いわしのオメガ3脂肪酸

いわしには「うるめいわし」「かたくちいわし」「まいわし」があり、それぞれ脂質の量が違います。オメガ3の脂肪酸は、100gあたり1~2gあります。いわしの缶詰の場合は、身から水分が少し出るので、オメガ3の脂肪酸は、100gあたり2~4gあります。

いわし

いわしの脂質は100gあたり5~12g

いわしを日本食品標準成分表2015年版(七訂)から調べると、「うるめいわし」「かたくちいわし」「まいわし」の3種類が出て来ました。名前は知っていましたが、区別できるほど知っているわけではありません。

それぞれはあとで調べることにして、生(なま)100gあたりの栄養成分を見てみましょう。うるめいわしが脂質が一番少なく4.8gしかありません。まいわしは9.2g、かたくちいわしが一番多くて12.1gあります。ずいぶん幅があります。

オメガ3の脂肪酸は1~2g

オメガ3の脂肪酸は、もちろん、脂質が多いほど多くなります。うるめいわしで約1g、まいわし、かたくちいわしは約2gです。その内訳はα-リノレン酸<EPA<DHAの順番に多くなりますが、かたくちいわしだけEPAの方がDHAよりも少し多いです。

餌として食べているプランクトンの違いかもしれません。

栄養成分は日本食品標準成分表2015年版(七訂)から調べました。

100gあたりの栄養成分
うるめいわし/生 かたくちいわし/生 まいわし/生
エネルギー 136kcal 192kcal 169kcal
水分 71.7g 68.2g 68.9g
たんぱく質 21.3g 18.2g 19.2g
脂質 4.8g 12.1g 9.2g
炭水化物 0.3g 0.3g 0.2g
灰分 1.9g 1.2g 1.2g
食塩相当量 0.2g 0.2g 0.2g
飽和脂肪酸 1.39g 3.79g 2.55g
一価不飽和脂肪酸 0.94g 2.65g 1.86g
多価不飽和脂肪酸 1.14g 2.78g 2.53g
n-3系多価不飽和脂肪酸 1.04g 2.24g 2.1g
n-6系多価不飽和脂肪酸 0.1g 0.3g 0.28g
16:0パルミチン酸 900mg 2100mg 1600mg
18:0ステアリン酸 210mg 490mg 340mg
18:2n-6リノール酸 36mg 78mg 92mg
18:3n-3αーリノレン酸 16mg 45mg 59mg
20:4n-6アラキドン酸 58mg 140mg 100mg
20:5n-3イコサペンタエン酸 290mg 1100mg 780mg
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 660mg 770mg 870mg
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)

うるめいわしとかたくちいわしを比べると、脂質量にずいぶん違いがあります。ここにでてきたいわしの種類、それぞれについて調べました。記事がとても面白いぼうずコンニャクの魚貝類図鑑がとても参考になるのでリンクを貼らせていただきました。

それぞれの画像が比較してみられるので、形の違いがわかります。

うるめいわし

ウルメイワシ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑
「ウルメイワシ」の生息域や生態などの基本情報から地方名・食べ方・料理法法・料理例・加工品などを写真付きで解説。「市場魚貝類図鑑」は水産物関連著書多数のぼうずコンニャク主宰。掲載種は2500種以上。

40センチほどになる。

主に丸干しとして流通する。目に串やワラを刺したものが「目ざし」。鰓から通したものが「頬ざし」である。イワシの仲間の干物で最高峰なのがこれだ。

うるめいわしは一番大きくなるのに一番脂が少ないです。

また、ウイキペディア(ウルメイワシ)によると、漁獲量は日本産イワシ3種の中で最も少ないと書かれていました。

かたくちいわし(セグロイワシ)

カタクチイワシ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑
「カタクチイワシ」の生息域や生態などの基本情報から地方名・食べ方・料理法法・料理例・加工品などを写真付きで解説。「市場魚貝類図鑑」は水産物関連著書多数のぼうずコンニャク主宰。掲載種は2500種以上。

体長10cm前後になる。

食用としてだけではなく、肉食魚のエサ(食物連鎖上)として重要なもの。

稚魚も「しらすぼし」、「ちりめん」の原料として知られている。

成魚も加工品として出回ることが多く、煮干し、みりん干し、しらす、ちりめんと、馴染みのある加工品の材料。

一番小さいのに、一番脂質が多いです。

ウイキペディアのカタクチイワシを読むと、日本で最も漁獲量の多い魚であると書かれていました。

まいわし

マイワシ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑
「マイワシ」の生息域や生態などの基本情報から地方名・食べ方・料理法法・料理例・加工品などを写真付きで解説。「市場魚貝類図鑑」は水産物関連著書多数のぼうずコンニャク主宰。掲載種は2500種以上。

30センチ前後になることも。2年から3年で20センチ前後に育つ。

まいわしもうるめいわし並みに大きくなるようです。

さらに、ウイキペディアのマイワシを読むと、このように書かれていました。

食用での用途はちりめんじゃこ(シラス干し)、干物(目刺、丸干し、開き、煮干し)、塩焼き、煮付け、缶詰、酢の物、刺身、たたき、魚肉練り製品(つみれ、蒲鉾、竹輪)など非常に幅広い。

いわしの缶詰

今は缶詰が大人気なので、缶詰についても調べておきました。缶詰の場合、いわしの種類の区別はありませんが、ごく普通に販売されているいわしの缶詰はこのような内容だと思っていただければよいと思います。

アンチョビはかたくちいわしのことですが、脂質が少ないです。なぜなんでしょう?

オメガ3の脂肪酸は2~4g

それ以外は缶詰として温度をかけて調理されているので、身から少し水分が抜け、100gあたりの脂質が多くなり、オメガ3の脂肪酸は2~4gとなかなか多いです。

100gあたりの栄養成分
いわし類/
缶詰/水煮
いわし類/
缶詰/味付
いわし類/
缶詰/油漬
いわし類/
缶詰/かば
いわし類/
缶詰/アン
チョビ
エネルギー 188kcal 212kcal 359kcal 242kcal 158kcal
水分 66.3g 59.1g 46.2g 56.1g 54.3g
たんぱく質 20.7g 20.4g 20.3g 16.2g 24.2g
脂質 10.6g 11.9g 30.7g 15.6g 6.8g
炭水化物 0.1g 5.7g 0.3g 9.3g 0.1g
灰分 2.3g 2.9g 2.5g 2.8g 14g
食塩相当量 0.8g 1.4g 0.8g 1.5g 13.1g
飽和脂肪酸 2.71g 3.56g 7.05g 4.61g 1.09g
一価不飽和脂肪酸 2.22g 2.55g 6.83g 3.87g 2.84g
多価不飽和脂肪酸 3.17g 3.7g 13.96g 4.87g 1.85g
n-3系多価不飽和脂肪酸 2.92g 3.17g 2.45g 4.23g 0.8g
n-6系多価不飽和脂肪酸 0.24g 0.45g 11.45g 0.54g 1.03g
16:0パルミチン酸 1600mg 2000mg 5200mg 2600mg 750mg
18:0ステアリン酸 310mg 480mg 800mg 560mg 200mg
18:2n-6リノール酸 110mg 100mg 11000mg 160mg 1000mg
18:3n-3αーリノレン酸 76mg 67mg 350mg 130mg 32mg
20:4n-6アラキドン酸 100mg 200mg 64mg 210mg 17mg
20:5n-3イコサペンタエン酸 1200mg 1400mg 850mg 1800mg 140mg
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 1200mg 1100mg 810mg 1400mg 580mg
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ちょうした いわし蒲焼

私はいわしの缶詰はあまり買ったことがないのですが、以前、お店を経営していた友人に聞いたら、ちょうしたのいわし蒲焼が昔から有名で、在庫を切らしてはいけない商品だといってました。

ちょうした 田原缶詰 いわし蒲焼 EO缶 100g ×10個
ちょうした
¥2,160 (¥216 / 個)(2024/03/27 13:12時点)
原材料:いわし(国産)、醤油、砂糖、水飴、ミリン/糊料(グァーガム)、調味料(アミノ酸)、(一部に小麦を含む)

ちなみに、メーカーサイトがあります。

まとめ買いをして安くなっていればよいですが、ネット通販を利用するときは、たまにひどく高い買い物になるときがあります。

メーカーでは希望小売価格が170円。それより安いか高いかよく見てからにして下さい。

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NOTE

いわしは何年か前からとても高くなりましたが、昨年から少し安くなりました。漁獲量が増えたのでしょう。昔は、一盛り100円で、傷まないうちに食べるのが結構大変だったものです。

新鮮ないわしの刺身はとてもおいしいものでしたが、最後に食べたのはいつだったか?

私は子供の頃、魚が嫌いで全く食べられなかったのですが、何歳だったか、めざしから食べられるようになりました。私にとっていわしは特別な魚です。

その他の水産物とオメガ3については、水産物の中のオメガ3をお読み下さい。

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