カレーに使われている油にも注意してみよう

ある日買って来たカレールーの箱をひっくり返すと、原材料名に食用油脂(パーム油、なたね油)と書かれていました。食品メーカーは安くて酸化しにくい油を使っているのです。もし、嫌だなと思ったら自分でスパイスカレーをつくればよいのです。

カレールーに使われている油がパーム油となたね油だと知り、なぜこれらの油を使うのか考えてみました。

カレールーに使われている油

普通は市販のカレールーを買ってきて作るのではないかと思います。私はカレーを作るのが趣味で、うちの冷凍庫にはスパイスがいつも何種類か入っています。

しかし、スーパーに行ってカレールーを買ってきて作ることもあります。やはり子供の頃から親しんだ味というのは忘れられないです。たまに学食のカレーを食べたいと思うこともあります。

先日、カレーを作っているときに、カレールーの箱の裏を見ました。こんな風に書かれていました。原材料名は、多い順番に書かれています。

品名:カレールウ
原材料名:小麦粉、食用油脂(パーム油、なたね油)、食塩、砂糖、カレー粉、でん粉、酵母エキス・・・

パーム油となたね油を使う理由を考えてみた

少し知識がついてきたので、「ふーん、何でパーム油が多いのかな?」と考えてしまいました。パーム油は世界で一番生産量の多い油で、2位は大豆油、3位がなたね油です。

パーム油については、パーム油は世界一生産されている油であったという記事に詳しく書きました。

パーム油は世界一生産されている油であった
パーム油は世界一生産量の多い油です。洗剤の原料になるのかと思ったら、90%が食用で使われています。脂肪酸組成は、約40%がパルミチン酸(C16:0)、35%をオレイン酸(C18:1)が占めます。パルミチン酸を始め飽和脂肪酸が多いのが特徴です...

パーム油を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であるパルチミン酸とステアリン酸がほぼ半分を占めます。そのため融点が34℃~40℃と高く、常温では固体です。なたね油は、約70%がオリーブオイルの主成分であるオレイン酸で、多価不飽和脂肪酸である、リノール酸やαリノレン酸は30%以下です。

パーム油は価格が安いことで知られています。そして飽和脂肪酸が多いですから酸化に強く、また常温で固体であること、それと、もともとが飽和脂肪酸なので、最近話題のトランス脂肪酸問題と関係がないことをメーカーが考慮しているのかなと思いました。

常温で固体であることは、カレールーがスーパーの棚に並べられるわけですから結構重要です。

昔は大豆油の方がポピュラーだったような気がしますが、大豆油は、リノール酸が50%くらい占めています。これに水素添加して常温で固体になるように飽和脂肪酸にするとトランス脂肪酸ができてしまいます。なたね油はオレイン酸が多いですから、リノール酸やα-リノレン酸に比べたら酸化にはずっと強いです。

この時買ってきたカレールーは、私が小学生の頃からある銘柄ですが、きっと時代に合わせて中味を変えながら何十年も続いているんだろうなと思いました。

食品メーカーはとても研究熱心

私は、NHKのサラメシが好きで録画して暇な時に見ています。2015年7月6日放送分では、カレー特集をやっていました。

食品会社でレトルトカレー開発に携わる社員の皆さんが出て来て、毎日必ず1食はカレーを食べているといっていました。研究熱心でとても好感が持てる内容でした。毎日カレーを食べているのもうらやましかった。

とあるメーカーのサイトを見ると、最近は、カレールーに使う油の量を減らしてカロリーを下げているようです。メーカーもいろいろと考えてカレールーを作っています。

カレールーを使ったカレーと自分でつくったスパイスカレーの違い

普段、スパイスを使ってカレーを作る方ならよくご存知のことだと思います。

カレールーを使ったカレーと、自分でスパイスを合わせて作ったカレーの最大の違いは、食べ終わって鍋を洗う時に分かります。

カレールーを使った鍋は、洗剤をよくつけて洗わないとなかなか油汚れが落ちません。しかし、自分で作ったスパイスカレーの鍋は、ほとんどお湯だけできれいになります。

この差は、使っている油の量だと思います。油をたくさん使っていると食べた時に満足感があります。味噌汁と豚汁を食べることを比べると違いがよく分かりになると思います。昔に比べてカレールーに使われる油が減っても、まだ多いのは、このためでしょう。

脂肪が与えてくれる満足感について、脂肪は脳に作用するという記事を書きました。

料理に使う油はできるだけ自分で選ぼう

しかし、私はパーム油を買ってきて料理に使うことはこれからもずっとないだろうなと思います。

食品メーカーが発売してくれるカレールーは、それなりにおいしく、そして何より買いやすい値段がついています。安く提供するには、食品メーカーは、コストをできるだけ低くしなければなりません。安い油を探して使うのは当たり前だと思います。

記事を書きながら油のことを調べていると、加工食品に使われている油が気になるようになってきました。

缶詰、お菓子などなど本当にいろいろなものに油が入っています。最近、気になるのは、ツナ缶の油で、大豆油、綿実油が入っています。

私には必要がない油なので、買うときは水煮タイプを探して買っています。よく行く乾物屋さんで聞きましたが、意外と私のようなタイプの人は多いそうです。

買い物をするときには、パッケージをひっくり返して原材料名を見るようにするとよいと思います。いくら油に気をつけた生活をしていても、加工食品からの油は、食べている限り拒否することはできません。

そして、一番大切なのは、できるだけ加工食品を使わずに自分で料理をすることだと思います。自分で料理をすれば、調味料も含めて使う油もすべて自分で管理できます。

NOTE

もし、カレールーに使われる油の量が気になるなら、一度スパイスを買って来て自分で作ってみるとよいですよ。

おすすめ本は、カレーな薬膳(晶文社 2003)。レシピ本でもあり、読み物としても楽しめます。2003年に出版された本ですが、いまだに絶版にならないひそかに人気がある本です。

私は2003年にこの本を知り、早速、アメ横にスパイスを買いに行って以来、自分で作るようになりました。

そして、たまに食品メーカーのカレールーを買って来て作ると、また違うおいしさを感じられてよいのです。カレールーのカレーも美味しいです。

この他の油と調理についての記事は、油と調理についてをご覧下さい。

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