タイトルから顔に浮かぶ脂についての本なのかなと思いますが、いまどきの油について広く一通り説明してくれる本です。
技術評論社の知りたいサイエンスシリーズはよい本が多いです。
油について知りたいと思っている人が一通り学べる本
タイトルは顔に浮かぶ脂をイメージしてしまうのですが、油について一通り学べる本です。
しかし、特に興味のない人が暇つぶしに読むにはちょっとつらいです。1ページの中に馴染みのないことばがいくつも出てくる印象があります。
「油について知りたい」と目的を持っている人、私もそうでしたが、油について何か疑問を持っている人が最初に読むとよい本です。
きっと視野が広がり、もっと深く知りたくなると思います。この本を読んでからもっと詳しい本を読むとよいと思います。
内容をちょっとだけ紹介
内容は5章からなり、各章にはこんなタイトルがついています。
- 第1章 「脂質」はなぜ体に必要なの?
- 第2章 「コレステロール」の働きと健康の関わり
- 第3章 人はなぜ「メタボ・肥満」に悩まされるか?
- 第4章 「脳にいい油」はどこまで本当か?
- 第5章 食生活で脂質をどのくらい取り入れるべきか
第1章では、脂肪と脂肪酸について説明され、必須脂肪酸とからだによい油の研究の変遷が紹介されます。
第2章では、中高年の大敵、コレステロールについて説明されています。読めば、健康診断の血液検査だけ気にしていたらだめだなと思います。コレステロールはとても大切なものだと分かります。そして、コレステロールを運ぶリポタンパク質に興味を覚えると思います。
第3章では、メタボ・肥満の話から、脂質がどのように代謝されるか簡単に説明されます。糖質も脂質もアセチルCoAになってクエン酸回路に入ります。このあたりのことは、生きることでかなり重要なことなので、読んでいるとさらに深く知りたくなります。
第4章は、油の話で必ず問題になるプロスタグランジンが出てきます。オメガ3の脂肪酸とオメガ6の脂肪酸のバランスをとることが大切だと説明されます。
第5章は、カロリー制限と脂質との関係について。まず間食を減らして、むやみやたらと食事から脂質を抜いてしまわないようにアドバイスされています。そして、最後に少しだけ著者の専門でもあるポリフェノールについて書かれています。
NOTE
この本を買ったきっかけはタイトルでした。
私は、昔は乾燥肌だったはずなのに、居酒屋に行くと顔をゴシゴシお手ふきで拭く正しいオヤジになっています。何で年齢とともに分泌するアブラが増えてくるのかと思っていたので、タイトルを見てすぐに買いました。
加齢とアブラの問題を教えてくれるのかと思ったのです。
しかし、油の問題を広く説明する正統派の本だったので、買った目的とは違って私にはとても役に立ちました。
特に、コレステロールは知らなければならないものだと分かりました。私がこのブログを始めた時は、油と脂肪酸とオメガ3とオメガ6の話題だけでやめておこうと思っていたのです。
この本を読んだことがきっかけになり、コレステロールについて調べるようになりました。