短鎖脂肪酸はくさい

昨日、納豆の本を読んでいたら、納豆のにおい成分のことが出ていました。納豆のにおいは納豆菌が大豆成分を分解してつくったにおいです。

酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸・・・、と出て来て、これは短鎖脂肪酸ですね。

納豆、クサヤ、ギンナン、熟れ寿司などこの種類のにおいは、食品用語で「不精臭」と呼ばれています。もちろん、「不精者の臭さ」「不精する人に出る臭み」から来たことばだそうです。あんまりよい感じはしませんね。私、納豆が大好きなのです。

私の年代で特に関係あるのは、加齢臭です。加齢臭についてまだよい資料が見つからないのですが、いずれきちんと書きたいと思います。油が関係あるに決まっています。

このブログを書きながら、化学を少し学べたのでよかったと思います。納豆のにおいとお父さんの足の裏のにおいが脂肪の分解による同類のにおいだと理解できるようになりました。

以前、酢酸は短鎖脂肪酸。脂肪酸だったのですかで酢酸、酪酸、カプロン酸について書きましたが、この記事では、それ以外の短鎖脂肪酸について調べておきます。短鎖脂肪酸はくさいのが特徴です。

プロピオン酸

プロピオン酸は分子式 C3H6O2、示性式 CH3CH2COOH、分子量 74.08のカルボン酸。無色の液体で、不快な臭気を有する。語源は「最初の脂肪酸」という意味で、油脂の加水分解により得られる脂肪酸のうち、最も炭素数の少ないものであったことによるとか。炭素数が1つ少ない酢酸も短鎖脂肪酸に分類されます。(出典

プロピオン酸

プロピオン酸

プロピオン酸のにおいはどんなものか質問していた人がいました。刺激的なすっぱいにおいだそうです。しかし、エステルになるとよい匂いになるところが面白いです。プロピオン酸は、草食動物の重要なエネルギー源になっているそうです。

吉草酸

吉草酸は、分子式C5H10O2、示性式 CH3(CH2)3COOH、分子量 102.13 のカルボン酸。ヨーロッパ産のハーブ・セイヨウカノコソウ(吉草、学名 Valeriana officinalis L.)から最初に発見されました。セイヨウカノコソウは、根や茎を不眠症や精神高揚等に効果がある薬草として用いられています。ドイツでは不眠症、精神不安への使用を承認しているとか。(出典

しかし、においの元は、吉草酸ではなく、どうやら次のイソ吉草酸です。

吉草酸

吉草酸

イソ吉草酸

イソ吉草酸は、分子式C5H10O2。吉草酸と同じですが、異性体です。「イソ」とは、異性体を示す接頭語です。異性体とは同じ数、同じ種類の原子を持っているが、違う構造をしている物質のことです。

具体的には、直鎖の炭化水素の端から2番目の炭素原子にメチル基(-CH3)の側鎖をもつ異性体を示します。確かに今まで描いてきた脂肪酸と形が違っています。下図の二重結合をした酸素(O)の右に並んでいる1本の腕がそれです。

多くの植物、精油に見られる天然の脂肪酸だそうですが、イソ吉草酸自体は、お父さんの靴下のにおいの本質だそうです。しかし、そのエステルは快い芳香を持つところが面白いです。

日本経済新聞(2011/5/20)に足のにおい 何とかしたい!! 効果のある対策は?という記事があり、実際に履いた靴下のにおいを測定した話がでています。

イソ吉草酸

イソ吉草酸

脂肪はにおいの元になる

大豆についた納豆菌が大豆の脂肪を分解し、脂肪を短鎖脂肪酸に分解して納豆のにおいをつくります。

お父さんの足の裏のにおいは、お父さんの足の裏から出て来ているわけではなくてしみじみよかったです。足の裏のにおいの仕組みも同じで、足の裏から出た汗の中の脂肪が、皮膚についている微生物で分解されて、短鎖脂肪酸になって足のにおいに変わるのです。

同じ種類のにおいなのに、納豆は好ましく食欲を刺激されるように感じ、足のにおいは不快だというのは面白いです。ちなみに、この種のにおいは、外国人の大半は好まず、しかめっ面をするそうです。しかし、不思議なことに、同じ種類の短鎖脂肪酸によるにおいのきついチーズを日本人は敬遠するのに、西欧人は好んで食べます。

昔のことを思い出すと、もう酒を飲むのが当たり前になった20代のある日、初めてくさやを口の中に入れたとき、ものすごく違和感がありました。びっくりしたのを覚えています。正直、こんなもの食べてよいのかと思いました。しかし、今は好んで食べるわけではないですが、出てくれば普通に食べます。

においの感じ方は学習によって変わるのかもしれません。私の足のにおいも慣れるとよいにおいに感じられるのでしょうかねえ?

体の表面にはたくさんの常在菌が棲んでいるらしいです。一時流行った滅菌とか殺菌をしてはいけないそうです。菌叢が壊れてしまって体にもよくないそうです。しかし、常在菌の種類をコントロールできるとにおいが変わりそうで面白いです。案外、近い将来、そんなビジネスが登場するかもしれませんね。

スポンサーリンク

フォローする

スポンサーリンク