脂肪の材料になるのは光合成から作られる糖である

すべては光合成からスタートします。

このブログは油について知るためのブログです。しかし、油も、もとをたどれば、生産者がつくる炭水化物がスタートです。

生産者は、海の中にすむ藻であり、プランクトンであり、畑の大豆やゴマやえごま、亜麻、ひまわり、アブラヤシ、なたね、などなど植物はみな生産者です。

光合成とは、光(基本は太陽光)を利用して二酸化炭素(CO2)と水(H2O)を糖質(C6H12O6)と酸素ガス(O2)に変換する反応です。

得られる糖は植物や微生物の体内で、脂肪に変化します。また、別な生き物に食べられた時、糖はまず燃料になりますが、余れば脂肪になります。そして、脂肪は消化されてもモノグリセリドと脂肪酸に分解されるだけで、次の生き物の脂肪となります。

脂肪は受け継がれていきます。

しかし、すべての大本は、光合成であり、葉緑素を持った植物と微生物だけです。すごいなあと思います。

この記事では、光合成の仕組みのうち、エネルギーをつくる明反応をまず紹介します。参考文献は、カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学です。この本はどうも私には読みにくいです。何度も読み返さないと理解できない。

すべての始まりは光合成から

光合成は次の化学式で表すことができます。

6CO2+6H2O→C6H12O6+6O2

しかし、のちに右辺の酸素(O2)はすべて水(H2O)由来であることが分かり、化学式は次のようになりました。

6CO2+12H2O→C6H12O6+6O2+6H2O

光からエネルギーをもらって、電子に変える。光合成の仕組みは、電子をエネルギーにして、糖をつくります。TCA回路-脂肪を燃やすでATPをつくる仕組みを書きましたが、その本質は、電子の移動でした。とても似ています。

光合成の明反応と暗反応

光合成には、2つの反応経路があります。明反応と暗反応と呼ばれます。

光合成

光合成

明反応

明反応は、光エネルギーを必要とします。葉緑体のチラコイド内で行われる反応です。この経路は、光エネルギーを電子に変換し、ATPと電子伝達体NADPH+H+に渡す反応です。

暗反応

暗反応は、光エネルギーは利用しません。葉緑体のストロマという部分で行われます。暗反応は、明反応で産生されたATPとNADPH+H+を利用し、CO2を使って糖を産生します。

産生とは、細胞で物質が合成・生成されることをいいます。生産でもよいと思いますが、産生を使います。

ミトコンドリアのTCA回路では、NADH+H+が出て来ました。あとで構造を比べてみましょう。きっと似ています。暗反応には、カルビン回路(カルビン・ベンソン回路ともいう)の他に2種類ありますが、私はカルビン回路だけ紹介します。

明反応と暗反応では、もちろん、明反応が先に起きます。光から反応するためのエネルギーをつくるからです。

明反応をもっとくわしく

明反応は、光エネルギーを電子に変換しATPと電子伝達体NADPH+H+に渡す反応です。

まず、この反応には2種類あります。

①光エネルギーを電子に変換し、ATPと電子伝達体NADPH+H+の2つに渡す場合
②光エネルギーを電子に変換し、ATPだけに渡す場合

①は、電子伝達の非循環経路といいます。
②は、電子伝達の循環経路といいます。

非循環経路

非循環経路は2つの異なる光化学系を必要とします。こんなことを書くと読む気がなくなるので、図を載せましょう。図を見たら大したことがないのが分かります。文字だけ読んでいると分からなくなります。

光化学系Ⅰは、光エネルギーを使ってNADP+に電子を渡してNADPH+H+にします。

光化学系Ⅱは、光エネルギーを使って水を酸化して、電子(2e)、プロトン(H+)、酸素(O2)にします。

非循環経路

非循環経路

図を見て、なんで順番が先なのに光化学系Ⅱなのかと思いませんか?この理由は、光化学系Ⅰが電子伝達の循環経路にも関係があるからだと思います。両方とも関係しているので、光化学系Ⅰを基本に考えるということなのでしょう。

水からNADP+への電子伝達の非循環経路の反応はZスキームモデルといわれます。これは図を見てください。Z型になっているのです。

光化学系Ⅱ

光化学系Ⅱに光があたると励起され、クロロフィルの反応中心から電子が飛び出して、電子は最初の電子受容体に受け渡されます。この電子受容体は、電子伝達鎖の最初の電子伝達体のことです。

その時に反応中心は、水から電子(2e)を奪い基底状態にもどります。すると、水は1/2O2と2H+になります。

この電子伝達鎖では、ミトコンドリアでのタンパク質複合体Ⅰ、Ⅲ、Ⅳに電子が受け渡されていった時のような、プロトン(H+)の濃度勾配がストロマとチラコイド内部でできます。PQはプラストキノン、Cytはシトクロムbf、PCはプラストシアニンを表しています。電子(2e)がCyt(シトクロムbf) に受け渡されると、ストロマのプロトン(H+)がチラコイド内部に汲み入れられて、濃度差ができます。

そして、電子伝達鎖にもATP合成酵素があり、プロトン(H+)の濃度差を解消するときに、ATPができます。

是非、脂肪からATPをつくる-電子伝達系を開いて比べてみてください。

次に、電子伝達鎖から電子(2e)は、光化学系Ⅰに渡されます。

光化学系Ⅰ

光化学系Ⅰにも光があたると励起され、反応中心から電子が飛び出して、フェレドキシン(Fd)に電子(2e)を渡します。反応中心は光化学系Ⅱの電子伝達鎖から来た電子(2e)を受け取り基底状態に戻ります。

電子(2e)は次にフェレドキシン-NADPレダクターゼ(FNR)に渡され、2個のプロトン(H+)を使って、1分子のNADP+がNADP++H+になります。

次に循環経路を説明します。

循環経路

電子伝達の循環経路は、葉緑体内において、NADP+に対してNADP++H+の比率が高い時に起きます。つまり、NADP++H+/NADP+が大きくなる時ですね。

これはどんな状態の時なのでしょう。日差しが強い日なのか気温が高い日なのか?知りたいところです。

循環経路は、ATPしか産生しません。この経路では、光に励起されたクロロフィルの反応中心から受け渡された電子(2e)が、一連の反応の最後に、同じクロロフィルに戻らされることから循環経路と呼ばれます。

循環経路

循環経路

循環経路が始まる前は、光化学系Ⅰの反応中心は、基底状態にあります。クロロフィルは光によって励起され、反応中心から電子(2e)が飛び出し、フェレドキシン(Fd)に電子(2e)を渡します。

フェレドキシン(Fd)は、電子(2e)をPQ(プラストキノン)に渡します。PQ(プラストキノン)は、2個のプロトン(H+)をチラコイド膜を超えて汲み入れます。また、PQ(プラストキノン)は電子伝達鎖内で電子(2e)をCyt(シトクロムbf)、プラストシアニン(PC)へと受け渡します。

プラストシアニン(PC)まで来た電子は、最終的にクロロフィルの反応中心に戻されて、反応中心が、基底状態に戻ります。

電子伝達鎖では、電子(2e)がPQ(プラストキノン)、Cyt(シトクロムbf)、PC(プラストシアニン) に受け渡されると、ストロマのプロトン(H+)がチラコイド内部に汲み入れられて、濃度差ができます。

電子伝達鎖のATP合成酵素によって、プロトン(H+)の濃度差を解消するときに、ATPができます。

できたATPとNADPH+H+を利用して、暗反応ではCO2を使って糖を産生します。

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