オメガ3の油は5種類あります。えごま油、亜麻仁油、チアシードオイルのほか、加熱に強いサチャインチオイル(インカインチオイル)、保存性に優れたカメリナ油の5種類ありオススメできます。オメガ3の油とは、α-リノレン酸がリノール酸より多い料理に使う植物油のことです。
手に入りやすいオススメのオメガ3の油は5種類
現在、お店や通販で普通に買うことができるオメガ3の油は5種類あります。
- えごま油
- 亜麻仁油
- チアシードオイル
- サチャインチオイル(インカインチオイル)
- カメリナ油
早速、いつものように脂肪酸組成を見てみましょう。
α-リノレン酸の含有率をグラフで確認してみる
グラフにして比較してみると、α-リノレン酸の含有率が特に多い油は、えごま油、チアシードオイル、亜麻仁油でした。
エクセルでグラフをつくりました。
グラフは、αリノレン酸の含有量が(ほぼ)多い順から並べてあります。下のグラフで、緑色がオメガ3の脂肪酸、α-リノレン酸を表しています。
また、紫色がオメガ6の脂肪酸、リノール酸を表しています。
飽和脂肪酸は、ほぼパルミチン酸やステアリン酸だと思っていただいてよいです。
グラフに使った脂肪酸組成のデータの出典は記事の最後にあります。
オメガ3の油とは
私がこの記事でご紹介するオメガ3の油について、最初に書いておこうと思います。オメガ3の油とは、脂肪酸組成で、オメガ3のα-リノレン酸が、オメガ6のリノール酸よりも多い油のことです。
えごま油
人気のえごま油は4種類ご紹介しましょう。
朝日のえごま油
私は風味にクセのない朝日のえごま油が好きです。値段もこなれていて、スーパーでは900円を切るくらいで販売されています。
太田油脂 マルタえごまオイル
太田油脂マルタえごまオイルは、太田油脂が1988年えごま油を日本で初めて食用油として商品化した商品です。こちらも精製したえごま油です。
詳しくはこちらの記事に書きました。
紅花食品 有機 荏胡麻油(えごま油)
紅花食品 有機 荏胡麻油(えごま油)は、精製していない一番搾りの油です。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
国産の飛騨生搾りえごま油
国産の飛騨生搾りえごま油です。保存性を高めるビタミンE、Cも添加せず、注文が来てから搾るという徹底したこだわりをもっています。開封後は1ヵ月で使い切ってくださいとのことでした。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
亜麻仁油
亜麻仁油は独特の風味があり、ややクセがあります。微妙に苦みがあります。
ただし、オメガ3の油として最初に人気が出たのは、亜麻仁油です。
以前、お店で出してもらった海草サラダには、亜麻仁油としょう油がかかっていましたが、バッチリ合いました。オメガ3ブームになる前の値段は、えごま油より少し高かったです。1100円くらいだったかな。
紅花食品の亜麻仁一番搾り170gは、ずっとスーパーの棚に並んでいる定番商品です。
詳しい方はご存知だと思いますが、亜麻の実にはシアン化合物があり、それを気にする方がいます。私も調べましたが、加熱されてから搾油されるので心配する必要はありません。
チアシードオイル
チアシードは昨年くらいから輸入食品店や自然食品店でいつも買えるようになりました。チアシードオイルは最近なのではないかな?
サチャインチオイル(インカインチオイル)
サチャインチオイルは、加熱に耐える油として、5年前にはすでに知られていました。このオイルのビタミンE含有量は、オイル100g中に200mgあるそうです。酸化されにくいので、加熱料理にも使えるといわれています。グリーンナッツオイルともいいますね。
オメガ3のα-リノレン酸は、たいてい寒い地方で栽培される作物の種からしぼられます。しかし、サチャインチオイルはアマゾンが原産の植物です。これは面白いところです。
アルコイリス インカグリーンナッツ・インカインチオイルに詳しく記事を書きました。
サチャインチオイルについて、もう一つ記事を書いています。
カメリナ油
カメリナ油は、つい最近知ったばかりです。こちらも加熱料理に使えるのと、未開封なら2年、開封後も常温で保存できるところが、いままでのオメガ3の油とは違うところです。
ただし、ちょっとだけ弱点があります。なたね油に近いので、エルカ酸(エルシン酸)が少し含まれています。
カメリナオイルは加熱できるオメガ3系の油に詳しく書きました。
オメガ3の油から脂肪酸組成でリノール酸の方が多いものは除外しました
サイトによっては、オメガ3の油にクルミ油(ウォールナッツオイル)や麻の実油(ヘンプシードオイル)を入れている方もいらっしゃいます。
しかし、これらは、オメガ3の脂肪酸であるα-リノレン酸よりもオメガ6の脂肪酸であるリノール酸の方が多いのです。以前、くるみの脂肪酸を調べたらリノール酸が一番多かったという記事を書いたことがあります。
クルミの脂肪酸の60%がリノール酸、13%がα-リノレン酸でした。
また、麻の実は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、乾燥物100gあたりリノール酸が15g、α-リノレン酸が4.7g含まれています。こちらもリノール酸の方が多いです。
そもそも、食用油が話題になったのは、一般に植物油に多く含まれるリノール酸のとり過ぎが問題となったからです。
それで、オメガ3のα-リノレン酸の比率の高い油がすすめられるようになりました。
そのため、私はオメガ3の油から、クルミ油や麻の実油は除外してあります。
EPAやDHAが豊富な魚油には食用油はありません
オメガ3の脂肪酸は、α-リノレン酸だけでなく、EPAやDHAもあります。魚の脂肪に含まれていますが、植物油には一切含まれていません。
EPAやDHAはサプリメントがありますが、食用油はありません。(輸入品でEPAやDHAを植物油に混ぜているのがあったかもしれません)
とても酸化されやすく傷みやすいことと、魚くさくて使えないのではないかと思います。
先日、EPAやDHAサプリの原料になる魚油についてを書いた時に知ったのですが、魚油は魚粉を製造するときの副産物でした。サプリメントの他、工業用に使われるようです。
NOTE
オメガ3の油は普及してきて、今や、マヨネーズに入ったり、缶詰に添加されたりするようになりました。
カメリナ油のように、今まで日本ではあまり知られていなかった植物の種をしぼった油はこれからも増えると思います。また、その都度この記事に書き足していきます。
オメガ3は脂肪酸の種類についての名前です。オメガ3脂肪酸とはどのようなものか?構造から理解しようという記事で詳しく説明しました。
あわせて読んでいただけましたらより深く理解していただけると思います。
グラフに使った脂肪酸組成のデータについて。
えごま油と亜麻仁油の脂肪酸組成については、日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編のデータを使いました。
チアシードの脂肪酸組成については、チアシードを輸入されている株式会社公知貿易さんのサイトの脂肪酸組成を参考にさせていただきました。
サチャインチオイルの脂肪酸組成は、サチャインチ油がラットの脂質代謝に及ぼす影響に載せられていたものを使用しました。
オメガ3についての大まかな内容は、オメガ3について知っておきたいことをお読み下さい。