亜麻仁油はよく知られていますが、亜麻仁について調べたことがなかったので、栄養成分を調べました。たんぱく質と食物繊維が多いのが特徴です。必須アミノ酸もそろっていました。ミネラルビタミンはそれほど多くはありません。ただ、亜麻仁油には、脂溶性ビタミン以外は、「油」でした。
亜麻仁の栄養成分
亜麻仁は見た目がゴマに似ていますが、同じように、ローストして(炒って)食べることができます。亜麻仁油の原料ですから、脂質が多いのは当たり前ですが、成分表を見るといくつか特徴があります。
たんぱく質と食物繊維が多い
たんぱく質が20g以上あります。ごまと同じくらいあります。なかなか栄養豊富な食べ物です。その他の特徴は、食物繊維が多いことです。
炭水化物30.4g中、食物繊維総量が23.8gあります。これは多いですね。食物繊維はヒトが消化できませんから、糖質は100g中に7g程度しかない計算になります。
必須アミノ酸が全てある
必須アミノ酸も全てそろっています。必須アミノ酸はイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジンです。
ミネラル、ビタミンなどはありますが、特徴がないですね。
あまに/いり | あまに油 | |
エネルギー | 562kcal | 921kcal |
水分 | 0.8g | Tr |
たんぱく質 | 21.8g | 0 |
脂質 | 43.3g | 100g |
炭水化物 | 30.4g | 0 |
灰分 | 3.7g | 0 |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 19.8g | – |
トリアシルグリセロール当量 | 41.1g | 99.5g |
ナトリウム | 70mg | 0 |
カリウム | 760mg | 0 |
カルシウム | 210mg | Tr |
マグネシウム | 410mg | 0 |
リン | 710mg | 0 |
鉄 | 9mg | 0 |
亜鉛 | 6.1mg | 0 |
銅 | 1.26mg | 0 |
マンガン | 2.97mg | 0 |
ヨウ素 | 0 | – |
セレン | 3µg | – |
クロム | 25µg | – |
モリブデン | 13µg | – |
レチノール | 0 | 0 |
α-カロテン | 0 | 0 |
β-カロテン | 14µg | 10µg |
β-クリプトキサンチン | 2µg | 3µg |
β-カロテン当量 | 16µg | 11µg |
レチノール活性当量 | 1µg | 1µg |
ビタミンD | 0 | ‘(0) |
α-トコフェロール | 0.4mg | 0.5mg |
β-トコフェロール | 0 | 0 |
γ-トコフェロール | 10.2mg | 39.2mg |
δ-トコフェロール | 0.2mg | 0.6mg |
ビタミンK | 7µg | 11µg |
ビタミンB1 | 0.01mg | 0 |
ビタミンB2 | 0.17mg | 0 |
ナイアシン | 2.6mg | 0 |
ナイアシン当量 | 9.4mg | 0 |
ビタミンB6 | 0.4mg | – |
ビタミンB12 | Tr | – |
葉酸 | 45µg | – |
パントテン酸 | 0.24mg | – |
ビオチン | 33.3µg | – |
ビタミンC | 0 | ‘(0) |
脂肪酸総量 | 39.3g | 95.13g |
飽和脂肪酸 | 3.62g | 8.09g |
一価不飽和脂肪酸 | 6.55g | 15.91g |
多価不飽和脂肪酸 | 29.13g | 71.13g |
コレステロール | 2mg | 2mg |
単糖当量 | 1.2g | – |
水溶性食物繊維 | 9.1g | 0 |
不溶性食物繊維 | 14.7g | 0 |
食物繊維総量 | 23.8g | 0 |
食塩相当量 | 0.2g | 0 |
アルコール | – | – |
重量変化率 | – | – |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 23.5g | 56.63g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 5.63g | 14.5g |
16:0パルミチン酸 | 2000mg | 4500mg |
18:0ステアリン酸 | 1400mg | 3200mg |
18:1計 | 6500mg | 16000mg |
18:2n-6リノール酸 | 5600mg | 14000mg |
18:3n-3αーリノレン酸 | 24000mg | 57000mg |
20:4n-6アラキドン酸 | 0 | 0 |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 0 | 0 |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 0 | 0 |
イソロイシン | 1100mg | |
ロイシン | 1500mg | |
リシン | 650mg | |
メチオニン | 440mg | |
シスチン | 270mg | |
含硫アミノ酸合計 | ||
フェニルアラニン | 1200mg | |
チロシン | 570mg | |
芳香族アミノ酸合計 | ||
トレオニン | 910mg | |
トリプトファン | 410mg | |
バリン | 1300mg | |
ヒスチジン | 570mg | |
アルギニン | 2300mg | |
アラニン | 1200mg | |
アスパラギン酸 | 2400mg | |
グルタミン酸 | 4900mg | |
グリシン | 1500mg | |
プロリン | 910mg | |
セリン | 1100mg | |
ヒドロキシプロリン | – | |
アミノ酸合計 | 23000mg | |
アンモニア | 610mg | |
でんぷん | 0.2g | |
ぶどう糖 | 0 | |
果糖 | 0 | |
ガラクトース | – | |
しょ糖 | 0.9g | |
麦芽糖 | 0 | |
乳糖 | ‘(0) | |
トレハロース | – | |
利用可能炭水化物計 | 1.2g | |
ソルビトール | – | |
マンニトール | – |
亜麻仁油の栄養成分
亜麻仁油は脂質100%です。たんぱく質や炭水化物はありません。また、亜麻仁に含まれていたミネラルは全てなくなりました。
脂溶性のビタミンが残る
もともと原料にも少なかったですが、ビタミンA(レチノール当量を見てください)とビタミンE(トコフェロール)とビタミンKが、そのままか、わずかに濃縮されて亜麻仁油に残っています。それぞれ脂溶性の、つまり油に溶けるビタミンです。
亜麻仁油は油そのもの
亜麻仁と亜麻仁油を比較すると、原料の亜麻仁は栄養が豊富なのに、亜麻仁油は脂溶性ビタミン以外ほとんど含まない「油」になっていることがわかります。
亜麻仁油には独特の風味があります。
香り成分はたくさん含まれているわけではないですが、ごくわずかでAの油とBの油が別なものだと識別できるのですから、面白いなと思います。
亜麻仁油については、オメガ3の油は5種類あるで紹介しています。
私のように、原料と油を比較して、もったいない!と思う方は、亜麻仁を買って食べるのがよいかもしれません。
亜麻仁はローストしたものを買う
亜麻仁はアーモンドと同じようにローストして食べる必要があります。亜麻の実には、シアン化合物として、シアン配糖体であるリナマリンが含まれていることが知られています。(参考)
ローストしてあるものを買うのが間違いありません。
NOTE
高価な油を使うのはぜいたくなことですが、油の原料は、油よりも間違いなく栄養が豊富です。ごま油よりもごま、えごま油よりもえごま、亜麻仁油よりも亜麻仁に関心が持たれるようになり、食べられるようになるといいなと思いました。
この他のオメガ3の油は、オメガ3の油は5種類あるをお読み下さい。