ほたてがいは高タンパク低カロリーで、脂質はほどんどありません。オメガ3脂肪酸は「ほぼない」です。年間水揚げ量全体の40%が養殖ですが、養殖でも人の調整したエサが与えられることはないようです。
ほたてがいは高タンパク低カロリー
ほたてがいは、水分を除くと、たんぱく質が多く、その次が炭水化物、そして脂質の順番です。炭水化物が多いのは、グリコーゲンを貯める性質があるからです。
脂質が少なくオメガ3はごく少量
ほたてがい生を見てください。100gあたり、脂質は0.9gしかなく、そのうち0.12gがオメガ3の脂肪酸です。これは、「ほぼない」といってよいでしょう。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)からデータを引用します。
ほたて がい/ 生 |
ほたて がい/ 水煮 |
ほたて がい/ 貝柱生 |
ほたて がい/ 貝柱 煮干し |
ほたて がい/ 貝柱 水煮缶詰 |
ほたて がい/ 貝柱焼き |
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エネルギー | 72kcal | 100kcal | 88kcal | 322kcal | 94kcal | 122kcal |
水分 | 82.3g | 76.8g | 78.4g | 17.1g | 76.4g | 67.8g |
たんぱく質 | 13.5g | 17.6g | 16.9g | 65.7g | 19.5g | 23.8g |
脂質 | 0.9g | 1.9g | 0.3g | 1.4g | 0.6g | 0.3g |
炭水化物 | 1.5g | 1.9g | 3.5g | 7.6g | 1.5g | 4.6g |
灰分 | 1.8g | 1.8g | 1.3g | 8.2g | 2g | 1.7g |
食塩相当量 | 0.8g | 0.6g | 0.3g | 6.4g | 1g | 0.4g |
脂肪酸総量 | 0.42g | 0.73g | 0.1g | 0.45g | 0.19g | 0.09g |
飽和脂肪酸 | 0.18g | 0.27g | 0.03g | 0.13g | 0.06g | 0.02g |
一価不飽和脂肪酸 | 0.09g | 0.15g | 0.01g | 0.05g | 0.03g | 0.01g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.15g | 0.3g | 0.06g | 0.26g | 0.1g | 0.05g |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 0.12g | 0.26g | 0.05g | 0.23g | 0.09g | 0.05g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 0.01g | 0.02g | 0.01g | 0.03g | 0.01g | 0.01g |
16:0パルミチン酸 | 100mg | 160mg | 16mg | 82mg | 33mg | 15mg |
18:0ステアリン酸 | 25mg | 44mg | 6mg | 33mg | 15mg | 5mg |
18:1計 | 37mg | 63mg | 6mg | 29mg | 11mg | 5mg |
18:2n-6リノール酸 | 2mg | 4mg | 1mg | 4mg | 2mg | 0 |
18:3n-3αーリノレン酸 | 3mg | 2mg | 0 | 1mg | 1mg | 0 |
20:4n-6アラキドン酸 | 4mg | 8mg | 4mg | 17mg | 7mg | 4mg |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 82mg | 170mg | 24mg | 110mg | 43mg | 21mg |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 21mg | 45mg | 23mg | 100mg | 37mg | 21mg |
肉でも魚でもそうですが、養殖されていると、早く大きく育てて出荷するために栄養豊富なエサを与えます。ほたては脂質が少ないので、あまり養殖されていないのかな(?)と思って調べました。
どのくらい養殖されているのか?
養殖の比率は約40%です。
少し前の資料ですが、平成25年(2013)の水産庁の資料が出て来ました。養殖業の現状と課題についてという資料です。これを読むと、平成22年(2010)の数字が出ていました。ほたての部分だけ切り出します。
養殖生産量 (千トン) |
総生産量 (千トン) |
養殖の割合 (%) |
主要生産県 | |
ホタテガイ | 219.6 | 546.6 | 40.2 | 広島、宮城、 岡山、岩手、 北海道、青森、 宮城 |
カキがほぼ100%養殖だと考えると、意外と低い数字かもしれません。養殖する場合、どんなエサを与えるのでしょう?
ほたては何を食べているのか?
ほたてがいの養殖方法は3つありますが、養殖のためのエサは特に用意されないようです。
養殖方法
養殖方法は、海底で育てる「地蒔き方式」と海中に吊して育てる「垂下(すいか)方式」「耳吊り方式」があります。
マルハニチロ株式会社の海といのちの未来をつくるというサイトのホタテは養殖方法で用途が分かれるってホント?に養殖方法が書かれていました。ちなみにこのサイト、すごく内容がよいです。
まずラーバと呼ばれる、海中を漂うホタテの幼生をネット(採苗器)に付着させ、天敵に襲われにくいよう殻長が3センチ以上になるまで育てます。
それから天敵を駆除した海底にまき、3~4年ほどかけてじっくりと育てる。これが主に北海道で行われている「地蒔き方式」です。(中略)
一方で青森や北海道の噴火湾では、ある程度生育させた稚貝をかごに入れて育てる「垂下(すいか)方式」や、耳と呼ばれる蝶番(ちょうつがい)側に穴を開けて吊る「耳吊り方式」が主に普及しました。
このページではエサについて書かれていなかったので、別のページを探しました。
ほたてのエサは植物プランクトン
青森県ほたて流通振興協会のサイトにあるほたて貝のエサは何ですか?にエサのことが書かれていました。『海中の植物プランクトン(桂藻類)を食べます』と書かれていました。
魚の養殖は、生け簀をつくって栄養が調整されたエサを人が与えますが、ほたてがいの養殖の場合は、養殖の環境は整えられますが、特別エサを与えることはないようです。
つまり、天然ものでも養殖ものでも、上で紹介した栄養成分が、
NOTE
上で引用したホタテは養殖方法で用途が分かれるってホント?にはこんなことが書かれていました。ほたての水揚げ量はサバ、マイワシに次いで第3位でした。
ホタテの水揚げは2018年(速報値)で48万トンと日本の水揚げで第3位で、そのシェアは11%を占めています。第1位がサバ類の54万トン、第2位がマイワシの52万トンですので、大きな数量であることがわかります。
私は、貝は嫌いではないけど、好んで是非食べたいというほど好きではありません。ほたてがいにほとんど興味を持っていなかったせいか、こんなに水揚げ量が多いものだとは知りませんでした。
その他の水産物とオメガ3については、水産物の中のオメガ3をお読み下さい。