脂肪を摂ると中性脂肪を下げてHDLを下げない、らしい

低脂肪食は中性脂肪(トリグリセリド TG)を増加させ、善玉コレステロールといわれるHDLを減少させますが、中等脂肪食はTGを減少させ、HDLを減少させない。つまり、脂肪はある程度以上摂る必要があるみたいです。

バター

この記事は、少し前に書いた油は太るのか太らないのか?の続きです。この記事で論文を読ませていただいた山田悟先生の本を探しました。私が知りたいのは、「脂肪を摂っても太らないのはなぜか?」の答えです。

少し前の本ですが、糖質制限完全マニュアル血糖値が安定すればやせられるを読みました。

脂質を摂るほど中性脂肪は減る

本を読んでいくと、とても興味を引かれる部分がありました。「脂質を摂るほど中性脂肪は減る」というタイトルがついていました。このように書かれています。

例えばアメリカでは、2011年に心臓病学会が「高中性脂肪血症に対しては脂質を増やし糖質を減らすことがよい」と発表しました。高中性脂肪血症とは中性脂肪が基準値よりも高い病気のことです。

脂質の摂取(油を食べること)を制限しても、中性脂肪(体の中の脂肪)を減らすことにはつながらないと公式に示したのです。

この発表は2009年にアメリカの脂質栄養学雑誌に掲載された論文を引用したもので、この論文には脂質を摂るほど血中の中性脂肪が下がっているという研究結果が報告されています。

隣の図に出典が書かれていて、「J Clin Lipidol 2009.3. 19-32」とあったので検索してみると、雑誌名は、Journal of Clinical Lipidologyであることがわかりました。

そして、なんとか、論文を発見することができました。タイトルはこちらです。

Effects of moderate (MF) versus lower fat (LF) diets on lipids and lipoproteins: a meta-analysis of clinical trials in subjects with and without diabetes

日本語にします。

「脂質とリポ蛋白質に対する中等度(MF)対低脂肪(LF)食の効果:糖尿病の有無にかかわらず、被験者を対象とした臨床試験のメタアナリシス」

リポ蛋白質は、健康診断の血液検査で気になるLDLコレステロールとHDLコレステロールのことです。

メタアナリシスとは、ウイキペディアによると、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである、とありました。複数の研究の結果を分析していると知っておけばよいでしょう。

この論文は、PDFをダウンロードするにはユーザー登録した上で35ドル以上かかるそうなので全文を読むのはあきらめました。要約だけ出ていたので、それを読みました。

低脂肪食は中性脂肪を増加させHDLを減少させる

本当かよ?と思ってしまう内容です。

ざっくり訳します。

背景
脂質異常症は冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを増加させ、糖尿病ではしばしばCHDのリスクを増幅させます。低脂肪食(LF)はトリグリセリド(TG)を増加させ、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)を減少させ、中等脂肪食(MF)はTGを減少させ、HDL-Cを減少させない。

目的
糖尿病の有無にかかわらず、被験者のMF対LFコレステロール低下体重維持食に対する脂質およびリポ蛋白質の応答の大きさを定量化すること。

方法
糖尿病の有無にかかわらず、被験者の脂質とリポ蛋白質に関するLF対MF食を評価するために、30件の対照食研究(n = 1213人)のメタアナリシスを実施した。

結果
すべての被験者において、MF食とLF食は同様に低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)を減少させた。MF食はLF食に比べてHDL-Cの減少が少なかった。MF食対LF食後のHDL-Cの推定増加量は2.28mg/dL(95%信頼区間1.66~2.90mg/dL、P<0.0001)であった。

MF食はTGを減少させたが、LF食はTGを増加させた。TGの低下はMF食とLF食で-9.36mg/dL(-12.16~-6.08mg/dL、P<0.00001)であった。

糖尿病のある被験者では、HDL-C(2.28 mg/dL)の増加は糖尿病のない被験者と比較して同様であったが、TGの減少はMF食の方が大きかった(-24.79 mg/dL、P<0.05)。糖尿病のある被験者では、HDL-Cに対する総コレステロール(TC)の比率(TC:HDL-C)(-0.62、P < 0.0001)および非HDL-C(-5.39 %、P < 0.06)がMF食とLF食の間でより大きく減少した。

結論
男女ともに、MF食後の予測CHDリスクはLF食と比較して、より大きな減少率(それぞれ6.37%と9.34%)を示した。さらに、糖尿病患者のTG、TC:HDL-C比、非HDL-C比の低下が大きいことから、CHDリスクの低下は、MFとLFの体重維持、コレステロール低下食の方が大きいと考えられます。

ここで、注目すべきところは、ラインマーカーを引いておきました。確認のためもう一度書いておきます。

  • 低脂肪食(LF)はトリグリセリド(TG)を増加させ、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)を減少させる。
  • 中等脂肪食(MF)はTGを減少させ、HDL-Cを減少させない。

つまり、中性脂肪を下げるには、ある程度の脂肪を摂っていないといけない。しかも、脂肪を摂っていると善玉コレステロールといわれるHDLの数値を下げない効果があります。今日まで全く知らなかったことでした。

ロカボの食事

この本ですすめられている食事方法は、糖質制限食ですが、カロリー制限食ではありません。血糖値を上げないことが一番の目的です。

上で紹介した論文では、脂肪は摂った方がよいという結論になりますが、だからといって好きなものを好きなように食べていると太るに決まっています。

血糖値を上げないようにして、脂肪は気にせず自由にとってよいというのがこの本ですすめるロカボの食事です。

ロカボでは、1食に摂る糖質量を20~40gとし、間食の10gと合わせて1日の糖質摂取量を70~130gとします。1食につきご飯半膳とおかず。

ご飯ではなくトーストであれば6~8枚切り1枚とおかずです。おかずについては、肉、魚、野菜といった食材を豊富に選び、調味料としてバターやドレッシングのような油脂もふんだんに使用してOKです。

お酒も糖質量で量を加減する限りはご自由に、という食事法がロカボです。

NOTE

低脂肪食を食べていると、中性脂肪が上がり、HDLコレステロールが下がることを初めて知って、ちょっとショックでした。私は、脂肪を摂らないようにかなり気をつけていた時期があったからです。

まだ、脂肪が太る原因にならない理由がわからないですが、引き続き調べて行きます。

今、翻訳ソフトは、DeepLグーグル翻訳を同時に使っています。英文を両方にコピペしておかしな日本語訳を排除するようにしています。昔、図書館で大きな英和辞典を引いたり、自宅でリーダース英和辞典を使って訳していたことを思うと、すごく便利な時代だと思います。ただし、楽すぎて、若い方がこれをやると英語の力はあまりつかないかもしれません。

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