オメガ6について知っておきたいこと

オメガ6脂肪酸では、リノール酸とジホモ-γ-リノレン酸とアラキドン酸が重要です。オメガ6は、必須脂肪酸であり、リノール酸が一番多く含まれている油は、サフラワー油/ハイリノールで、食品では、クルミです。

リノール酸を摂り過ぎると、プロスタグランジンE2が多くなり、炎症を促進します。また、ガンや認知症の原因にもなります。昔は、健康に役に立つ脂肪酸だと広く知られていたのですが・・・。

ベニバナ

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覚えておきたいオメガ6の脂肪酸3つ

油を理解するために覚えておきたいオメガ6の脂肪酸は、3つあります。リノール酸(C18:2)とジホモ-γ-リノレン酸(C20:3)とアラキドン酸(C20:4)です。

オメガ6の脂肪酸

構造式は覚える必要はありませんが、脂肪酸について基本的なルールを知って見比べると理解が深まります。決してむずかしくはないです。

もし、脂肪酸がわからないという方がいらっしゃったら、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があるを読んでいただくとよいです。

オメガ6ってどういう意味?

また、「そもそも、オメガ6ってどういう意味?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。これは、オメガ端から6番目に炭素に最初の二重結合があることを意味しています。

オメガ6の脂肪酸とはω端から6番目の炭素に二重結合があるに図解して説明しています。

必須脂肪酸である

オメガ6の脂肪酸は、必須脂肪酸といわれ、たべものから必ず摂らなければいけない脂肪酸です。

必須脂肪酸は1930年代に発見されました。最初に発見されたのがリノール酸です。リノール酸が欠乏すると皮膚炎を起こしたり、体重が減少していくことがわかりました。

発見する歴史を読むととても面白いです。リノール酸が必須脂肪酸になった歴史にその物語をまとめておきました。

また、なぜ、自分の体の中で作ることができないのでしょう?もちろん、体の中でいつも脂肪酸はつくられています。しかし、リノール酸が作られることはありません。

体内では合成できない

リノール酸には炭素の二重結合が2か所ありますが、体の中ではその場所に二重結合を作ることができないのです。酵素の問題です。オメガ3の脂肪酸とオメガ6の脂肪酸はなぜ体の中で作ることができないのか?という記事に書きました。

オメガ6の油と食品

リノール酸を含んだ油や食品はたくさんあります。それを調べてまとめました。

オメガ6リノール酸が多い油と食品ランキングにまとめてあります。

リノール酸が一番多い油はサフラワー油(ハイリノール)

リノール酸が一番多い油は、サフラワー油(紅花油)/ハイリノールです。ハイリノールとハイオレイックがあり、ハイリノールはリノール酸が多く、ハイオレイックはオリーブ油の主成分であるオレイン酸が多いです。

二番目は、ブドウ油(グレープシードオイル)、次に、ひまわり油/ハイリノール、綿実油、とうもろこし油、大豆油と続きます。

大豆油が100gあたり50gのリノール酸を含んでいます。大豆油までがオメガ6の油といってよいのではないかと思います。オメガ6の油について、他にこんな記事を書きました。

ナッツに多く含まれ一番多いのはクルミ

また、食品ではナッツ類に多く含まれていて、特にクルミが多い。ビールのつまみにナッツ類はなかなかおいしいですが、100g食べるのはたやすいことで、注意が必要です。

ちなみに、煎ったクルミ100gには41gリノール酸が含まれています。4gじゃなくて41gですから食べすぎにご注意を。クルミについては、くるみの脂肪酸を調べたらリノール酸が一番多かったという記事でさらに詳しく調べています。

実は、同じオメガ6の脂肪酸でも、アラキドン酸がたくさん含まれた食品ってほとんどありません。

アラキドン酸が多く含まれる食品を調べたに書きました。卵黄が多いです。でも100gあたり500mg程度なので、リノール酸に比べたらわずかな量です。

リノール酸を摂りすぎると健康によくない

今はリノール酸の摂りすぎが問題になる時代です。具体的にはリノール酸から変換されたアラキドン酸がプロスタグランジンE2に変わることで、炎症がひどくなる原因になるといわれています。

リノール酸はアラキドン酸に変換されプロスタグランジンに

まず、リノール酸がどのようにアラキドン酸に変換されるかを知りましょう。リノール酸は、炭素の二重結合を1個増やし、炭素数を2個加え、さらに、炭素の二重結合を1個増やしてアラキドン酸になります。

リノール酸はアラキドン酸に変換されるにその反応について書きました。

また、炎症がひどくなるといわれるプロスタグランジンE2について、最初に読んでいただくとよいのは、プロスタグランジンE2が問題だです。

プロスタグランジンE2は、アレルギーや炎症を促進させ、血液を凝固させる働きをしますが、プロスタグランジンE1とE3はアレルギーや炎症を抑制し、血液を融解させる方向に働きます。

プロスタグランジンE1は、アラキドン酸になる一つ前のジホモ-γ-リノレン酸から作られ、また、プロスタグランジンE3は、オメガ3のEPAから作られます。

これらは同じ経路で反応しているので、リノール酸が多いとアラキドン酸が増えてプロスタグランジンE2が増えてしまいます。

プロスタグランジンとアラキドン酸の構造の違いを比べる

ただの脂肪酸が、なぜ、炎症を促進するような激しい働きをするのだろう?アラキドン酸からどんな変化をしてプロスタグランジンができるのだろうと思いました。それで、プロスタグランジンに変化するまでの構造式を調べました。

プロスタグランジンは、環構造を持ちますが、アラキドン酸から大きく変化したというわけではないです。そして、プロスタグランジンE1、E2、E3の違いは、炭素の二重結合の数でした。E1は1個、E2は2個、E3は3個です。あとの構造は何も変わりません。

プロスタグランジンE2とE3、E1の違いを構造式から調べたに図も一緒に載せてあります。

さらに、構造もほとんど同じなのに、なぜ、プロスタグランジンE2だけが、炎症を促進するのだろうと思いました。

プロスタグランジンE2が炎症を促進する仕組み

すると、プロスタグランジンE2は、アレルギー反応に関係するマスト細胞にある、EP3受容体を介してマスト細胞を刺激し、ヒスタミンが放出されて炎症を促進することがわかりました。

プロスタグランジンE2が炎症を促進する仕組みとそれを抑制する仕組みに書いてあります。

アラキドン酸からできるプロスタグランジンやロイコトリエン、トロンボキサンなどの生理活性物質をエイコサノイドといいますが、これらが作られる反応経路をアラキドン酸カスケードといいます。

なぜ、アラキドン酸が主役なのだろうと思って、プロスタグランジンが発見されていく歴史を調べました。エスキモーのような食生活をしていない限り、細胞膜のリン脂質を構成する脂肪酸は、圧倒的にアラキドン酸が多いのです。

プロスタグランジンが発見される歴史で疑問に思った2つのことに書きました。

病気の原因になる

リノール酸は、炎症を促進するプロスタグランジンのもとになります。炎症と聞くと、まず皮膚の炎症を思い出しますが、炎症はもっと深刻な病気の原因になるのです。

ガンの原因になる

脂肪をとり過ぎているとガンになるという話を読んで、本当かなと思いました。またいい加減なことを流す人たちのデマみたいな話だろうと思ったのです。

しかし、時間をかけて調べていくと、論文がいくつも出てきます。しかも、どうやらリノール酸にその原因があるらしい。脂肪のとりすぎとガンに書きました。

さらに、なぜ、リノール酸がよくないのか調べました。リノール酸はアラキドン酸に変換され、炎症を促進するプロスタグランジンE2になります。炎症はずっと持続しているとガンになりやすいことがわかりました。

さらに、プロスタグランジンE2が、もともと増殖しやすい繊維芽細胞や上皮細胞の増殖を刺激し、本来の細胞周期を制御する機能を失わせやすくしてガン化の原因になるのです。

リノール酸とり過ぎが発癌に関係するのは、炎症を持続させ細胞増殖を刺激するからに詳しく書きました。

認知症の原因に

リノール酸と認知症の関係について一時話題になりました。リノール酸が体内で分解され、過酸化脂質となった時に、4-ヒドロキシノネナールという物質ができます。これがHsp70(ヒートショックプロテイン)を酸化することでアルツハイマーの原因になるのです。

リノール酸は炭素数18の脂肪酸ですが、4-ヒドロキシノネナールは、炭素数9のアルデヒドです。脂肪酸は端にカルボキシ基(-COOH)がついていましたが、アルデヒドは、端に(-CHO)がつきます。さらに4番目の炭素にヒドロキシ基(-OH)がついています。

4-ヒドロキシノネナール

4-ヒドロキシノネナール

リノール酸とヒドロキシノネナールとアルツハイマーに書きました。

まとめ

リノール酸は1970年代から、健康によいといわれ、ずっとそう思ってきました。

私にとって、油といえば、サラダ油で、ごま油はぜいたく品だと思っていました。おそらくサラダ油を子供の頃から30年くらいは使っていたと思います。

1990年頃、普段使う油をサラダ油からオリーブ油にかえたのは、円高で輸入オリーブ油がとても買いやすい値段になったからです。

ところが、今はリノール酸は、悪者(わるもの)になっています。私はずっとサラダ油を使ってきたので、何とかよいところを探そうとしたのですが、調べれば調べるほど悪い話が増えていくのです。

時代が変わると価値観が変わることはありますが、これほど評価が悪くなるのはめずらしいのではないかと思います。

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