サバは、「マサバ」「タイセイヨウサバ」「ゴマサバ」があり、タイセイヨウサバが突出して脂質が多く、オメガ3の脂肪酸も100gあたり6gと多いです。サバ缶になるサバは、「マサバ」と「ゴマサバ」です。こちらもオメガ3の脂肪酸は3g程度あり、とても多いです。
サバ100gあたりの脂質は5~27g
日本食品標準成分表2015年版(七訂)から「サバ」を調べると、「まさば」「たいせいようさば」「ごまさば」がありました。それぞれ100gあたりの脂質は、5~27gとえらく幅があります。たいせいようさばが一番多く、ごまさばが一番少ない。
これはあとで、3種類のサバについて詳しく調べてみましょう。
オメガ3の脂肪酸は1~6g
もともとの脂質の重量に差があるのでオメガ3の脂肪酸も100gあたり1~6gと差があります。もちろん、たいせいようさばのオメガ3の脂肪酸が一番多く、下の表には、普段は載せない脂肪酸も1gを超えているので入れました。
14:0ミリスチン酸、20:1イコセン酸、22:1ドコセン酸、18:4n-3オクタデカテトラエン酸です。脂肪酸は、炭素数を2個増やすことと炭素間の二重結合を増やすことを繰り返しながら長くなっていく(だけな)ので、特に、ここではそれぞれの脂肪酸の意味を考えなくてよいです。
まさば /生 |
まさば /水煮 |
たいせい ようさば /生 |
たいせい ようさば /水煮 |
ごま さば /生 |
ごま さば /水煮 |
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エネルギ ー |
247kcal | 309kcal | 326kcal | 348kcal | 146kcal | 155kcal |
水分 | 62.1g | 57.4g | 54.5g | 51.4g | 70.7g | 68.8g |
たんぱく 質 |
20.6g | 22.6g | 17.2g | 18.6g | 23g | 24.8g |
脂質 | 16.8g | 22.6g | 26.8g | 28.5g | 5.1g | 5.2g |
炭水化物 | 0.3g | 0.3g | 0.4g | 0.4g | 0.3g | 0.2g |
灰分 | 1.1g | 1g | 1.1g | 1.1g | 1.3g | 1.2g |
食塩相当 量 |
0.3g | 0.2g | 0.3g | 0.2g | 0.2g | 0.1g |
脂肪酸総 量 |
12.27g | 16.53g | 24.39g | 25.04g | 3.54g | 3.6g |
飽和脂肪 酸 |
4.57g | 6.12g | 5.19g | 5.54g | 1.2g | 1.23g |
一価不飽 和脂肪酸 |
5.03g | 6.62g | 9.79g | 10.36g | 0.87g | 0.89g |
多価不飽 和脂肪酸 |
2.66g | 3.79g | 7.46g | 7.05g | 1.48g | 1.48g |
n-3系多価 不飽和脂 肪酸 |
2.12g | 3.04g | 6.56g | 6.13g | 1.21g | 1.2g |
n-6系多価 不飽和脂 肪酸 |
0.43g | 0.6g | 0.64g | 0.66g | 0.26g | 0.27g |
14:0ミリ スチン酸 |
490mg | 770mg | 1700mg | 1800mg | 120mg | 120mg |
16:0パル ミチン酸 |
2900mg | 3900mg | 2800mg | 3000mg | 710mg | 730mg |
18:0ステ アリン酸 |
830mg | 1000mg | 480mg | 500mg | 250mg | 260mg |
18:1計 | 3300mg | 4200mg | 2300mg | 2300mg | 590mg | 610mg |
20:1イコ セン酸 |
490mg | 690mg | 2500mg | 2700mg | 76mg | 80mg |
22:1ドコ セン酸 |
430mg | 710mg | 3800mg | 4100mg | 44mg | 46mg |
18:2n-6リ ノール酸 |
140mg | 200mg | 380mg | 400mg | 44mg | 44mg |
18:3n-3α -リノレン 酸 |
76mg | 120mg | 350mg | 370mg | 22mg | 22mg |
18:4n-3オ クタデカ テトラエ ン酸 |
140mg | 240mg | 1100mg | 1100mg | 24mg | 23mg |
20:4n-6ア ラキドン 酸 |
180mg | 220mg | 98mg | 98mg | 110mg | 110mg |
20:5n-3イ コサペン タエン酸 |
690mg | 930mg | 1800mg | 1600mg | 230mg | 230mg |
22:6n-3ド コサヘキ サエン酸 |
970mg | 1400mg | 2600mg | 2300mg | 830mg | 820mg |
サバの種類
それぞれウイキペディアとマルハニチロのおさかなギャラリーで調べました。
マサバ
マサバは、サバ属(Scomber)マサバ( japonicus)が学名です。一般に「サバ」という時は、マサバを指すことが多い。
成魚は全長50cmほどになる。体は前後に細長い紡錘形で、短い吻が前方に尖り、横断面は楕円形である。
各鰭は体に対して小さい。鱗は細かく、側線鱗数は210-220枚ほどに達する。背面は青緑色の地にサバ類独特の黒い曲線模様が多数走り、側線より下の腹面は無地の銀白色をしている。(出典:マサバ)
タイセイヨウサバ
大西洋サバ。サバ属(Scomber)タイセイヨウサバ( scombrus)が学名です。別名ノルウェーサバ。体長は50㎝。マルハニチロおさかなギャラリーのタイセイヨウサバからです。
脂が多いのが特徴でした。
マサバより頭と口が大きく精悍な顔つきをしている。また、体には太い横縞があり、他のサバ類との区別は容易。
大陸棚上の表層を群れて回遊し、ニシンやタラ類の幼魚、イカナゴなどの魚類を一尾ずつ捕えたり、カイアシ類などのプランクトン性の甲殻類を鰓で漉し取って餌とする。
北ヨーロッパでは、冬は海底で餌を取らずに休息し、春から索餌を開始し、5月~6月に産卵を行う。産卵後は、北上しながら猛烈な勢いで餌を取って成長し、皮下を中心に大量の脂肪(体重の30%に達する)を蓄積する。(中略)
しめさばや缶詰にするには脂が多すぎる。
ゴマサバ
ゴマサバは、サバ属(Scomber)ゴマサバ( australasicus)が学名です。
ウイキペディアのゴマサバによればこのように書かれています。
成長が早く、満1歳で尾叉長20 – 28cm、満2歳で30 – 36cm程度に成長し、成魚は50cm程度。よく漁獲されるのは30 – 40cmほどである。
さらに、マルハニチロおさかなギャラリーのゴマサバによると、脂質が少ないのが特徴とか。比較的小さいサイズで獲られるからでしょうか?
腹部に黒点を持つことが名前の由来。ただし、幼魚時代には黒点を持たない。また、成魚でも黒点の少ない個体もあり、一方、マサバにも淡い黒点を持つものが稀にある。マサバの体の横断面はやや平たいが、本種は円形に近い。(中略)
脂質が少ないので、鯖節に加工される。鯖節は濃い旨味を持ち、鰹節とブレンドして、そば汁などに用いられる。その他、缶詰、燻製など。
サバ缶の栄養成分
ちなみにサバ缶のサバは、マサバとゴマサバでした。(出典:「サバ缶」大ブームでも水産会社が喜べない事情)タイセイヨウサバは缶詰にするには脂肪が多過ぎると書いてありましたもんね。
サバ缶の脂質は10~14gでオメガ3の脂肪酸は、100gあたり約3gです。上のマサバとゴマサバの数字と比べると、缶詰に使うために魚体の大きさが調整されているのだろうと思います。もちろん、缶に入らないと仕方がないですから、小さめなのでしょう。
糖質制限の人は水煮がいいね
サバ缶の水煮は炭水化物が0.2gとほとんどありません。ほぼ、たんぱく質と脂質だけですから糖質制限の人にはよい食べ物です。
みそ煮や味付けは、調味料が入るので、炭水化物が増えます。(砂糖は炭水化物です)
さば類 /缶詰 /水煮 |
さば類 /缶詰 /みそ煮 |
さば類 /缶詰 /味付け |
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エネルギー | 190kcal | 217kcal | 215kcal |
水分 | 66g | 61g | 59.6g |
たんぱく 質 |
20.9g | 16.3g | 21.4g |
脂質 | 10.7g | 13.9g | 12.6g |
炭水化物 | 0.2g | 6.6g | 4g |
灰分 | 2.2g | 2.2g | 2.4g |
食塩相当量 | 0.9g | 1.1g | 1.3g |
脂肪酸総量 | 9.01g | 12g | 10.75g |
飽和脂肪酸 | 2.42g | 3.7g | 3.35g |
一価不飽和脂肪酸 | 3.47g | 4.41g | 3.87g |
多価不飽和脂肪酸 | 3.03g | 3.88g | 3.53g |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 2.73g | 3.33g | 3.08g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 0.3g | 0.52g | 0.42g |
14:0ミリスチン酸 | 430mg | 490mg | 420mg |
16:0パルミチン酸 | 1500mg | 2200mg | 2000mg |
18:0ステアリン酸 | 380mg | 630mg | 610mg |
18:1計 | 1900mg | 2800mg | 2500mg |
20:1イコセン酸 | 470mg | 600mg | 450mg |
22:1ドコセン酸 | 400mg | 340mg | 250mg |
18:2n-6リノール酸 | 150mg | 230mg | 140mg |
18:3n-3α-リノレン酸 | 72mg | 130mg | 98mg |
18:4n-3オクタデカテトラエン酸 | 180mg | 230mg | 160mg |
20:4n-6アラキドン酸 | 120mg | 170mg | 180mg |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 930mg | 1100mg | 1100mg |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 1300mg | 1500mg | 1500mg |
サバ缶はすっかり高くなった
サバ缶は、数年前なら99円で買えたような気がします。その後大人気となり、今は国産は安くて160円くらいでしょうか。内容量を少なくして、外国産のが特売になっていたりします。
国産品で昔から安定しておいしいのは、マルハニチロの月花さば水煮缶でしょう。だいぶ値段が上がり、今は200gで295円(税抜き)がメーカー希望小売価格です。
まとめ買いをして安く買えるとよいですが。
NOTE
他の記事にも書いたことがありますが、私はツナ缶をずっと切らさずに買っていましたが、ツナ缶が値上がりし、品質が下がり始めたので、サバの水煮缶を買うようになりました。
しかし、サバ缶はあっという間に値上がりし、一時は売り切れ状態になっていました。最近は安定供給されるようになっていますが、海外産が多いです。魚は獲りすぎるとすぐに不足してしまうようです。
その他の水産物とオメガ3については、水産物の中のオメガ3をお読み下さい。