食事のコレステロールは気にしなくていい?

食べもののコレステロールは気にしなくてよいといわれるようになりましたが、私は身近な同僚が毎日牛丼を食べ続けて総コレステロールに「H」マークがついたので、とり過ぎないようにしようと思っています。

卵

コレステロールの目標量を撤廃

コレステロールと中性脂肪の関係についてあれこれ調べていたら、2015年4月29日の産経新聞の記事が引っかかってきました。

食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」 厚労省は抑制目標値「撤廃」

産経新聞の記事

厚生労働省は2015年4月改訂の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、これまで定めていた食事からのコレステロールの目標量を撤廃したという内容です。

厚生労働省は今年4月改訂の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、これまで成人は男750ミリグラム、女600ミリグラムを上限としていた食事からのコレステロールの目標量を撤廃した。

摂取基準には、国民の健康の維持・増進や生活習慣病予防などを目的として、各栄養素の摂取量が決められていた。コレステロールについては摂取基準ができた平成16年から目標量を設けていた。

撤廃について、厚労省栄養指導室は「目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」と説明する。(中略)

血中コレステロールの7~8割は体内で作られ、食事の影響はもともと少ない。また、コレステロールの摂取量が多ければ体内で作る量が減らされ、逆に摂取量が少なければ体内でたくさん作られるというように、血液中の量を体がコントロールしていることが分かっている。

米政府も2月、食事から摂取するコレステロールと血中コレステロールの間に明確な関連を示す証拠がないとして、今年改める食生活指針でコレステロールの摂取基準を撤廃する方針を出した。今後国民の意見を聞いた上で改訂される見込みだ。(後略)

この記事にも書かれていますが、血中コレステロールの7~8割は体内で作られます。食事の影響はもともと少ないのです。

そして、コレステロールの摂取量が多ければ体内で作る量が減らされ、逆に摂取量が少なければ体内でたくさん作られるというようになります。そんな話が割と新しく出版された本には必ず書いてあります。

だからといってコレステロールがたくさん入ったものを食べ過ぎていてよいかどうかは分かりません。少なくとも、普通に食べる分には影響がないから気にしなくてよいということだと思います。

日本人の食事摂取基準(2015年版)を読んだ

念のため、日本人の食事摂取基準(2015年版)について調べました。

厚労省のサイトに「日本人の食事摂取基準」(2015年版)がありました。その中の脂質にコレステロールについて書かれています。

昔から、タマゴは1日1個で十分だといわれてきました。筋子(すじこ)を食べているとコレステロールが上がるよとおどかされたりしたものです。

動脈硬化関連疾患に関しては、卵(鶏卵)はコレステロール含有率が高く、また日常の摂取量も多いため、卵の摂取量と疾患リスクを調べることにより、コレステロール摂取による疾患リスクが推定されている。

卵の摂取量と動脈硬化性疾患罹患との関連を調べた 2013 年のメタ・アナリシス では、卵の摂取量と冠動脈疾患及び脳卒中罹患との関連は認められていない。

日本人を対象にしたコホート研究の NIPPON DATA80 でも、卵の摂取量と虚血性心疾患や脳卒中による死亡率との関連はなく、1 日に卵を 2 個以上摂取した群とほとんど摂取しない群との死亡率を比べても有意な差は認められていない。

卵の摂取量と冠動脈疾患罹患との関連を調べた JPHC 研究 でも、卵の摂取量と冠動脈罹患との関連は認められていない。(中略)

コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。

卵以外のことについても書かれていたのですが、長いので省略しました。詳しく知りたい方は上のリンクをクリックしていただければ読んでいただけます。

最後の「コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの・・・」と書かれているので、コレステロールをたくさん摂っても100%問題ないとは考えていないことがわかります。

NOTE

私の同僚に、昼休みにいろいろな店に食べに行くのが面倒くさいのでほとんど毎日牛丼を食べていた人がいます。すると健康診断でコレステロール、多分総コレステロールではないかと思いますが、「H」がつくようになりました。

コレステロールは、細胞膜の構成材料なので、細胞に必要なものです。また、アセチルCoAからつくられるので、不足することは考えられません。

では、とり過ぎは体の中でうまく調整されるのかというと、同僚の例もあるので何ともいえません。私の場合は、身近な人の体験を聞いたので、食べすぎると上がってしまうと思っています。

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