食べたコレステロールはそのまま体の中に入ってくるぞ

食べ物に含まれるコレステロールは、小腸からそのまま体の中に入ってきます。ご存知でしたか?運動すれば、脂肪やコレステロールなど余分なものが燃えると思っている方には知っておいてほしい話です。何を隠そう、私もその一人です。

小学校から高校まで、少しずつ消化について習いましたが、コレステロールの消化について習った記憶がありません。

以前、食事のコレステロールは気にしなくていい?という記事で、食事でとるコレステロールより体内でつくられるコレステロールの方がはるかに多いという話を紹介しました。

しかし、コレステロールは消化酵素で短く切られてすぐに燃料になる性質のものではないようです。

若い人には関係がないと思いますが、コレステロール値が気になる方には読んでいただきたい記事です。

ベーコン

コレステロールはどのようなものか

コレステロールには、悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)が知られていて、健康診断でも血液検査で必ず調べられます。ある年齢を超えると、数字が気になるようになります。

悪玉コレステロール(LDL)の数値が高いままになると、動脈硬化の原因になり、それがやがて心筋梗塞や脳梗塞といった病気につながることはよく知られています。

しかし、健康診断の数値については気にしても、コレステロールはどんなもので、どんなふうに体に吸収され、使われるのか、多分ご存知の方はそれほど多くないように思います。

コレステロールの役割

コレステロールの多くは、細胞膜の材料としてリン脂質とともに使われています。つまり、コレステロールは全ての細胞に存在しているということですね。

また、コレステロールは、ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなどの総称)や後述する胆汁酸の材料にもなります。

邪魔ものではなく、必要なものです。

コレステロールを合成する場所は、肝臓や小腸で、1日あたり1000~1500ミリグラムほどできます。また、コレステロールは動物性脂肪に含まれているため、肉を食べると体の中に入ってきます。

しかし、その量はせいぜい350ミリグラム程度なので、食事の内容でコレステロールの量が大きく変動するわけではないといわれています。(出典

コレステロールは意外とサイズが小さい

コレステロールは、化学式で書くとC27H46Oです。炭素数27で4つの環をもつのが特徴です。図で、炭化水素を省略したものと、すべて書き出したものを載せておきます。

形が複雑になると、省略してあった方が見やすいですね。ところどころ、-OHや-Hが書かれているのは、それ以外がCH2かCH3だからで、区別するために書かれています。

何度も書いていますが、油について知るなら化学の知識は少し必要です。そして、構造式を見るのを嫌がらないようにした方がずっと理解が進みます。

脂肪酸の化学構造式を見た方が油のことをずっと理解できるも読んでみてください。

コレステロールは、下図の構造をした物質であり、善悪の区別などありません。コレステロールは、コレステロールという物質です。

悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)については記事を改めて説明します。それぞれコレステロールだけでできているわけではありません。

コレステロール

コレステロール

ところで、油の構造はこのようなものでした。

脂肪酸

グリセリンは炭素数3です。脂肪酸には種類がありますが、例えば、炭素数18のオレイン酸が3本ついていたとすると、全部で炭素数は57になります。油に比べると、コレステロールは半分程度の大きさです。

ちなみに脂肪は、脂肪酸2本と、グリセリンに脂肪酸が1本ついたモノグリセリドに分解されます。

デンプンの消化と比べてみる

小学校から高校まで消化の説明で必ず出てくるのが、デンプンがブドウ糖に分解される話です。

デンプンの構造式は、一例ですが、このようになっています。ブドウ糖がたくさんつながっています。この図によると300~600つながっています。

デンプン

ブドウ糖は、炭素数6ですから、デンプンは1分子が炭素数1800~3600もつながっている大きなものです。油やコレステロールと比べものにならない大きさです。

食べたものは消化されると習うと、何でもかんでも細かく分解されて腸から吸収されるのだろうと思ってしまいます。

しかし、こうやって分子の大きさを比較してみると、コレステロールが分解されずに体の中に吸収されるのが不思議だと思わなくなりますね。

コレステロールはどのように吸収されるか

コレステロールや脂肪、いわゆる脂質は、十二指腸まで運ばれて消化・吸収されます。胆汁が分泌され、胆汁酸によって脂肪はばらばらの脂肪分子にされ、リパーゼによって、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。

ミセル

次に、胆汁酸がミセルを形成します。ミセルで分かりやすいたとえは、マヨネーズです。お酢と油という本来分離してしまうものが乳化された状態で分離せずに存在します。

コレステロールや脂肪酸といった脂質は、「水と油」といわれるように、本来水に混ざりにくいものですが、マヨネーズのように乳化することで水分の多い血液に混ざるようになり、小腸の粘膜細胞から吸収されます。

このミセルの中には、コレステロール、脂肪酸、モノグリセリドが入っています。

ミセル

ミセル

ミセルの中にあるコレステロールは、食べ物の中にあるコレステロールから何も変化していません。消化酵素で細かく小さくされることもありません。

ただ、ミセルの中に取り込まれて、小腸の粘膜から吸収されます。

さて、小腸の粘膜から吸収された後どうなるか。それは次の記事で書きます。

まとめ

悪玉コレステロール(LDL)が多いと動脈硬化の原因になるといわれています。

動脈硬化は食べた酸化脂質が原因で進むそうです
動脈硬化は、血液検査でLDLや中性脂肪の値が正常でもかなり進んでいることがあるそうです。しかも、それは食べ物に大きく影響されます。特に、肉や...

一方、食品由来のコレステロールは、体内で合成するコレステロールに比べてずっと量が少なく、体内での合成量は調整されるので気にする必要はないという話もあります。

食事のコレステロールは気にしなくていい?
コレステロールと中性脂肪の関係についてあれこれ調べていたら、2015年4月29日の産経新聞の記事が引っかかってきました。 食事コレステ...

ただし、コレステロールは、体内でアセチルCoAから合成されていくので、糖でも油でもタンパク質でも原材料になり、不足することはありません。お酒も揚げ物もコレステロールと関係があります。

コレステロールの生合成はアセチルCoAからスタートする
油とコレステロールは脂質ではありますが、別なものだと思っていました。しかし、コレステロールは、アセチルCoAから生合成されるのです。関係がな...

これらの話に加えて、食べたコレステロールはストレートに体に入ってくることが分かりました。

私は、食べ物全体量を運動量と加齢に合わせて減らすこと、油ものを減らすこと、酒の量を減らすことをまず考えようと思いました。あなたはどうしますか?

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