油の酸化

油は酸化するとよくないといいます。単純に古い油は変なにおいがしてくるので、使う気がなくなります。私はたまにえごま油を買ってきて使いますが、冷蔵庫の中に入れていても、しばらく忘れていてそのままにしていると、使うときにひどく魚くさくなります。亜麻仁油も同じです。

油と酸素が接して起こる酸化を、自動酸化といいます。単なる酸化ではなく、わざわざ自動とついているのは、意味があります。あまり楽しくない意味なのですが・・・。

油の酸化は連鎖反応

酸化は、酸素と結びつく反応のことです。世の中の全てものは酸素にさらされていますから、酸化される運命にあります。油も酸素と接すると酸化されます。ところが、油の場合は、酸素に接した部分が酸化されるだけでは済まないのです。

というのは、油と酸素が反応して、最初にできた物質が、触媒的に働いて、次の反応を促すからです。これを繰り返すと、どんどん『自動』的に反応が進むようになり、酸化が加速して進んでしまうのです。

peroxide1

上の図は、脂肪酸の一部の変化を表しています。まずは図の左上を見てください。真ん中に炭素(C)の二重結合が1ヶ所あります。

その右隣にCH2がありますが、そこから水素(H)がたとえば光の影響で1個なくなり、→の先、右のように変化します。少し見づらいかもしれませんが、ラジカルになっています。CH2がCHになっていて、CHのCの上に「・」がついています。これがラジカルの印です。

ラジカルとは、水素(H)を1個とられて、不安定な状態になっていて他のものと反応しやすくなっている状態です。ここに酸素(O2)が反応して(OO)というペルオキシラジカルになり、さらに他の脂肪酸から水素(H)を引き抜いてきて、ヒドロペルオキシド(ROOH)になります。

水素(H)を引き抜かれた別の脂肪酸は、前の脂肪酸と同じように不安定になり、同じことを繰り返して行きます。これが「自動」と頭につけられた酸化反応です。

また、できたヒドロペルオキシドが安定した物質だといずれ反応も収まるのですが、ヒドロペルオキシドも他のものと反応しやすい不安定な物質です。生成すると同時にさらに変化して、多種多様な第二次生成物になっていきます。

ヒドロペルオキシドが分解された場合、脂肪酸を構成していた炭化水素の鎖が短くなっていきます。酢酸は短鎖脂肪酸。脂肪酸だったのですかでも書きましたが、脂肪酸が短くなっていくと、クサイにおいが出て来ます。ちなみに中鎖脂肪酸は、部屋干しした洗濯物のにおいだそうです。部屋干ししたシャツを着て汗をかくといやなにおいがしてくる時がありますが、あれが中鎖脂肪酸のにおいだそうです。洗濯で完全に落としきれなかった油汚れによるものです。

いずれにせよ油を酸化させていくとよいことは何もありません。

油の酸化を防ぐ

油は、銅や鉄など、金属が微量であっても存在すると自動酸化を著しく促進します。たとえば植物がもつ葉緑素は、マグネシウムが入っていますが、葉緑素も自動酸化を著しく促進するので、製造工程で取り除くべきと考えられています。

また、全ての光、太陽光線はもちろん、紫外線、赤外線でも、蛍光灯の光でも自動酸化が進むので、透明な容器に入ったものは、光を当てないように注意する方がよいです。昔からエンジンオイルはブリキ缶に入っていました。食用油も大容量になると一斗缶など缶入りになります。容器として安いからだろうと思っていたのですが、光線を遮断するというのが一番の目的です。

また、もちろん温度も関係します。温度は低い方がよいので、冷蔵庫に入れて保存した方が長もちします。オリーブオイルや一番搾りのなたね油などは、ロウ分が入っていて冷蔵庫の中で固まってしまう場合があります。しかし、使う前にしばらく外に出しておけば液体に戻ります。少し手間になりますが、冷蔵庫に入れておいた方が長持ちするようです。

とても酸化しやすいえごま油や亜麻仁油は、酸化防止にビタミンCとEを添加されたものを買うとよいと思います。

経済的ではないのですが、小さいサイズのものを買って家庭での保存期間を短くするというのが一番よいのでしょうね。

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