸mg
20:4
アラキドン酸 mg
20:5
エイコサペンタエン酸(EPA)mg
22:6
ドコサヘキサエン酸(DHA)mg
マアジ 24 13 47 81 440
マイワシ 140 94 160 260 1300
クロマグロ(脂身) 340 200 180 320 3200
若鶏肉、むね、皮つき、生 850 76 35 5 16
若鶏肉、もも、皮つき、生 1600 73 79 1 7
豚、かたロース、脂身つき、生 1800 83 63 0 11
豚、ばら、脂身つき、生 3000 160 75 0 0
和牛肉、かたロース、脂身つき、生 920 45 23 0 0
乳用牛肉、ばら、脂身つき、生 850 33 36 0 0

魚にはたくさん含まれているEPAやDHAが、鶏肉や、豚肉、牛肉には全く入っていないというのがよく分かります。まったく違いますね。

動物の場合は、EPAは少ないですが、DHAは脳や神経細胞にたくさん含まれています。

しかし、一方で、肉には、リノール酸がたくさん入っていることが分かりました。αリノレン酸もまあまあ入っています。

調べた数字を表に入れながら、食肉のリノール酸の高さは、飼料が穀物が中心になっているだからだろうなと思いました。魚が藻を食べてEPAやDHAを体の中にためたように、家畜もエサを食べて、リノール酸をためたのです。

油の融点からダイエットを考える」に、主な植物油の脂肪酸組成の表を載せてあります。大豆、コーンなど飼料に使われるものは、リノール酸の比率がとても高いのです。

そして、なぜ含油率が低い大豆から油を搾るのかで書きましたが、大豆は搾油目的でなく、家畜のエサにするために栽培されています。

α-リノレン酸は、ヒトを含めた動物の体の中に入ると、EPAやDHAに変換されます。しかし、変換比率は、10%~15%程度だそうで低いですね。魚を食べていた方がずっと頭がよくなると思います。

脂肪は引き継がれる

魚や肉を食べるヒトも、食べたものから脂肪を引き継ぎます。同じ仕組みです。

毎日いろいろなものを食べていますが、脂肪については、「脂肪」と一括りにしていて、とんかつや天ぷらはほどほどにしておこうとか、ラーメン食べたら翌日は必ず走ろうとか、そんな程度で脂肪酸のことまで考えたことはありませんでした。

しかし、脂肪酸のことを考えれば、どんな脂肪(=油)を食べた方がよいのか考えた方がよいですね。

上の表を見ると、魚を食べるのが一番よいと思います。これから頭がよくなるかどうかは分かりませんが、DHAは眼の働きにも影響するそうなので、老眼がひどくなっていく一方の私は、肉を食べるならなるべく魚にしようと思います。

あぶらものを食べるときは、それがどんな脂肪酸組成なのかちょっと気にしてみるとよいかもしれません。

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