官能基とにおい

以前、短鎖脂肪酸はくさいという記事を書きました。それまで、脂肪酸とにおいが関係しているなんて考えたこともありませんでした。

しかし、たとえば、汗をかいてしばらくたつと汗くさくなるのは、汗に含まれる脂肪が皮膚に棲んでいる常在菌に分解され、脂肪酸が短く切られていって短鎖脂肪酸になるとにおい始めるという道筋なのでしょう。果たしてその脂肪は、どんな脂肪酸組成なんでしょう?興味があります。

私の普段の食生活を反映しているのでしょうか。加齢臭にも関係があるし、そのような本がないのか探しているのですが、今のところ見つかりません。

トコトンやさしいにおいとかおりの本もそんな目的で読んでみたのですが、私の興味に応えてはくれませんでした。

しかし、面白い話が紹介されていました。

官能基によってにおいが変わる

以前、油を抽出する溶媒ヘキサンについてという記事で、食用油の精製に使われるヘキサンについて書きました。

ヘキサンは、こんな構造式です。炭素と水素だけなのでとても分かりやすいです。炭素が6個、水素が14個からできています。ヘキサンはパーツクリーナーとしても販売されていますから、においが想像できる方が多いのではないかと思います。灯油のようなにおいがします。

ヘキサンの変化

ヘキサンの官能基による変化

ところで、ヘキサンの右端に官能基をつけると、性質が変わり、においが変わります。官能基とは、有機化合物を特性づける原子団のことです。文字よりも図を見た方が分かりやすいですね。

ヒドロキシ基(-OH)をつけるとアルコールになります。ヘキサノール。これは、芝を刈ったばかりのにおいがします。

アルデヒド基(-CHO)をつけると、ヘキサナールになります。油くさい草のようなにおい。大豆の青臭さはこのにおいです。

カルボキシル基(-COOH)をつけると、ヘキサン酸になります。これは馴染みのある脂肪酸の形です。カプロン酸のことです。古い油のようなにおい。汗臭いにおい。ヤギの体臭様の臭気を持つといわれます。

そして、少し余分になりますが、カプロン酸とエチルアルコールのエステルはカプロン酸エチルといってこんな構造式になります。これはリンゴ様の果実臭といわれ、日本酒の芳香成分で吟醸酒には数100 ppb–数 ppm 程度含まれているそうです。ああ、あの匂いだなと想像できますね。

クサイにおいがアルコールとエステル結合するとよい匂いに変化するのですから面白いです。

スポンサーリンク

フォローする

スポンサーリンク