オリーブ油はオメガ9のオレイン酸が主成分の油です。とても人気がありますが、残念ながらオメガ3のα-リノレン酸は、100gあたり0.6gと無視できる程度しか含まれていません。
オリーブオイルはとても人気があります。昔と違ってスーパーの棚にも何種類も並んでいます。たまに、オリーブオイルを使っていれば、オメガ3も間に合うのでしょ?と聞かれます。
早速、詳しく調べました。
結論は、ごくごくわずかしか入っていない
文科省の食品データベースでオリーブ油を調べて、脂肪酸について出てくる結果を書き写したものが下の表です。
表に出てくる数字について
脂肪酸について、例えば、「4:0 酪酸」とあるのは、炭素(C)数4の脂肪酸で二重結合数が0(ゼロ)つまり、炭素数4の飽和脂肪酸だという意味です。
だた、このデータ、微妙にバグ(?)があるようで、オリーブ油の主成分である肝腎のオレイン酸について、「18:1計 73000mg」とあるのに、「18:1 n-9オレイン酸 0mg」と表示されていました。
他に炭素数18で二重結合1個の「n-7シスバクセン酸」の含有量が0mgであるので、n-9オレイン酸が73000mgであろうと、訂正しています。お断りしておきます。
また、脂質は100gなのに脂肪酸総量が94.58gなのは、オリーブ油(脂肪)は脂肪酸だけでできているわけではないからです。グリセリンの分の重量もあります。
関係ある場所に色をつけておきました。ご覧下さい。
食品成分 | オリーブ油 |
廃棄率 | 0% |
エネルギー | 921kcal |
水分 | 0g |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 100g |
炭水化物 | 0g |
灰分 | 0g |
脂肪酸総量 | 94.58g |
飽和脂肪酸 | 13.29g |
一価不飽和脂肪酸 | 74.04g |
多価不飽和脂肪酸 | 7.24g |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 0.6g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 6.64g |
4:0 酪酸 | 0mg |
6:0 ヘキサン酸 | 0mg |
7:0 ヘプタン酸 | 0mg |
8:0 オクタン酸 | 0mg |
10:0 デカン酸 | 0mg |
12:0 ラウリン酸 | 0mg |
13:0 トリデカン酸 | 0mg |
14:0 ミリスチン酸 | 0mg |
15:0 ペンタデカン酸 | 0mg |
15:0 ANTペンタデカン酸 | 0mg |
16:0 パルミチン酸 | 9800mg |
16:0 ISOパルミチン酸 | 0mg |
17:0 ヘプタデカン酸 | 0mg |
17:0 ANTヘプタデカン酸 | 0mg |
18:0 ステアリン酸 | 2900mg |
20:0 アラキジン酸 | 420mg |
22:0 ベヘン酸 | 120mg |
24:0 リグノセリン酸 | 0mg |
10:1 デセン酸 | 0mg |
14:1 ミリストレイン酸 | 0mg |
15:1 ペンタデセン酸 | 0mg |
16:1 パルミトレイン酸 | 660mg |
17:1 ヘプタデセン酸 | 0mg |
18:1計 | 73000mg |
18:1 n-9オレイン酸 | 73000mg |
18:1 n-7シスバクセン酸 | 0mg |
20:1 イコセン酸 | 280mg |
22:1 ドコセン酸 | 0mg |
24:1 テトラコセン酸 | 0mg |
16:2 ヘキサデカジエン酸 | 0mg |
16:3 ヘキサデカトリエン酸 | 0mg |
16:4 ヘキサデカテトラエン酸 | 0mg |
18:2 n-6リノール酸 | 6600mg |
18:3 n-3α-リノレン酸 | 600mg |
18:3 n-6γ-リノレン酸 | 0mg |
18:4 n-3オクタデカテトラエン酸 | 0mg |
20:2 n-6イコサジエン酸 | 0mg |
20:3 n-6イコサトリエン酸 | 0mg |
20:4 n-3イコサテトラエン酸 | 0mg |
20:4 n-6アラキドン酸 | 0mg |
20:5 n-3イコサペンタエン酸 | 0mg |
21:5 n-3ヘンイコサペンタエン酸 | 0mg |
22:2 ドコサジエン酸 | 0mg |
22:4 n-6ドコサテトラエン酸 | 0mg |
22:5 n-3ドコサペンタエン酸 | 0mg |
22:5 n-6ドコサペンタエン酸 | 0mg |
22:6 n-3ドコサヘキサエン酸 | 0mg |
未同定 | 0mg |
重量 | 100g |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用 |
オメガ3のα-リノレン酸はオリーブ油100gあたり0.6g
オリーブ油を構成する脂肪酸のうち、一番多いものは、オメガ9のオレイン酸で、73gあります。二番目に多いものは、炭素数16の飽和脂肪酸パルミチン酸で9.8gあります。三番目に多いのは、オメガ6のリノール酸で6.6gあります。
オリーブ油は、圧倒的にオレイン酸が多い油だとわかりますね。
さて、オメガ3のα-リノレン酸はというと、0.6gです・・・。
ほとんど無視してよいくらいの量
今回、表に普段聞いたことがない脂肪酸を全て載せたのは、そんな脂肪酸でもそこそこ含まれているからです。
ということは、オリーブ油に含まれているα-リノレン酸はほとんど無視してよいくらいの量しか入っていないということです。
まとめ
オリーブ油にはほとんどオメガ3のα-オレイン酸は含まれていません。
私がこのブログを書いていると知っている人から、たまにこの記事のような質問を受けます。きっと、オリーブ油だけ買ってくればオメガ3の脂肪酸も摂れるといいなと思われているのでしょう。
オメガ3の脂肪酸は、穀物や豆に含まれています。そしてどちらかというと寒いところで収穫されるものに含有量が多いのです。
オメガ3が多い油をお探しなら、オメガ3の油は5種類あるに詳しく書きました。
また、オリーブオイルについて他の記事は、オリーブオイルについて書いた記事のまとめをご参照ください。
オリーブオイルにこだわっている方はご存知かもしれませんが、香川県多度津町で栽培、搾油されているエキストラバージンオイルがあります。私は初めてエキストラバージンオイルがどんな味なのかわかりました。