えごまは100gあたり43gが脂質です。そのうちオメガ3の脂肪酸は24gあります。えごまはそれだけでなく、たんぱく質も18g程度あり、必須アミノ酸全てが含まれています。また、ビタミン、ミネラルもそこそこあり、栄養豊富な食品です。特に、乾燥させただけの発芽するえごまは、保存性がとてもよいです。
えごまの脂質は100gあたり43g
えごま油のえごまですから、脂質は多い。乾燥させたえごま100gあたり脂質は43gあります。乾燥させたえごまは少し黒っぽい色をしています。こちらのえごまは天日乾燥です。
えごまのオメガ3脂肪酸は24g
さらにえごまに含まれるオメガ3の脂肪酸は、全てα-リノレン酸で、乾燥えごま100g中に約24gあります。1日2gのα-リノレン酸を摂るなら、乾燥えごまを16g食べれば間に合います。
数字は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)から調べました。
えごまとえごま油の栄養成分を見比べてみる
ところで、この記事では、乾燥えごまとえごま油の栄養成分を調べて比較できるよう並べて書きました。行数が多いですが、ぜひ、下まで見比べて下さい。脂質とオメガ3の脂肪酸には色を塗ってあります。
えごま/乾 | えごま油 | |
エネルギー | 544kcal | 921kcal |
水分 | 5.6g | Tr |
たんぱく質 | 17.7g | 0 |
脂質 | 43.4g | 100g |
炭水化物 | 29.4g | 0 |
灰分 | 3.9g | 0 |
ナトリウム | 2mg | Tr |
カリウム | 590mg | Tr |
カルシウム | 390mg | 1mg |
マグネシウム | 230mg | Tr |
リン | 550mg | 1mg |
鉄 | 16.4mg | 0.1mg |
亜鉛 | 3.8mg | 0 |
銅 | 1.93mg | 0 |
マンガン | 3.09mg | 0.01mg |
ヨウ素 | Tr | – |
セレン | 3μg | – |
クロム | 2μg | – |
モリブデン | 48μg | – |
レチノール | ‘(0) | 0 |
αーカロテン | Tr | Tr |
βーカロテン | 23μg | 22μg |
βークリプトキサンチン | 1μg | 2μg |
βーカロテン当量 | 24μg | 23μg |
レチノール活性当量 | 2μg | 2μg |
ビタミンD | ‘(0) | ‘(0) |
αートコフェロール | 1.3mg | 2.4mg |
βートコフェロール | 0.3mg | 0.6mg |
γートコフェロール | 23.6mg | 58.6mg |
δートコフェロール | 0.5mg | 4.6mg |
ビタミンK | 1μg | 5μg |
ビタミンB1 | 0.54mg | 0 |
ビタミンB2 | 0.29mg | 0 |
ナイアシン | 7.6mg | 0 |
ナイアシン当量 | 11.6mg | 0 |
ビタミンB6 | 0.55mg | – |
ビタミンB12 | ‘(0) | – |
葉酸 | 59μg | – |
パントテン酸 | 1.65mg | – |
ビオチン | 34.6μg | – |
ビタミンC | Tr | ‘(0) |
脂肪酸総量 | 38.79g | 95.17g |
飽和脂肪酸 | 3.34g | 7.64g |
一価不飽和脂肪酸 | 6.61g | 16.94g |
多価不飽和脂肪酸 | 28.83g | 70.6g |
コレステロール | ‘(0) | 0 |
単糖当量 | 2.5g | – |
水溶性食物繊維 | 1.7g | 0 |
不溶性食物繊維 | 19.1g | 0 |
食物繊維総量 | 20.8g | 0 |
食塩相当量 | 0 | 0 |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 23.7g | 58.31g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 5.12g | 12.29g |
16:0パルミチン酸 | 2300mg | 5600mg |
18:0ステアリン酸 | 940mg | 1900mg |
18:1計 | 6500mg | 17000mg |
18:2n-6リノール酸 | 5100mg | 12000mg |
18:3n-3αーリノレン酸 | 24000mg | 58000mg |
20:4n-6アラキドン酸 | 0 | 0 |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 0 | 0 |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 0 | 0 |
イソロイシン | 710mg | |
ロイシン | 1300mg | |
リシン | 800mg | |
メチオニン | 510mg | |
シスチン | 370mg | |
フェニルアラニン | 1000mg | |
チロシン | 680mg | |
トレオニン | 700mg | |
トリプトファン | 240mg | |
バリン | 960mg | |
ヒスチジン | 570mg | |
アルギニン | 2300mg | |
アラニン | 920mg | |
アスパラギン酸 | 1700mg | |
グルタミン酸 | 3800mg | |
グリシン | 950mg | |
プロリン | 670mg | |
セリン | 1000mg | |
ヒドロキシプロリン | – | |
アンモニア | 380mg | |
でんぷん | 0.3g | |
ぶどう糖 | 0.2g | |
果糖 | 0.1g | |
ガラクトース | – | |
しょ糖 | 1.7g | |
麦芽糖 | 0 | |
乳糖 | ‘(0) | |
トレハロース | ‘(0) | |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より |
えごまは栄養豊富でたんぱく質が多く、ミネラル、ビタミンもある
乾燥えごまには、100gあたり、約18gのたんぱく質が含まれています。これは、乾燥大豆には及ばないものの、乾燥ごま(白ゴマ黒ゴマの)とほぼ同等です。えごまはシソ科でごまはゴマ科の植物で別ものです。
乾燥えごまは、なかなか栄養豊富です。必須アミノ酸もすべて入っています。
炭水化物は100gあたり約30g含まれていますが、そのうち20gは食物繊維です。
さらに、一度に食べる量を考えれば多くはないですが、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルも含まれています。
ミネラルについて働きが知りたい方は、ミネラル記事一覧をお読み下さい。
また、ビタミンも多くはないですが、含まれています。ビタミンの働きについて知りたい方は、ビタミンの記事一覧をお読み下さい。
油にすると油と脂溶性のビタミンしか残らない
えごま油は、ほぼ100%油です。上の表を乾燥えごまと見比べると、脂溶性のビタミンは残るものの、その他は、ごくごくわずかのミネラルを残して、あとは何も残りません。
油って本当に「油」なんだなと思います。ぜいたくというか、もったいないというか。
乾燥えごまは1年経っても平気
えごま油は開封後、なるべく早く使わなければ参加して魚くさくなってしまいます。一方、上で紹介した飛騨の乾燥えごまは、保存場所に気をつける必要がありますが、1年経ってもポットに入れれば発芽するそうです。
電話して聞きましたが天日乾燥しただけだそうです。高温で乾燥させたわけではないので、種(たね)としての能力を保っています。種は生き物ですから、いたみにくい。
もちろん、食べる時は、ゴマと同じようにフライパンなどで炒って、その後すり鉢で軽く擦れば、すりえごまとしておいしく食べられますとのことでした。
えごまは食べ物として見ると、オメガ3の脂肪酸が多い他、たんぱく質も多く、ミネラルビタミンもある栄養豊富な食品です。
NOTE
かなり前のことですが、緑豆を買ってきて、緑豆もやしを栽培していたことがあります。緑豆の発芽率のよさと、たとえ忘れ去られて相当時間が経っても発芽してくる、種の強さを感じたものでした。
乾燥えごまの保存性がよいのは、玄米と同じです。発芽する玄米は白米よりずっと長持ちします。
その他の植物性食品については、農産物の中にどのくらいオメガ3脂肪酸が含まれているかをご覧下さい。