イカとオメガ3脂肪酸

イカはもともと脂質が少なく、オメガ3の脂肪酸も少ないです。刺身を100g食べても、1g未満、せいぜい0.5g程度しかありません。イカのエサを調べると、魚と同じようなものを食べていますが、運動量が多くて脂肪がたまらないのでしょうか?

いか

イカは魚ではなく軟体動物ですが、海にいるので魚と同じような物を食べています。刺身を食べるとまぐろやかつおと違ってあっさりしていますが、オメガ3の脂肪酸はどのくらいあるでしょう?

イカは脂質が少なくオメガ3の脂肪酸も少ない

日本食品標準成分表2015年版(七訂)を使って調べると、6種類ありました。なじみのないいかについて、とても詳しい、ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑さんの記事にリンクを貼らせていただいています。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
水産物関連のベストセラーを執筆する藤原昌高(ぼうずコンニャク)がWEBで提供する魚貝類図鑑。圧倒的な情報量(基本情報から食べ方・料理法・加工品・歴史まで)で掲載種は2500種以上。

しかし、イカは脂質が少ないです。一番多いほたるいかでも、100gあたり3.5gです。あとは1g程度しかありません。しかし、これは刺身を食べれば脂が少ないといつも感じることです。炭水化物もほとんどないので、水分を抜かすと、ほとんどたんぱく質だけの生き物です。

100gあたりのオメガ3脂肪酸は1g未満

もともとの脂質全体が少ないので、オメガ3の脂肪酸はもっと少ない。一番多いほたるいかで0.83gですが、ほかは0.5gもありません。

脂肪酸組成は、オメガ3の脂肪酸が一番多く、EPAとDHAが多いのは魚と同じです。

あかいか
/生
けんさき
いか
/生
こういか
/生
するめい
か/生
ほたるい
か/生
やりいか
/生
エネルギー 90kcal 84kcal 75kcal 83kcal 84kcal 85kcal
水分 79.3g 80g 83.4g 80.2g 83g 79.7g
たんぱく質 17.9g 17.5g 14.9g 17.9g 11.8g 17.6g
脂質 1.5g 1g 1.3g 0.8g 3.5g 1g
炭水化物 Tr 0.1g 0.1g 0.1g 0.2g 0.4g
灰分 1.4g 1.4g 1.3g 1.3g 1.5g 1.3g
飽和脂肪酸 0.21g 0.16g 0.19g 0.11g 0.58g 0.18g
一価不飽和脂肪酸 0.07g 0.04g 0.05g 0.03g 0.69g 0.05g
多価不飽和脂肪酸 0.45g 0.22g 0.33g 0.19g 0.94g 0.26g
n-3系多価不飽和脂肪酸 0.43g 0.19g 0.28g 0.18g 0.83g 0.25g
n-6系多価不飽和脂肪酸 0.01g 0.03g 0.05g 0.01g 0.1g 0.01g
16:0パルミチン酸 150mg 110mg 110mg 83mg 380mg 130mg
18:0ステアリン酸 49mg 31mg 46mg 18mg 69mg 19mg
18:1計 17mg 19mg 30mg 11mg 380mg 24mg
18:2n-6リノール酸 1mg 1mg 2mg 1mg 22mg 2mg
18:3n-3αーリノレン酸 Tr 0 Tr 0 14mg 1mg
20:4n-6アラキドン酸 7mg 18mg 34mg 8mg 58mg 9mg
20:5n-3イコサペンタエン酸 97mg 52mg 78mg 43mg 310mg 75mg
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 330mg 140mg 190mg 130mg 450mg 170mg

イカは何を食べているか

イカに脂質が少ないので何をエサにしているのか調べました。ウイキペディアのイカより引用します。魚と変わらないです。

イカは小魚や甲殻類を主食とする。イカは自身の体の大きさに比べてかなり大きい獲物を襲う。アオリイカの幼体は自身より大きなムギイワシを襲うことが知られている。コウイカはエビやカニ、小魚を好んで食べる。

スルメイカがハダカイワシを捕食する際は丸ごと捕食しているのが見られるのに対し、イワシを捕食する際は、触腕で捕らえ、腕で抱え込み、上顎及び下顎で頭部を落とし、胴体のみを食べるように持ち変える様子が確認されており、底生の魚類エゾイソアイナメはこの棄てられた頭部を多く食べている。

しかしスルメイカは小魚よりウミノミやツノナシオキアミなどの甲殻類を好んで食べる。

イカは魚と同じようなエサを食べていますが、食べた脂肪は運動量が多くて使ってしまうのでしょうか?この説明を読むと、貪欲な感じがするのですが。

NOTE

食品にオメガ3が入っているのか気になるところですが、オメガ3は脂肪酸のことです。脂肪酸は、脂肪(油)を構成する部品です。以前、油の構造を知ろうという記事を書きました。

油の構造を知ろう
油は脂肪と同じものです。油には基本的な構造があります。グリセリンと3本の脂肪酸がエステル結合したものです。脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、炭素の長さで性質も違います。油の性質は、結合する脂肪酸によって決まります。

オメガ3の脂肪酸は、油の中に入っています。食べた時に、油気を感じない食べ物には少ないと思っていただいて間違いないです。イカの刺身を食べると、あっさりしているので、オメガ3の脂肪酸もあまりないだろうと見当がつきます。

その他の水産物とオメガ3については、水産物の中のオメガ3をお読み下さい。

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