たらは脂質がとても少ない魚です。そのため、オメガ3の脂肪酸もほとんどありません。脂質が少ないとカロリーが低くなるので、別な見方をすると高タンパク低カロリーな食品です。「すけとうだら」と「まだら」について調べました。
タラには脂質がない
日本食品標準成分表2015年版(七訂)を調べると、たらは「すけとうだら」と「まだら」が出ていました。上の写真は「まだら」です。たらは干物で食べることが多いので、干物も調べました。
調べてみると、すけとうだら、まだらとも、100gあたり脂質が1g程度しかありません。
オメガ3の脂肪酸は0.07~0.2g
脂質が1gしかないので、オメガ3の脂肪酸も100gあたり0.07~0.2g程度しかありません。たらに魚のオメガ3の脂肪酸を期待してはいけません。
脂質がないかわりに、カロリーもありません。たらは高タンパク低カロリーな食べ物です。干しだらのカロリーが高いのは、乾燥させて水分がないためです。
栄養成分は日本食品標準成分表2015年版(七訂)から調べました。
すけとう だら/生 |
まだら/ 生 |
まだら/ 干しだら |
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エネルギー | 83kcal | 77kcal | 317kcal |
水分 | 81.6g | 80.9g | 18.5g |
たんぱく質 | 17.4g | 17.6g | 73.2g |
脂質 | 1g | 0.2g | 0.8g |
炭水化物 | 0.1g | 0.1g | 0.1g |
灰分 | 1.1g | 1.2g | 7.4g |
食塩相当量 | 0.3g | 0.3g | 3.8g |
飽和脂肪酸 | 0.12g | 0.03g | 0.16g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.08g | 0.03g | 0.13g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.27g | 0.07g | 0.24g |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 0.25g | 0.07g | 0.22g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 0.02g | 0.01g | 0.02g |
16:0パルミチン酸 | 89mg | 25mg | 120mg |
18:0ステアリン酸 | 16mg | 6mg | 33mg |
18:1計 | 63mg | 21mg | 97mg |
18:2n-6リノール酸 | 4mg | 1mg | 3mg |
18:3n-3αーリノレン酸 | 1mg | 0 | 1mg |
20:4n-6アラキドン酸 | 15mg | 4mg | 14mg |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 71mg | 24mg | 73mg |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 170mg | 42mg | 130mg |
※日本食品標準成分表2015年版(七訂) |
まだら
いつも読ませていただいているぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑にはこのように書かれていました。たらちりに入れるのは「まだら」だそうです。
北海道全沿岸、青森県〜茨城県の太平洋沿岸、青森県〜山口県の日本海沿岸。(中略)
国内の比較的海水温の低い海域でとれる。北に行くほどとれる水深が浅く、南ほど深くなる。(中略)
関東以北では古くから寒い時期の鮮魚としてもっとも重要なもの。汁に鍋(たらちり)材料に寒い時期に欠かせない。需要の高さからアメリカなどからも輸入してまかなっている。生、塩蔵、フィレ、乾物など様々な形態で入荷してくる。
すけとうだら
こちらもぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑からです。すけとうだらは、練り物製品の貴重な原料になっています。
日本海北部や北海道で刺し網、底曳き網、延縄などで大量にとれる。古くはとっても冷凍できないために、ほとんどが干ものなどに加工されていた。それでも利用しきれないものは、飼料になったり破棄されることも。
これを船上ですり身にし、冷凍する技術が確立されて、一躍脚光を浴びることに。以来、安いすり身として日本の練り製品業界を牽引してきている。
さらにマクドナルドで販売されているフィレオフィッシュはすけとうだらを揚げたものだそうです。(出典:フィレオフィッシュ)
NOTE
私は北海道生まれなので、たらを食べることが多かったのではないかと思いますが、この記事を書きながら記憶をたどりましたがあまり出て来ません。たらがあんまり好きではなかったからかもしれません。酒を飲むようになると変わりましたが。
たしか、おつまみでチーズ鱈ってあったなと思い出しました。「ちーずったら、ちーずったら」と連呼するCMがありました。1982年発売だったそうです。まだありました。(※お求めはご近所のスーパーでどうぞ)
すけとうだらの卵がたらこです。たらこについては、明太子のオメガ3脂肪酸という記事を書きました。たらこの方がオメガ3脂肪酸が多いです。
その他の水産物とオメガ3については、水産物の中のオメガ3をお読み下さい。