不飽和脂肪酸には一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸がある

不飽和脂肪酸は炭素の二重結合を持つのが特徴です。二重結合を1個持つ一価不飽和脂肪酸はオメガ9の脂肪酸が知られており、二重結合を2個以上持つ多価不飽和脂肪酸には、オメガ6の脂肪酸とオメガ3の脂肪酸がよく知られています。

α-リノレン酸

不飽和脂肪酸は炭素の二重結合がある

不飽和脂肪酸とは、炭素同士が二重結合している部分を持つ脂肪酸のことです。「不飽和」というのは、飽和脂肪酸のように、炭素の結合する腕が水素と過不足なく結合していないという意味です。

下図を見てください。上の物質は炭素の手に全て1個ずつ炭素(C)か水素(H)が結合しているのですが、下の物質には、炭素の二重結合があります。

二重結合を解消すれば、それぞれ水素と結合できるという意味で、飽和していない=不飽和ということなのです。

脂肪酸の形が歪む

炭素の二重結合があると、炭素同士がクルクル風車のように回転できなくなり、固定されます。さらに、自然物では、なぜか図のように同じ側に水素があるシス型をとるため、形が歪むようになります。

二重結合

不飽和脂肪酸は、油を理解するために知っておく必要があるものをご紹介します。

不飽和脂肪酸の種類

不飽和脂肪酸には、炭素同士の二重結合が1個ある一価不飽和脂肪酸と2個以上ある多価不飽和脂肪酸があります。

一価不飽和脂肪酸

オリーブ油の主成分であるオメガ9の脂肪酸オレイン酸を紹介します。炭素数18の脂肪酸です。

オメガ9の脂肪酸

オレイン酸(C18:1)

オレイン酸は oleic acidと綴ります。

オメガ9の脂肪酸といわれます。下図左端にカルボキシ基がありますが、それと反対側をオメガ端といいます。そこから数えて9番目の炭素に二重結合があります。

または、n-9の脂肪酸という呼び方もします。

上で説明したように、二重結合の部分から歪みが生じて、形が直線的ではなくなります。

化学式は、示性式 CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COOH、分子式はC18H34O2出典

融点は13.4 °C

オレイン酸

オレイン酸

多価不飽和脂肪酸

炭素同士のに重結合が2個以上ある脂肪酸を、多価不飽和脂肪酸といいます。オメガ6のリノール酸とオメガ3のα-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)を紹介します。

オメガ6の脂肪酸

オメガ6の脂肪酸は、穀物に多く含まれているリノール酸を紹介します。

リノール酸(C18:2)

リノール酸は linoleic acid と綴ります。

オメガ6の脂肪酸といわれます。下図左端にカルボキシ基がありますが、それと反対側をオメガ端といいます。そこから数えて6番目の炭素に最初の二重結合があります。

必須脂肪酸といって、体内で他の脂肪酸から合成できないために摂取する必要がある脂肪酸です。大豆やトウモロコシなど穀物に含まれています。

9番目の炭素にも二重結合がありますが、最初の6番目の二重結合をもとにオメガ6と呼ばれます。

また、n-6の脂肪酸という呼び方もします。

形はもはや直線とはいえません。

化学式は、示性式 CH3(CH2)4(CH=CHCH2)2(CH2)6COOH、分子式はC18H32O2出典

融点は −5 °C

リノール酸

リノール酸

オメガ3の脂肪酸

話題のオメガ3の脂肪酸は、えごま油、亜麻仁油に多く含まれているα-リノレン酸と、青魚に多く含まれるEPA、DHAをご紹介します。

α-リノレン酸(C18:3)

α-リノレン酸は Alpha-linolenic acid と綴ります。

オメガ3の脂肪酸といわれます。下図左端にカルボキシ基がありますが、それと反対側をオメガ端といいます。そこから数えて3番目の炭素に最初の二重結合があります。

こちらも、必須脂肪酸といって、体内で他の脂肪酸から合成できないために摂取する必要がある脂肪酸です。

えごま、亜麻仁、大豆などに含まれています。

6番目、9番目の炭素にも二重結合がありますが、最初の3番目の二重結合をもとにオメガ3と呼ばれます。

また、n-3の脂肪酸という呼び方もします。

化学式は、示性式 CH3CH2(CH=CHCH2)3(CH2)6COOH、分子式 C18H30O2出典

融点は -11℃

αリノレン酸

αリノレン酸

エイコサペンタエン酸(C20:5)

エイコサペンタエン酸は、eicosapentaenoic acid と綴り、EPAと呼ばれます。魚油に含まれています。

炭素数20、二重結合5の脂肪酸です。

これも、オメガ3の脂肪酸といわれます。下図左端にカルボキシ基がありますが、それと反対側をオメガ端といいます。そこから数えて3番目の炭素に最初の二重結合があります。

こちらも、必須脂肪酸です。

6番目、9番目、12番目、15番目の炭素にも二重結合がありますが、最初の3番目の二重結合をもとにオメガ3と呼ばれます。

また、n-3の脂肪酸という呼び方もします。

化学式は、示性式 CH3CH2(CH=CHCH2)5(CH2)2COOH、分子式 C20H30O2出典

融点は -54から-53 °C

EPA

EPA

ドコサヘキサエン酸(C22:6)

ドコサヘキサエン酸は、Docosahexaenoic acid と綴ります。DHAと呼ばれます。こちら魚油に含まれています。

炭素数22、二重結合数6の脂肪酸です。

これも、オメガ3の脂肪酸といわれます。下図左端にカルボキシ基がありますが、それと反対側をオメガ端といいます。そこから数えて3番目の炭素に最初の二重結合があります。

こちらも、必須脂肪酸です。

6番目、9番目、12番目、15番目、18番目の炭素にも二重結合がありますが、最初の3番目の二重結合をもとにオメガ3と呼ばれます。

また、n-3の脂肪酸という呼び方もします。

化学式は、示性式 CH3CH2(CH=CHCH2)6CH2COOH で、分子式 C22H32O2出典

融点は -44 ℃

DHA

DHA

炭素の二重結合が増えるほど融点が下がる

不飽和脂肪酸は炭素数18からスタートしましたが、飽和脂肪酸と比べて融点が低いです。そして、炭素数が増えても、炭素同士の二重結合が増えるほど、融点が低くなっていきます。

つまり、室温でも冷蔵庫に入れても液体のままです。固まりません。

これは、二重結合が増えるほど、形の歪み方が大きくなることに関係しています。形が直線的なものに比べて、歪んでいるものは「ゆるい」のです。

NOTE

この記事ではふれませんでしたが、オメガ6、オメガ3の脂肪酸は特有の働きがあります。目次に沿って読んでいただけば、いずれ読んでいただくことになりますが、気の早い方のために、リンクを貼っておきます。

オメガ6の脂肪酸については、オメガ6について知っておきたいことをお読み下さい。

また、オメガ3の脂肪酸については、オメガ3について知っておきたいことをお読み下さい。

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