イクラ100gには脂質が15g程度あり、その中の約5gがオメガ3の脂肪酸です。次にオレイン酸が多く、飽和脂肪酸のパルミチン酸と続きます。
オメガ3の脂肪酸は、DHAが一番多く、約2g。次いでEPA、α-リノレン酸はごくわずかです。
おにぎりを買う時は、必ずイクラが入ったものを1個入れて買います。
イクラの脂質は15g
イクラはこってりしていますが、脂質が多く、100gあたり15.6gあります。比較のためにしろさけ生とすじこも載せましたが、イクラは圧倒的に脂質が多い。稚魚が孵化するまでにエネルギーを必要としているのでしょう。
たんぱく質も多く、栄養たっぷりです。
オメガ3の脂肪酸は約5g
イクラのオメガ3の脂肪酸は、DHAが一番多く、約半分がDHAです。イクラとすじこを比べると、すじこの方が栄養成分が多いですが、食塩相当量を見てください。すじこは塩が利いているので、水分が少し出てその分、100gあたりの栄養成分が濃く(=多く)なっています。
栄養成分は日本食品標準成分表2015年版(七訂)から調べました。
しろさけ/ 生 |
しろさけ/ イクラ |
しろさけ/ すじこ |
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エネルギー | 133kcal | 272kcal | 282kcal |
水分 | 72.3g | 48.4g | 45.7g |
たんぱく質 | 22.3g | 32.6g | 30.5g |
脂質 | 4.1g | 15.6g | 17.4g |
炭水化物 | 0.1g | 0.2g | 0.9g |
灰分 | 1.2g | 3.2g | 5.5g |
食塩相当量 | 0.2g | 2.3g | 4.8g |
飽和脂肪酸 | 0.8g | 2.42g | 2.72g |
一価不飽和脂肪酸 | 1.69g | 3.82g | 4.02g |
多価不飽和脂肪酸 | 1.01g | 4.97g | 6.17g |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 0.92g | 4.7g | 5.83g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 0.07g | 0.27g | 0.35g |
16:0パルミチン酸 | 450mg | 1400mg | 1500mg |
18:0ステアリン酸 | 110mg | 460mg | 530mg |
18:1計 | 740mg | 2600mg | 2700mg |
18:2n-6リノール酸 | 38mg | 110mg | 140mg |
18:3n-3αーリノレン酸 | 27mg | 83mg | 110mg |
20:4n-6アラキドン酸 | 12mg | 110mg | 180mg |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 240mg | 1600mg | 2100mg |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 460mg | 2000mg | 2400mg |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂) |
イクラとすじこの違い
すじこは卵膜にくるまれたままの卵で、イクラは卵膜をとりバラバラにしたものです。
イクラと筋子の違いをウイキペディアで調べました。上の食品分析表で、すじこの方が塩分が多いのは塩蔵加工品だからです。
イクラとはサケの魚卵。筋子の卵巣膜(卵を包む薄い膜)を取り除き、産卵前の熟した卵を1粒ずつに分けたものを特に指して呼ぶ。(中略)
「イクラ」の語源は、ロシア語の「魚卵」「小さくて粒々したもの」から。(出典:イクラ)
さらにすじこ。
筋子(すじこ)とは、サケ科魚類の、卵巣に入ったままの卵。または、その塩蔵加工品。 その名の通り、筋(スジ)のような卵巣膜によって卵が繋がっている。(出典:筋子)
マスコって知ってますか?
ところで、イクラについて調べていたら、このようなことも書かれていました。
日本において、白鮭の卵が主流であるが、ロシアで使用されるのは樺太鱒(ピンクサーモン)の卵であり、これを原料としたものを、日本では特にマスコ、マスイクラとして区別する場合がある。(出典:イクラ)
マスコとは初めて聞きました。その前に、サケ(鮭)にはいくつか種類があります。以前書いた記事ですが、先に読んでいただくとよいです。7種類あります。

樺太鱒(カラフトマス)は小型の鮭で、鮭缶の原料として使われますが、脂肪があまりないのが特徴で、食品としてあまりよい扱いをされていないのです。
そのマスコは販売されているのだろうか?と思って調べたらありました。
鱒の卵はいくらより少し小さいのが特徴で、その分、安かったです。
NOTE
サケは皮に近い部分以外はわりとあっさりしている魚ですが、イクラには脂がとても多い。たんぱく質もとても多くぜいたくな食べ物です。
おにぎりの中に入っているとタラコよりも満足感がありますが、脂が多いことを考えればよくわかります。
その他の水産物とオメガ3については、水産物の中のオメガ3をお読み下さい。