脂肪を食べるのは他の生き物が貯蔵していたエネルギーを横取りすること?

この記事では、脂肪の性質を調べながら脂肪を食べることについて考えてみました。脂肪はなかなかおいしいですが、脂肪がエネルギーをコンパクトに貯めているものだと考えると、他の生物が飢餓対策にとっておいたものを横取りして食べているように感じてきました。

脂肪はつきやすく落ちにくい

一度太ってしまうと体重を落とすのは大変です。食べて太るのは簡単なのに、運動してやせるのは大仕事になります。これは脂肪が貯蔵されることを前提としたエネルギー源だからではないでしょうか?

脂肪は、1グラム9kcalと1グラムあたり炭水化物の2倍の熱量を持っています。若い頃は、ごはんをたくさん食べても、肉を食べてもたいして太りませんが、中年になったら話は別です。

結婚して30を過ぎて太った経験のある人なら分かると思います。お腹が出て、脇腹に肉がついて、首に脂肪がついてきます。この状態になると、お腹が引っ込んで、脇腹の肉が減ってからやっと首についた脂肪が落ちます。丸くなった顔が細くなる?のはそれからです。

ごはんよりも脂肪の方が太りやすいのは、カロリーが高いことに加えて、体の仕組みがそうなっているからです。脂肪の方がたまりやすいのです。

ところで、脂肪がたまりやすいことは、生きていくためによくできた仕組みではないかなと思いました。

肉

脂肪は貯蔵されやすい

もともとのスタートから考えると、植物が生産した糖や脂肪を、動物が食べ、その動物も他の動物に食べられます。

その間、脂肪が移動して、次の動物の体に蓄えられます。もちろん、エネルギー源としても使われますが、糖と違って、脂肪は蓄えられやすい。

脂肪は完全に分解されずにすぐにもとに戻る

脂肪は、脂肪酸2本とグリセリンに脂肪酸を1本つけたモノグリセリドまで分解されます。本当にバラバラにはなりません。そして、完全に分解されないままに、また小腸から吸収されて、体の中で脂肪に戻ってしまうのです。

脂肪酸の変化

そして、糖も余ると脂肪に変えられます。インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、糖を脂肪に変えることで血糖値を下げているのです。

そして脂肪は、脂肪細胞にどんどん無尽蔵に貯められます。たまにテレビで体重が300キロくらいある人が出て来ますが、そのくらい蓄えることが可能だということです。すごいですね。

脂肪細胞というと特別な細胞なのかと思いますが、何のことはない細胞質内に脂肪滴(てき)をもつ細胞のことです。

脂肪細胞

脂肪細胞

脂肪はすぐに燃えない

ダイエットのために運動する人は多いです。私もその一人です。

しかし、脂肪は寝ていても運動していても使われているで書きましたが、運動して脂肪がよく燃えるのは低強度の運動で、激しい運動をしても脂肪はあまり燃えません。運動強度が上がるほど簡単にエネルギーになる糖分が使われます。

走る

脂肪がエネルギーとして一番使われるのは、安静時です。脂肪は、グリセリンに3本の脂肪酸がついた構造です。

しかも、脂肪酸は、炭素(C)数18のものが多いです。ブドウ糖は、炭素(C)数6ですから、脂肪酸をエネルギー源として使えるように分解するまで時間がかかるのです。

運動すると高脂肪のものが食べたくなる

おまけに脂肪が好きなのは本能なのだろうか?で書きましたが、運動して、いわゆる「ハイ」な状態になると、脳内ではβエンドルフィンが分泌されるのですが、その状態になると、高糖分高脂肪のものが食べたくなるようなのです。脳から高糖分高脂肪のものを要求されるのですよ。

運動してダイエットするには、時間がかかり、また食べるものを意識して選ばないと脳みそからの命令に負けてしまい、なかなか成果が上がりません。自制心が必要になります。

脂肪は性能のよい燃料

何かと嫌われることの多い脂肪ですが、脂肪には役割があります。まず、体を衝撃から守ります。転んだり、ぶつかったり、殴られたりしたときに脂肪があるおかげで衝撃が吸収されます。

そして、寒いときには脂肪が保温材になります。子供の頃、冬になると太った友達に「おまえはデブだから寒くないだろう」とからかっていましたが、それは事実でした。確かに寒いときは、ガリガリにやせた子の方が辛そうでした。

砂漠で暮らすラクダのこぶには脂肪が蓄えられているそうです。砂漠には食べものがありませんから、少しずつ分解して食べものの代わりにするそうです。

脂肪はカロリーが高い

脂肪は何しろカロリーが高いですから、燃料として性能がよいですね。ラクダのこぶは、消費されるとだんだん小さくなるそうです。

脂肪がいかにカロリーが高いのか、油はカロリーが高いが油の種類や他の食品と比較してみたという記事で詳しく書いてあります。

そう考えると、脂肪は性能のよい貯蔵燃料なのかもしれません。私の年代でも信じられませんが、昔は肥満児というのが全くいなかったそうです。

そして、ヒトを含む動物にとって長く続いた飢えの時代を考えると、食べられるときに食べたものを少しでも後のためにとっておくという仕組みが脂肪の貯蔵だと思います。

脂肪は横取りされる

ダイエットのために体についた脂肪を消費することを考えると、なかなか大変だなと思うのですが、生きていくためにエネルギーを保存しておくと考えると、脂肪を蓄える仕組みは、よくできていると思います。

何しろ、他の生き物がそれまでに蓄えていた脂肪を、ちょっとだけ分解して自分の中でまた脂肪にしてしまうのです。パスを受け取るようなものです。

パスする

果実やナッツ、畜肉でも魚でも、それらが蓄えていた脂肪を、ヒトが食べるだけで、また自分の体の中で燃料として蓄えることができるのです。

なんだか、そのまま横取りしているようにも見えますね。

糖を脂肪に変えるには、体の中でグリセリンと脂肪酸をつくる必要があります。そのためには、エネルギーが必要になります。

脂肪なら、ほとんど横取りできます。エネルギー確保のためのよくできた仕組みだと思います。

まとめ

極地で生肉をほお張るエスキモーのことを思い浮かべると、脂肪は大切なエネルギー源です。穀物を食べると、ブドウ糖からアセチルCoAにまで分解され、そこから脂肪酸がつくられます。ブドウ糖が脂肪になるまでの道のりは結構めんどくさいです。

しかし、生肉の脂肪はちょっと分解されてすぐに自分の体で脂肪に戻ります。

脂肪を食べることは、他の動物が蓄えてきたエネルギーを横取りしているように感じます。不意に「生存競争」という普段あまり使わないことばを思い出してしまいました。

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