ツバキ油はオレイン酸が80%以上あって食用になる

ずっと油のことを書いてきているのに、ツバキ油のことをすっかり忘れていました。ツバキ油といえば、女性や力士の髪とセットになっているイメージがあり、食用にするという考えが抜けていました。

しかし、油が穫れる作物なら食用になるはずです。

調べてみたら、食用のツバキ油がありました。値段はとても高いですが、まるでオリーブオイルのように、いや、オリーブオイルよりもオレイン酸が多いかもしれません。

私がしょっちゅう散歩に行く公園には、ツバキとサザンカがたくさん植えてあります。私はツバキとサザンカの区別ができません。しかし、両方とも管理人が手入れをしているところをほとんど見たことがないので、育てやすいの木なのかなと思っています。

この記事では、ツバキ油の特徴について書いてみたいと思います。

ツバキの性質

ツバキのような常緑の植物は、寒い地域では生育できないのではないかと思いましたが、意外にも北海道を除く各地に分布するそうです。

しかし、元来ツバキ属は熱帯から亜熱帯に起源をもつので、耐寒性があるようです。英語名はCamellia(カメリア)。。

ツバキは、油以外にもツバキ材が利用されます。木材博物館ツバキを見ると、椿は樹高18m、胸高直径が50cmほどになる木で強靭で均一な木材が取れる為、木材利用の際にはツゲと同じような用途で使用されます。とあります。

印鑑や、櫛、将棋の駒、盆などに加工されます。

また、とても興味深いことに、ツバキの灰は、酒造用種麹(こうじ)づくりに使われます。日本の酒には、ツバキ灰について、

蒸米に灰をかけて麹を造ると、麹菌はそんな条件下でもよく生えるが、アルカリに弱い雑菌は生えることができない。灰はこのように害菌を防いで、麹菌のみを純粋に生やす力があるばかりでなく、灰の中のリン酸やカリ分が麹菌を強く育てる養分となる。また銅、亜鉛のようなミネラルが胞子を多産し、しかもその色をよくすることが分かった。

とあります。

ツバキの栽培には、排水のよい土地が適するそうです。土質はかなりフレキシブルで、重い粘土質や、石灰岩質のアルカリ土壌以外ならどこでもよく育つそうです。

たとえば、ツバキの育て方など栽培方法はたくさんありました。

ツバキ油の利用

1931年(昭和6年)にまとめられた全国のツバキ油調査書によると、産出県は、37県に及んでいたそうです。主な産地は、鹿児島、宮崎、熊本、長崎、高知、山口、島根、伊豆七島、新潟、岩手など10県ありました。

現在でもツバキ油の生産地と生産量を知ることができます。特用林産物生産統計調査で公開されています。

最新の平成26年特用林産基礎資料によれば、生産県は、東京、福井、長崎、大分、鹿児島しかなく、意外にも東京都が生産第一位で、生産量は24.9キロリットルでした。大島町でしょうね。

ツバキ油は、女性の髪油、金属のさび止め、機械油、染色、刀剣油などに使用されてきました。どれも高級油の使い方という感じがしますね。食用にするにはもったいなかったのでしょう。

ツバキの搾油

ツバキの搾油は、ツバキの種子から行います。ツバキの種子を採集し、種子を乾燥させ、粉砕。その後それを蒸して、しゅろの毛を重ねたもので包み、寄せ木にかけて搾油し、沈殿させて濾過して完成です。1トンの種子から200リットル(ドラム缶1本)の油がとれるそうです。溶剤を使うわけでなく搾るだけで20%ありますから、含油率はかなり高いと思います。

長崎県五島列島にある久賀島の久賀島ブログ!にあったかたし(椿の実)を採りはじめましたを読むと、ツバキの実を乾燥させている写真が出ていました。

ツバキ油の脂肪酸組成

ツバキ油の脂肪酸組成をしらべて見ました。ウイキペディアの椿油に出てくる脂肪酸組成は、USDA(アメリカ合衆国農務省)のデータを使用しているようなので、日本のものとは違うようです。

いつも頼りにしている文科省の食品データベースにはツバキ油はありませんでした。

脂肪酸組成は、椿油研究所さんの油の種類を参考にさせていただきました。

オレイン酸 85.0%
リノール酸 3.8%
ステアリン酸 2.5%
パルミチン酸 7.9%
その他 0.8%

オレイン酸が85%と群を抜いて多く、気になるリノール酸は、わずか4%しかありません。飽和脂肪酸もステアリン酸、パルミチン酸とも大した割合ではありません。オリーブオイル以上にオレイン酸が多い油です。

ツバキ油の脂肪酸組成

ツバキ油はなかなか魅力的な油ですが、とても高いです。アマゾンでつばき油を検索してみましたが、高くて買えないです。普段使う油にはならないですね。

しかし、ツバキやサザンカを庭に植えている方は結構いらっしゃるし、趣味で自分で搾る方はいないのかなと思い、調べてみたら、実際にツバキ油を搾った方がいらっしゃいました。

椿油を採取するを読ませていただくと、自分で搾油機まで作られているのでなかなか本格的です。油の選択について関心が高まっていますから、ツバキ油がもっと生産されるようになるとよいですね。

椿油の性質

つばき油の文化史―暮らしに溶け込む椿の姿には次のように書かれています。

椿油とは、日本原産のヤブツバキの種子から搾った油のことをいいます。ヤブツバキの学名の属名がカメリアであることに因んでカメリア油(カメリアオイル)ともいわれます。

日本原産のツバキ科の山茶花(さざんか)の種実からも油が搾られ、それを山茶花油といいます。椿油と山茶花油を比較すると、どちらもツバキ科の植物であり、油の化学的性質もよく似ていて、椿油と山茶花油は取引上、区別されていません。

わずかに異なるのは、リノール酸が少ない点と、融点が低い点が、椿、山茶花の順位になっています。

山茶花も油が搾れるのではないかと思っていましたが、やはり、似ているだけのことはあります。私は区別がつきません。

椿油の品質規格、「植物油脂原油品質表示規格」によると、椿油の原油とは椿の種子から採取した油であって、精製しないものをいうとされます。

区分 基準
一般状態 異臭がなく65℃において澄明なもの
比重(25℃/25℃) 0.30%以下
屈折率(25℃) 1.466~1.468
酸価 50以下
けん化価 188~194
ヨウ素価 78~83
不けん化物 10%以下
内容重量 表示重量以上のものであること
表示
  1. 品名が明示されてあること
  2. 内容重量が明記されてあること
  3. 賞味期限(品質保持期限)を次に定める
    ことにより明記してあること(以下略)

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