加齢臭の原因といわれる2-ノネナールはビールにもできる

このところ、過酸化脂質について調べているのですが、どうもよく分からない。特にリノール酸が問題らしいのはリノール酸とヒドロキシノネナールとアルツハイマーを書いていた時によく分かったのですが、リノール酸から4-ヒドロキシノネナールができる過程が分からないのです。

ところで、ビールの科学―麦とホップが生み出すおいしさの秘密 という本を読んでいたら、「ビールの老化を防ぐ」という記事がありました。

よく見ると、リノール酸から老化物質として、2-ノネナールができる経路が書かれていました。これを見つけた時は、ちょっとびっくりしました。2-ノネナールは加齢臭の原因物質といわれています。

改めてウイキペディアを見てみると、

2-ノネナール(2-Nonenal)は、不飽和アルデヒドの一種であり、油臭くて青臭いニオイを有する。熟成したビールとソバの重要な芳香成分であり、(出典

なんだ、ちゃんと書いてありましたね。

先に書いておきますが、私が書きたいのは、ビールの中で2-ノネナールができるから、ビールが加齢臭の原因だなんていう下らないことではありません。

加齢臭の原因は、脂肪酸の過酸化です。

この記事では、リノール酸から2-ノネナールができる過程をメモ代わりに記録しておきます。

ビールの品質変化

ビールは保存中に品質が変化します。確かに古いビールはおいしくありません。品質の劣化は、日光による香味変化と、酸化による「におい」があります。

段ボール紙のようなにおいがするので、紙臭(カードボード臭)と呼ばれています。これは、麦芽由来のリノール酸などの脂質が酸化して2-ノネナールができて、紙のような不快臭を放ちます。

下図はビールの科学―麦とホップが生み出すおいしさの秘密にでていたものをケムスケッチで書き直しました。スペースの関係で、リノール酸の構造式は、いつもと違って直線的に書いています。

リノール酸の二重結合のところを見てください。それぞれ同じ向きに曲がっているのでシス型と分かりますね。

ついでに、図の下の方にある、トランス-2-ノネナールを見てください。違いが分かりますか?こちらは二重結合の左右で向きが変わっています。トランス型です。

リノール酸

リノール酸の過酸化

リノール酸の過酸化

におい成分がトランス-2-ノネナールであることは知られていましたが、それが酵素によるものかは分かっていませんでした。しかし、リポキシゲナーゼという酵素にとって特異的な阻害剤であるエイコサテトラエン酸をもろみに添加すると、リノール酸等の脂質の酸化反応が抑制されたので、リポキシゲナーゼという酵素が関与していたことが分かったという話です。

リノール酸9-ペルオキシドとは、リノール酸のカルボキシル基から9番目の炭素にヒドロペルオキシド(HOO)がついたものです。9番目の炭素は二重結合でしたから、それが解消されて、かわりに10番目の炭素が二重結合になっています。

さらに、この後の変化について

9,12,13-トリヒドロキシオクタデセン酸は、カルボキシル基から9番目、12番目、13番目の炭素(C)にヒドロキシ基(水酸基OH)が全部で3つ(トリ)ついたオクタデセン酸です。

オクタデセン酸は、18個の炭素からなり二重結合が1個ある脂肪酸のこと。

炭素数18で二重結合が1個あるとオレイン酸かそのトランス型のエライジン酸かと思いますが、二重結合があるのは、カルボキシル基から数えて10番目。その反対のω末端から数えて8番目ですから違います。

上の図にあるトランス-2-ノネナールと下図の2-ノネナールは同じものです。下図右端は二重結合の酸素(O)で終わっていますが、その二重結合の先には炭素(C)と水素(H)があります。

そして、この端から2番目の二重結合の両端の向きは正反対ですから、トランス型です。

2-ノネナール

2-ノネナール

加齢臭を理解するためには皮脂を知らないといけません。皮脂にどんな油が分泌されてくるのだろうと思っています。

食肉の脂肪酸組成を考えれば、ヒトも同じです。食べものによって脂肪の脂肪酸組成が変わります。そのまま出てくるなら、食べものの影響が大きいでしょう。しかし、皮脂として分泌されるまでに何か変化を受けるのかどうかが興味があるところです。

今のところ皮脂に関してよい本が見つかっていません。意外とないのです。

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