「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因動脈硬化は自分で治せる」を読んだ

動脈硬化は油のとり過ぎが原因であり、超微粒子の脂肪滴が血管内皮細胞すき間を通って内部にたまりプラークとなります。お酒の飲み過ぎと甘い物を食べ過ぎは、内皮細胞を縮めてすき間を広げ、プラークがたまるスピードを上げます。

石灰化したプラークも含めて改善することは可能ですが、年単位の時間がかかります。

血液

真島康雄先生の脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因 動脈硬化は自分で治せる(幻冬舎 2018)を読みました。

2009年に出版された「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」から9年。第二弾の本です。最初の本をとても興味深く読んで、動脈硬化は食べた酸化脂質が原因で進むそうですという記事を以前書きました。

また、真島先生が説明されている動脈硬化になる仕組みにとても興味を持ち、自分で理解するために動脈硬化になる仕組みという記事も書きました。

新しい本は、以前出版された本の焼き直しではありません。9年間で得られた新しい考えが盛り込まれています。

この本は私も読んで本当によかった。私の記事を読んでくださる方全員におすすめしたい本です。

目次
  1. 油をサプリメント代わりにしている人と甘い物が好きな人、お酒が大好きな人は読むとよいかも
  2. 動脈硬化の原因は油である
    1. プラークはLDLコレステロールでも酸化LDLでもない
    2. LDLコレステロール値が高いこととプラークの溜まり方に関係がなかった
  3. 比重が重い超微粒子の脂肪滴とは?
    1. 油はリポタンパク質によって運ばれる
      1. 油(中性脂肪)の量が減ると比重は大きく重くなる
  4. 食べた油がいけないなら、プラークのもとはカイロミクロンではないか?
    1. 食べた脂肪が半分になるまでに血液は体内を何周するか
    2. 中性脂肪値が高いとプラークが堆積しやすい
  5. 酒と甘い物は血管内皮細胞同士の間隔を広げる
    1. お酒は細胞を一瞬縮める
    2. 甘い物も細胞を縮める
  6. 動脈硬化になる仕組み
    1. 比重の重い超微粒子脂肪滴が内皮細胞のすき間に入り込む
      1. 内皮細胞のすき間が大きくなるとプラークがたまるスピードが上がる
    2. マクロファージは活躍し続ける
      1. プラークの堆積は超微粒子脂肪滴がたまるスピードとマクロファージが食べるスピードによる
  7. 動脈硬化が心配な方は
    1. 油をとり過ぎない
    2. 甘い物を控える
    3. お酒を飲み過ぎない
    4. マクロファージを元気づける
    5. スタチンをお使いの方は本を読んでみては?
  8. 動脈硬化が改善するためにかかる時間
  9. 真島先生が調べている8ヶ所血管エコー検査
  10. NOTE

油をサプリメント代わりにしている人と甘い物が好きな人、お酒が大好きな人は読むとよいかも

この本には、動脈硬化は油のとり過ぎが原因であり、お酒の飲み過ぎと甘い物を食べる習慣はそれを助長すると書かれています。

ん?動脈硬化と甘いものが結びつく?と一瞬考えてしまいます。

動脈硬化は血管内にたまったプラーク(粥腫)が原因だと知られています。プラークになる「もと」は、一般にLDLコレステロール、もしくは変型したLDLコレステロールとされているのですが、真島先生は違う見解を持っているのです。

動脈硬化の原因は油である

この本によれば、動脈硬化の原因、プラークになるのは、比重が重い超微粒子の脂肪滴であると書かれています。川の流れと同じように、川底に沈んでいく砂のように超微粒子の脂肪滴が血管内皮細胞同士のすき間から入り込んできます。

真島先生が書かれているこの部分が、この本で一番大切なところだと思います。

油の種類は関係ありません。健康によい油でもラードでもバターでも。

さらに、プラークを増やす原因になるのは、お酒(種類を問わず)甘い物です。

プラークはLDLコレステロールでも酸化LDLでもない

先生がどのように書かれているか見ていきます。

物理の法則に従えば、川底の砂のように、比重が重い超微粒子の脂肪滴ほど血管壁のなかへ堆積しやすいと言えます。

物理学的に考えれば、川底に堆積する際の砂の質は関係ありません。つまり、超微粒子が酸化(酸素原子が結合)しても粒子のサイズは変わりません。

微粒子の脂肪滴であれば自然と溜まります。細胞と細胞の隙間(血管内皮細胞間隙)に入り込んだ超微粒子の脂肪滴は、正常な血圧の水圧・水流によって、後から次々と押され、流体力学的に血管内膜や中膜に入り込んで溜まり、プラークを形成するのです。

このメカニズムで考えた場合、LDLコレステロールが酸化LDLに変化することも関係なく、マクロファージの介在もありません。これらなしにプラークは生じます。

血液の流れを川の流れにたとえられています。そこに流れるのが底に沈む砂となる脂肪滴。

これを読むとLDLコレステロールが高くて悩んでいた方は、ホッとするでしょうね。もっと安心できることも書かれていますので、次に紹介しましょう。

また、ラインマーカーを引いた「比重が重い超微粒子の脂肪滴」の意味、おわかりになりますか?

私はここで引っかかって時間がかかりました。これはその次に説明します。

LDLコレステロール値が高いこととプラークの溜まり方に関係がなかった

LDLコレステロールの数値とプラークの肥厚には関係がないと書かれています。

「悪玉のLDLコレステロールの数値が高ければ動脈硬化が進む」というのが定説ですが、これも否定できます。

私は、多くの患者さんから血管プラークとLDLコレステロール値のデータを集めて分析しましたが、LDL値が高いこととプラークの肥厚には、とくに男性で有意な関係は見られなかったのです。(中略)

男性の場合、LDLの値と血管プラーク(動脈硬化)の程度にはまったく関連性が見られませんでした。この点からも、「LDL値を下げなければ動脈硬化が進行して脳梗塞や心筋梗塞になる」という一般常識は誤りであると言えます。

比重が重い超微粒子の脂肪滴とは?

超微粒子の脂肪滴の比重が重くなるのは、血液中を油(脂肪)が運ばれていく時の形に関係があります。

油(脂肪)は水と混ざらず必ず上に浮きます。これは日常よく経験することです。つまり、油の比重は軽い(小さい)のです。

しかし、ここでは比重が重い脂肪滴と書かれています。「なぜ比重が重いのだろう?」と思いました。

油滴

油はリポタンパク質によって運ばれる

油(脂肪)はリン脂質にアポタンパク質がついたリポタンパク質に「くるまれて」運ばれます。油は水と混ざらないため、水分が大半を占める血液中にそのまま流れることはありません。

リポタンパク質については、カイロミクロンは中性脂肪(TG)を配るに詳しく書きました。

リポタンパク質の画です。アポタンパク質とリン脂質にトリグリセリド(中性脂肪)とコレステロールエステルがくるまれています。

リポタンパク質

油(中性脂肪)の量が減ると比重は大きく重くなる

油(中性脂肪)は比重が軽く、それ以外のリポタンパク質を構成するものは比重が重い。含まれる油の量が減ると比重は重くなっていきます。

ウイキペディアのコレステロールにはこのような表が載せられていました。一部切り出して載せます。

リポタンパクには、キロミクロン(カイロミクロン)、VLDL、IDL、LDLHDLがあり、LDLとHDLはおなじみですね。

これらは、油(中性脂肪)やコレステロールなどを運ぶのが仕事です。

表の上から下に行くに従い、運ばれる油(中性脂肪)の量が少なくなり、粒子が小さくなり、比重が大きく重くなっています。比重1を超えれば水より重いことになります。

油(中性脂肪)の量が減ると粒子が小さくまた比重が大きく(重く)なっているのが分かります。

つまり、油(中性脂肪)の比重が小さく(軽く)、リポタンパク質を構成するそれ以外のものの比重が大きい(重い)ので、油(中性脂肪)の量が減ると比重は自動的に大きく(重く)なっていくのです。

nm(ナノメートル)は、100万分の1ミリです。

リポタンパク 比重 粒子径 中性脂肪重量比 コレステロール重量比
(エステル体重量比)
キロミクロン <0.96 80–1,000 nm 85% 7% (5%)
VLDL 0.96–1.006 30–75 nm 55% 19% (12%)
IDL 1.006–1.019 22–30 nm 24% 46% (33%)
LDL 1.019–1.063 19–22 nm 10% 45% (37%)
HDL 1.063–1.21 7–10 nm 5% 24% (18%)

キロミクロン(カイロミクロン)は食べた油(中性脂肪)を小腸から組織、心臓、筋肉に運び残りは肝臓に運びます。VLDLは肝臓からの油(中性脂肪)を配るのが役割です。

また、LDLはコレステロールを配り、HDLは余分なコレステロールを集めて肝臓に戻すのが役割です。(出典

この中でIDLとLDLにコレステロールが一番多く含まれているのが分かります。しかし、上で書いたように、LDLの数値と血管プラークの肥厚には関連性がないと書かれています。

食べた油がいけないなら、プラークのもとはカイロミクロンではないか?

油が多いものを食べると消化され小腸から吸収されますが、油がそのまま吸収されるわけではありません。水と油が混ざらないように血液と油は混ざらないので、カイロミクロンと呼ばれるリポタンパク質にくるまれてリンパ管から血液に入ります。

カイロミクロンは各組織に食べた脂肪由来の脂肪酸を配ります。食べた脂肪の80%(本によっては90%)が配られるということなので、動脈硬化のプラークに関係があるのはカイロミクロンじゃないかと思いますね。

食べた脂肪が半分になるまでに血液は体内を何周するか

イラストレイテッド ハーパー・生化学原書29版にはこのように書かれていました。

イラストレイテッド ハーパー・生化学について
2017年の春にイラストレイテッド ハーパー・生化学原書29版を買ってそれ以来使っています。きっかけは、アセチルCoAからコレステロールが合成される図を見たからです。 最新版は2016年刊行の30版です。出版社に敬意を表して先に最新版を表示...

標識されたキロミクロンの血液からの消失は急速であり、その消失の半減期はヒトで1時間以内である.キロミクロンの大きな粒子は小さな粒子よりさらに速く異化される.キロミクロンのトリアシルグリセロールに由来する脂肪酸は主として脂肪組織,心臓,そして筋肉(80%)へ供給され,他方,20%近くの脂肪酸は肝臓へいく.

カイロミクロンの半減期は1時間としましょう。食べた脂肪の半分が組織や心臓、筋肉に配られるのにかかる時間は1時間。

では、その間に血液は体内を何周するのか?

調べてみると、血液が体内を1周するのにかかる時間は、わずか20秒。こんな短時間だったとは。

心臓のポンプ機能によって体内を循環する血液は、全身の各器官や細胞のすみずみに新鮮な酸素や栄養素を運び、さらに不要となった炭酸ガスや老廃物を受け取って、からだの外に排出するために絶え間なく流れています。体循環(大循環)は心臓→大動脈→動脈→毛細血管→静脈→大静脈→心臓の一連の流れです。1周する時間は約20秒です。(出典|心臓の構造を知りましょう(循環器系)

単純に計算していきます。血液は1分で3周。60分で180周しています。血管は、まっすぐにすると相当な長さがあることは想像に難くないことです。つまり、血液が流れるスピードはかなり速い。

そして、カイロミクロンはくるんだ油を半分配るまで体内を180周します。

ところで、いま、サラダにかけるドレッシングのビンを振ることを考えてみましょう。ドレッシングは酢と油が分離しています。ビンを振ることで、油が細かくなり、一時的に混ざった状態になります。

心臓から送り出されたばかりで動脈を流れる血液はスピードが速く、その中を油はリポタンパク質にくるまれて流れて行きますが、血管が分岐しているところでは血管内皮にぶつかるでしょう。すると砕けて大きさが小さくなるものが出てきます。

もちろん、酵素によってカイロミクロンから中性脂肪(トリアシルグリセロール)が分解され、サイズが小さくなるものもあります。

小さくなったものは、また心臓から動脈に押し出されると、血管の分岐点で、血管内皮細胞のすき間から奥に入り込んでしまうものが出てきます。これがプラークになります。

カイロミクロンは、油を含んだもの油で調理をしたものを食べれば、必ずできるものです。そして、もちろん、油を食べれば食べるほど、それを輸送するためにたくさんできます。そして、油の種類は何も関係ありません。

そう考えると、真島先生の話はとてもわかりやすい話になります。さらに、こんな話もあります。

中性脂肪値が高いとプラークが堆積しやすい

中性脂肪が高いとプラークが堆積しやすいそうです。いままで考えてきたことからもよくわかる話です。

健康診断などの随時採血では、コレステロール値とともに中性脂肪値(TG値)もわかります。

このTG値と血管プラークとの関係を検討してみました。

男性の場合、随時採血のTG値は動脈硬化の程度をよく反映していました。TG値が高いと、頸動脈や右鎖骨下動脈ではなく、大動脈や大腿動脈にプラークが堆積しやすい傾向があります。

健診の数値ではLDL値よりもTG値のほうが有用だと言えます。

中性脂肪が、カイロミクロンによるものだろうと、VLDLによるものだろうと、リポタンパク質であることには変わりありません。

酒と甘い物は血管内皮細胞同士の間隔を広げる

お酒と甘いものは、血管内皮細胞を傷めるか縮ませて、内皮細胞と内皮細胞の間隔を広げてしまいます。

間隔が広がると、そこから内皮細胞をこえて内部に油の微粒子が入り込んでしまう。心臓から血液が押し出された圧力で中に入ってしまうそうです。

なぜ動脈硬化にお酒や甘い物が関係があるのかと思われた方、問題は血管の内皮細胞に起きるのです。

お酒は細胞を一瞬縮める

5%のアルコール濃度液0.5ccを注射したら痛みとともに細胞を一瞬縮めるのです。

以前、真島先生の1冊目の本を読んで動脈硬化になる仕組みという記事にも書きましたが「なるほどなあ」とすごくわかりやすく思った話です。

5%のアルコール濃度液0.5ccを皮内注射したらどうなると思います? 一瞬で皮膚が5mm程陥没して凹みます・・しかも激しい疼痛!と同時です。

皮膚の細胞の細胞膜が溶けて細胞が一瞬に縮んだのです(自分自身の腕で実験:痛みを感じない皮膚にする目的)。

ただし、血管の中の内皮細胞に神経はなく、アルコールで内皮細胞が縮んで、内皮細胞の細胞間隙が広がり、良質の脂質も血管壁に潜り込みやすい状態になっても、痛みがないので本人は気付かないのです。

この話を読んでから「5%以上の酒は薄めて飲むように」といわれるととても説得力があります。そして、「お酒の種類は関係ありません」といわれても、納得できます。

ただ、日本酒の場合は・・・薄めるのがもったいないですが・・・。

甘い物も細胞を縮める

甘い物を食べると血糖値が上がります。血液の中をブドウ糖が流れていきます。その濃度があがると、浸透圧の関係で、血管の内皮細胞から水分が引っ張られて内皮細胞が縮んでしまうのです。

これもいわれてみればなるほどと思うことです。

次の段落から、どのような仕組みで動脈硬化が起きるのか、説明していきます。

動脈硬化になる仕組み

2009年に出版された「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」と今年出版された「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因 動脈硬化は自分で治せる」の一番大きな違いは、動脈硬化になる仕組みです。

比重の重い超微粒子脂肪滴が内皮細胞のすき間に入り込む

血管内皮細胞間にはすき間があります。超微粒子の脂肪滴の大きさならすき間を通過できます。しかも、血圧で後押ししてくれます。

新しい本に図が出ていたので真似して描きました。

超微粒子脂肪滴の大きさが書かれていました。

超微粒子脂肪滴は内皮細胞の直径の1000分の1の大きさ。

私が書いたものでも大き過ぎるかもしれません。底に沈みやすい比重の大きな重い超微粒子脂肪滴は、通常の血圧(別に高血圧を必要としていない)によって、血管内皮細胞より内部へ押し出されていきます。

書いた2枚の図は血管がまっすぐになっているように見えますが、超微粒子脂肪滴がたまるのは、血管が曲がっていたり、分岐するところです。川の流れで、砂がたまるところと同じです。

食品から体内に入った脂肪や油が、超微粒子脂肪滴となって血流に乗って全身へ運ばれます。

脂肪滴は鎖骨や顎の下、太ももの分岐部分など、体の構造上溜まりやすい部分の血管壁に堆積し、プラークを形作るのです。脳、心臓内でも同様です。

そしてこの状態になると、貪食細胞のマクロファージが来て食べまくりますが、追いつけず脂肪滴が沈着しプラークになります。そして、時間が経つとプラークは石灰化することもあります。

内皮細胞のすき間が大きくなるとプラークがたまるスピードが上がる

上の図を2枚見ていただければ、プラークがたまる仕組みがおわかりになると思います。

ここで強いお酒を飲んだり甘いものをたくさん食べることを考えてみましょう。細胞が縮んで内皮細胞同士の間隔が広がってしまうのでしたね。

そうすると、超微粒子脂肪滴は、さらに入りやすくなりプラークがたまるスピードが上がることがわかります。

マクロファージは活躍し続ける

ここからも通説との違いがあります。マクロファージはプラークを食べ続けて取り除いてくれます。死んで泡沫細胞となり、プラークの原因になる悪者ではないのです。

白血球マクロファージ(貪食細胞)が体内の異物であるプラークを食べて除去する。マクロファージから分化した砕骨細胞は石灰化したプラークも食べてくれる。

砕骨細胞は文字通り骨を破壊(骨吸収)する役割を担っている細胞のことです。

プラークは減らすことができます。マクロファージが食べてくれるからです。

プラークの堆積は超微粒子脂肪滴がたまるスピードとマクロファージが食べるスピードによる

これはプラークの足し算とマクロファージの引き算、どちらが勝つか競争のようなものです。

内膜・中膜に超微粒子脂肪滴が堆積していくスピード、量よりもマクロファージがプラークを食べるスピード、量が増すと、プラークは減っていく(退縮)。

通説のように泡沫細胞となり、その後死んだマクロファージがプラークになって終わりになるわけではありません。次々新しいマクロファージがやってきて食べ続けているのです。

脂肪滴が堆積するスピードとマクロファージがプラークを食べるスピードに違いがあり、ある瞬間だけ切り取ると、確かにプラークがたまっているように見えるでしょう。

しかし、マクロファージは食べ続けています。そのことを覚えておきたい。

動脈硬化が心配な方は

動脈硬化が心配な方は、いままで書いて来たことと反対のことをすればよいと思います。

油をとり過ぎない

油のサプリメントは飲まない。普段の食事で油炒めや揚げ物を控える。油をサプリメントのように考えている方は、スプーンで油を飲まない。料理に油をかけ回すのをやめるなど。

また、EPAやDHAが豊富な青魚がよいからと脂の乗った魚を多食してもプラークはたまるそうです。

油の種類は関係ありません。

油は、料理に使うものだと考えた方がよいと思います。

甘い物を控える

絶対食べないということではないです。食後に必ず甘い物を食べるような習慣をやめるということです。

お酒を飲み過ぎない

(自戒を込めてですが・・・)お酒を飲み過ぎない。ビールなら1日350mlまでは大丈夫だそうです。

また、強い酒は5%まで薄めたほうがよいそうです。血管内皮細胞に強い刺激を与えないためです。25度の本格焼酎なら5倍に薄めると5%になります。

マクロファージを元気づける

そして、すすめられているのが、ところてん、豆乳ヨーグルト(所定量の指定があります)、粉末のビール酵母です。

特にところてん(寒天)は、マクロファージを元気にするものとしてすすめられています。1日150g~300gを食べてくださいと書かれています。

寒天については以前興味をもって調べたことがあります。寒天は、ほぼ100%食物繊維である。という記事を書きました。

ところてんは自作もできます。粉寒天が安くてよいです。自分でやってみるととても簡単でした。

粉寒天からところてんを作るという記事に書きました。

粉寒天からところてんを作る
たまたま富澤商店のそばを通ったので、粉寒天を買いました。早速、ところてんを作ってみました。粉寒天4gを500mlの水に溶かし、静かに沸かして2分。火を止めて冷まし、型に入れて冷やします。1回分が28円でできます。継続的に作るなら、粉寒天を買

スタチンをお使いの方は本を読んでみては?

LDLコレステロールを下げるためにスタチンをお使いの方は、どうか本を読んでみてください。先生は別な考えをお持ちのようです。

動脈硬化が改善するためにかかる時間

たまったプラークを減らすには年単位でかかるようです。事例が出ていましたが、2年、3年は当たり前にかかっています。時間がかかると思って腰をすえて食事の改善に取り組む必要があるようです。

血液検査で測定する中性脂肪を減らすためなら、1か月毎日運動すれば確実に減ります。しかし、プラークを減らすにはもっと時間がかかります。まったく違います。

真島先生が調べている8ヶ所血管エコー検査

最後になってしまいましたが、真島先生がプラークを観察しているのは、8ヶ所血管(動脈)エコー検査を通してです。

①右頸動脈の分岐部、②左頸動脈の分岐部、③右総頸動脈、④左総頸動脈、⑤右鎖骨下動脈、⑥腹部大動脈の分岐部、⑦右大腿動脈の分岐部、⑧左大腿動脈の分岐部について調べられています。

真島消化器クリニックの脳梗塞・心筋梗塞の予防法にリンクがありますが、「身体8カ所の動脈(血管)の内側に溜まった“脂汚れの厚み”を計測」でこれら測定ヶ所が図入りで説明されています。

身体8カ所の動脈(血管)の内側に溜まった“脂汚れの厚み”を計測|脳梗塞・心筋梗塞の予防法|真島消化器クリニック

10年間にわたり5800人以上の患者さんの患者さんの血管エコー(超音波)検査を行い、約45000回ぶんの膨大なデータを分析し続けた

この結果、一般的な動脈硬化の原因が間違っていることと、動脈硬化は改善できることを発見し、本を書かれているのです。

NOTE

私は動脈硬化の一般的な説明を読んだ時、マクロファージが変型したLDLコレステロールを食べすぎて泡沫細胞となり、その死骸がたまったものがプラークになり、それが動脈硬化の原因になり、老化現象でもあるのでよくならないということに違和感を覚えました。

まず、コレステロールは炭素化合物の一つですから、分解されないなんて考えられません。それで、調べてみるとアセチルCoAになることがわかりました。コレステロールは分解されるとアセチルCoAになるという記事を書きました。

さらに死んだマクロファージがプラーク化してそれがよくならないというのもおかしなものです。転んで傷ができても、免疫細胞が活躍して一時的に膿んで腫れたり熱を持つことがありますがきれいになおっていきます。

よくならないように見えるのは、超微粒子脂肪滴が堆積していくスピードがマクロファージがプラークを食べるスピードよりも速いからだなとわかりました。

本を読んで、真島消化器クリニックの脳梗塞・心筋梗塞の予防法を読むととても勉強になります。真島先生が考えていることはとても理にかなっているように思えるのです。

脳梗塞・心筋梗塞の予防法|真島消化器クリニック
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