オメガ3の脂肪酸が多い食品を100位まで

オメガ3の脂肪酸が多く含まれている食品を調べました。α-リノレン酸、EPA、DHAの区別はしていません。100位まで調べました。その内訳は、植物の種の一部とその加工品の他は、ほぼ魚が占めます。

食料品店

食品を区別せずオメガ3の脂肪酸の含有量を並べる

野菜も穀物も食用油も区別なく、日本食品標準成分表2015年版(七訂)に載せられている食品から調べました。

また、オメガ3の脂肪酸であり、α-リノレン酸、EPA、DHAの区別はありません。上位100まで調べました。

表をみていただければ圧倒的に魚が多いことがわかります。魚以外のものに黄色いマークをつけてあります。

n-3系 多価不飽和脂肪酸 : 含有量Top 100
順位 食品名 成分量100g
あたりg
1 えごま油 58.31
2 あまに油 56.63
3 えごま/乾 23.7
4 あまに/いり 23.5
5 たらのあぶら 22.65
6 チアシード/乾 19.43
7 くじら/本皮生 11.2
8 あんこう/きも生 10
9 くるみ/いり 8.96
10 なたね油 7.52
11 調合油 6.81
12 みなみまぐろ/脂身生 6.77
13 やつめうなぎ/干しやつめ 6.66
14 たいせいようさば/生 6.56
15 たいせいようさば/水煮 6.13
16 大豆油 6.1
17 しろさけ/すじこ 5.83
18 くろまぐろ/脂身生 5.81
19 あゆ/養殖内臓焼き 5.8
19 くじら/うねす生 5.8
21 たいせいようさば/焼き 5.66
22 さんま/皮つき生 5.59
23 さば類/開き干し 5.58
24 マヨネーズ/全卵型 5.49
25 さんま/皮なし刺身 5.38
26 あゆ/養殖内臓生 5.19
27 さんま/皮つき焼き 4.95
28 マヨネーズ/卵黄型 4.92
29 しめさば 4.87
30 あさ/乾 4.74
31 しろさけ/イクラ 4.7
32 塩さば 4.62
33 ぼら/からすみ 4.47
34 いわし類/缶詰かば焼 4.23
35 さんま/缶詰味付け 4.16
36 まさば/フライ 3.95
37 まいわし/フライ 3.93
38 さんま/みりん干し 3.9
39 やつめうなぎ/生 3.8
40 ぶり/成魚焼き 3.73
41 さんま/開き干し 3.54
42 きちじ/生 3.42
43 にしん/かずのこ乾 3.39
44 ぶり/成魚生 3.35
45 みりん干し/まいわし 3.34
46 さば類/缶詰みそ煮 3.33
47 いわし類/缶詰味付け 3.17
48 たちうお/生 3.15
49 まいわし/生干し 3.12
50 まさば/焼き 3.1
51 さば類/缶詰/味付け 3.08
52 まさば/水煮 3.04
53 フレンチドレッシング 3.03
54 いわし類/缶詰水煮 2.92
55 サウザンアイランドドレッシング 2.91
56 いわし類/缶詰トマト漬 2.89
57 うなぎ/かば焼 2.87
58 めざし/生 2.85
59 にじます/海面養殖/皮つき焼き 2.81
60 にしん/開き干し 2.77
61 さば類/缶詰水煮 2.73
62 さんま/缶詰かば焼 2.67
63 たいせいようさけ/養殖焼き 2.66
64 はたはた/生干し 2.61
64 たいせいようさけ/養殖皮なしソテー 2.61
66 まあじ/小型骨付きから揚げ 2.58
67 たいせいようさけ/養殖皮つきソテー 2.57
68 にじます/海面養殖皮つき生 2.56
68 しろさけ/塩ざけ 2.56
70 あゆ/天然内臓生 2.54
71 にしん/くん製 2.52
72 凍り豆腐/乾 2.49
73 さくらます/焼き 2.48
74 ぎんざけ/養殖焼き 2.47
75 いわし類/缶詰油漬 2.45
76 うなぎ/養殖生 2.42
77 ポテトチップス 2.4
77 ほっけ/開き干し焼き 2.4
79 まいわし/塩いわし 2.39
80 こい/養殖内臓生 2.37
81 キャビア/塩蔵品 2.36
81 くろまぐろ/養殖赤身焼き 2.36
83 たいせいようさけ/養殖皮つき水煮 2.33
84 すっぽん/肉生 2.32
85 くろまぐろ/養殖赤身ソテー 2.3
85 たいせいようさけ/養殖皮つき天ぷら 2.3
87 うなぎ/白焼き 2.27
88 油揚げ/生 2.26
88 たいせいようさけ/養殖皮なし水煮 2.26
90 まだい/養殖皮つき焼き 2.24
90 くろまぐろ/養殖赤身天ぷら 2.24
90 かたくちいわし/生 2.24
93 まだい/養殖皮つき水煮 2.23
93 まいわし/焼き 2.23
95 にしまあじ/焼き 2.22
95 ロースハム/フライ 2.22
97 まあじ/開き干し焼き 2.21
97 たいせいようさけ/養殖皮なし電子レンジ調理 2.21
99 たいせいようさけ/養殖皮つき蒸し 2.18
99 湯葉/干し乾 2.18

オメガ3の脂肪酸は一部の食品にかたよって含まれている

表を上から下まで見ると、オメガ3の脂肪酸が多い食品は、植物の種とその加工品、そして残りはほぼ魚です。

植物の種

植物の種は、亜麻仁とえごまとチアシードとなたねとくるみと大豆とあさです。

しかし、なたねとくるみと大豆とあさは、オメガ3の脂肪酸よりもオメガ6のリノール酸の含有量の方が多いです。そして、たいていの種は、これらのようにリノール酸の方が多いです。

オメガ3が多い(?)くるみの脂肪酸を調べたらリノール酸が一番多かった
くるみにオメガ3の脂肪酸が多いと聞いたので、食品分析表で調べてみました。脂肪酸の60%がリノール酸、13%がα-リノレン酸です。オメガ3のα-リノレン酸よりオメガ6のリノール酸の方がはるかに多かったです。 くるみの栄養成分と脂肪の脂肪酸組成...

オメガ3の脂肪酸の方が多い、亜麻仁とえごまは特別です。

種の加工品

加工品は、種をしぼった油と、大豆加工品と、大豆油を使った加工品があります。

種をしぼった食用油については説明するまでもないでしょう。

  • マヨネーズ、フレンチドレッシング、サウザンアイランドドレッシングには安価な大豆油が含まれたサラダ油が使われています。
  • 凍り豆腐は大豆が原料です。
  • ポテトチップは安価な大豆油が含まれたサラダ油で揚げられています。
  • ロースハムフライもサラダ油で揚げられています。
  • 油揚げは、大豆が原料で、菜種油で揚げられます。
  • 湯葉は、大豆が原料です。

残りはほぼ魚です。くじらとすっぽんは魚ではありませんが、食べている餌が魚と似ているので、オメガ3の脂肪酸が多くなります。

ところで、魚にオメガ3の脂肪酸が多いのは、なぜなんだろうと考えたことはありませんか?

ひょっとして、「魚が自分で合成するから」なんて思っていませんか?私もそう思ったことがあります。しかし、実は、魚も合成できないのですよ。是非、こちらを読んでみてください。

ラビリンチュラ類のDHAとEPAが魚の脂肪に移る
魚に豊富に含まれるEPAとDHAは、ラビリンチュラ類などの微細な藻が生産したものを食べて自分の脂肪に蓄えたものです。ラビリンチュラ類は、細菌類や真菌類、水棲の多細胞植物をエサにしています。また、ラビリンチュラ類は、亜熱帯から熱帯にわたるマングローブ域に豊富に生息しています。

NOTE

今回作った表をしばらく眺めていて思いました。

日本人なら、オメガ3が足りなくなるなんてあり得ない。

魚を食べて、大豆から作った、醤油、味噌、豆腐を食べて、私が子供の頃なら、調理に使う油はサラダ油か少し高級なごま油くらいしかありませんでした。

オメガ3の1日の必要量は成人男女ともほぼ2gです。

オメガ3脂肪酸の1日の摂取量は?
オメガ3の脂肪酸は、成人男女とも1日2g程度摂れば目安量を満たします。えごま油なら4g、体積で表すと約4.4mlです。小さじ1杯でお釣りが来ます。まぐろの刺身なら100g食べると十分です。オメガ3の脂肪酸には特有の働きがあり、欠乏すると皮膚炎や成長障害が起こります。しかし、欠乏症を防ぐ量はとても少ないです。

表に書かれている食品を適当に食べていれば十分満たすことができます。

「えごま油がいい」
「亜麻仁油がいい」
「チアシード油がいい」

と聞くと、たくさん使うのがよいのかとつい思ってしまいますが、わずかな量で十分だとわかります。油のカプセルをサプリメントのように飲む必要は(多分)ないでしょう。

リノール酸とのバランスを取るためにオメガ3をとるなら、まず、普段食べているものをよく調べて(リノール酸が含まれている)油ものを減らすのが一番必要かもしれません。

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