リノール酸の問題は1970年代にはわかっていたんだね

1973年には、アメリカ人のリノール酸の摂り過ぎが問題になっていました。リノール酸を加工する時に、2つある炭素の二重結合がトランス型になると、ネズミが成長できなくなったのです。また、天然型のリノール酸でも摂りすぎは過酸化脂質になりやすいため、病気の原因になりました。抗酸化作用のあるビタミンEとのバランスが考えられていました。

マーガリン

1973年の論文が今の食生活にピッタリ合う

リノール酸が必須脂肪酸になった歴史を調べていた時に、最初に手がかりになったのが、リノール酸の栄養という論文でした。

これは、1973年(昭和48)に調理科学 / 6 巻 (1973) 4 号に掲載されていたものです。40年以上前に書かれた内容が2018年の今読んでも古さを感じさせません。それで、著者の福場博保先生に興味をもち、少し調べました。

福場博保先生のご逝去を悼むという記事を読んで、お茶の水女子大学の教授を長く務められ、その後、昭和女子大学の学長になっていた方だと分かりました。

福場博保先生のご逝去を悼む|随想・雑感|公益財団法人不二たん白質研究振興財団
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1973年は、私にとっては浅間山荘事件や札幌オリンピックがあった翌年のことです。まだ小学生でした。

その時代に、専門雑誌に掲載されたこの論文に書かれていることはだいたい次の通りです。

  • アメリカ人の食生活と日本人のそれを比較し、特に1日に摂取する脂肪の量が全く違う。
  • 脂肪をたくさん摂っているアメリカ人は、特定の病気が発生しやすくなります。そのため、動物性の脂肪は少なくして、植物性の脂肪を多く摂るようになります。その中にはコレステロール値を上げないリノール酸が多く含まれています。しかし、脂肪の全体量は増えています。
  • 血中コレステロールの数字を上げない効果があるからといって、リノール酸をたくさん摂って害はないのだろうか?
  • リノール酸を含む植物油は水素添加されマーガリンやショートニングなどに加工されます。その時にできるトランス脂肪酸はどんなもので、害はないのかどうか。
  • リノール酸のような高度不飽和脂肪酸は過酸化物になりやすいが、それを防ぐ抗酸化剤としてビタミンEに着目し、体の中で過酸化物を作らないように、摂取する高度不飽和脂肪酸に対して、どのくらいの割合のビタミンEを摂る必要があるか。

この内容は、いま生活している私たちにも、とても関係があることです。繰り返しますが、1973年の論文ですから。

福場博保先生の本は探してできるだけ読もうと思いました。

日本とアメリカ脂肪の摂取量とエネルギー%の違い

昭和44年は1969年です。栄養審議会は旧厚生省のもの。1969年頃は、日本人の食事の全カロリーに対しての脂肪のカロリー%は15%程度でした。それを、20%まで引き上げましょう、肉体労働をしている人は、25%まで引き上げましょうという話をしているのです。

昭和44年8月に栄養審議会で出された日本人の栄養所要量の中で,脂肪の全カロリーに対するカロリー割合―脂肪カロリー%―については,それまでの15%を改訂し20%が望ましく,さらに労働等によってカロリー所要量の多い時には25%に多くすることが望ましいと示されている。

一体この脂肪カロリー%というものは,どの位まで高くすることができるものであろうか,あるいは最適のカロリー%というものが存在するのかどうかという問題は,世界的に注目を浴びている研究問題であろう。

日本では,このように所要量自身を高くされ,さらに国民栄養調査の結果をみても,年々脂肪の摂取量は増加の一途をたどり,昭和50年を目途とする栄養基準量では国民一人当り一日48gの脂肪摂取が示されているが,この調査では既に昭和46年度で48.7gと,この基準量を突破した数字が出ている。

一方、極端な対照例として、アメリカの脂肪摂取の話が紹介されています。

アメリカ人の食事は高カロリー高脂肪

アメリカにおける脂肪摂取の問題をみてみると,第1表に示すように,年々この摂取量は我が国同様増加しているが,ことにこの半世紀に脂肪カロリー%は約10%も増え,遂に摂取全カロリーの約半分が脂肪から来るような食形態となっている。

このような脂肪の過剰摂取は当然に多くの過剰弊害を起し,高脂血症,高コレステロ一ル血症,心臓病,肥肝症等々の疾病が多発し,問題となっている。

文中にある第1表は載せませんが、代わりに説明します。

1909~1913年までのアメリカ人1人あたりの1日の摂取カロリーは3490kcal。ずいぶんと多いです。このうち、脂肪のエネルギー%は、32.1%でした。

それが、1965年になると、1日の摂取カロリーは3160kcalになり、減少しています。ところが脂肪のエネルギー%は、41.0%になっています。

そもそもカロリーをとり過ぎていることは間違いありませんが、脂肪をとり過ぎるとどうなるのか、改めて分かると思います。

低糖質指向時代なので改めて知っておく

脂肪の過剰摂取は、「高脂血症,高コレステロ一ル血症,心臓病,肥肝症等々の疾病が多発し・・・」は記憶にとどめておきたいです。

今は低糖質のものが好まれる時代になりつつあり、血糖値を上下させることに関係がない脂肪についてわりと甘く考えられているからです。

脂肪の質の変化

飽和脂肪酸が血中コレステロール量を上昇させるので、動物性脂肪に多い飽和脂肪酸を避け、リノール酸のような血中コレステロール値を下げる植物油を摂るようになります。

次にアメリカにおける脂肪摂取の内容を分析してみると,同じくFriendの示した統計によると(第2表)年々動物性脂肪の摂取が減少し,逆に植物性油脂の摂取が増加している,ことにこの傾向は1950年を境として,それ以降に顕著である。

これは御承知のように,この年代に,動物性脂肪に多いパルミチン酸のような飽和脂肪酸が血中のコレステロール量を上昇させる作用があるのに対し,植物油に多いリノール酸のような高度不飽和脂肪酸(Poly-UnsatufatedFattyAcids,このものをPUFAと略して示す)は,逆にこの血中コレステロール値を下げる作用のあることが知られ,血中コレステロール値の上昇に悩んでいたアメリカ人としては脂肪は摂りたし,コレステロールは恐し,ということから摂取脂肪の内容が変化したものであろう。

下の第2表を見ていただくとよく分かると思います。

動物性の脂肪の総計はだんだん減って行きますが、植物性の脂肪は増えていきます。そして、脂肪全体の合計も増えていっています。

第2表 アメリカ人1人1日当り摂取脂肪の年次変化(g)
年次 動物性 植物性
バター ラード 牛脂 総計 マーガリン ショートニング サラダ油
調理油
総計
直接使用 間接使用 合計 ショートニング マーガリン 合計
ショートニング マーガリン
1909-1913 17.7 14.7 0.0 0.2 14.9 0.8 0.4 1.2 33.8 0.8 9.6 1.9 12.3
1925-1929 18.1 15.7 0.1 0.2 16.1 0.6 0.5 1.1 35.3 1.7 11.2 6.0 18.9
1935-1939 17.1 13.7 * 0.0 13.7 1.1 0.1 1.2 32.0 2.8 13.6 8.1 24.5
1947-1949 10.6 15.4 1.0 0.0 16.4 0.4 0.1 0.5 27.5 5.5 10.6 9.1 25.2
1957-1959 8.2 11.5 2.9 0.1 14.5 1.6 0.1 1.8 24.5 8.7 9.7 13.5 31.9
1965 6.5 8.0 3.1 0.5 11.6 2.6 0.1 2.7 20.8 9.5 11.6 17.6 38.7

植物油の消費が増えると、リノール酸をたくさん摂ることになります。次はリノール酸の問題です。

リノール酸をたくさん摂っても問題がないのか?

リノール酸をたくさん摂ると問題がないのかどうかには、2つのことが含まれています。

  1. リノール酸を含む脂肪は加工されると、リノール酸がトランス型のリノール酸に変わりやすい。形が変わっても働きに変わりはないのか。
  2. 天然型のリノール酸であってもたくさん摂って問題がないのか。

リノール酸は、下図に示すように炭素の二重結合を2つ持つ炭素数18の脂肪酸です。二重結合の部分で、同じ向きに曲がっています。

これはシス(cis)型といって、天然型のリノール酸です。カルボキシ基(-COOH)から数えて9番目と12番目の炭素に二重結合があります。

リノール酸

リノール酸

トランス型のリノール酸は天然型リノール酸の働きをしない

天然型のリノール酸を含む脂肪を加工すると、トランス脂肪酸ができるようになります。そのタイプは3つあります。

天然型は、9番目と12番目の炭素の二重結合でシス型の結合をしています。(9-cis-12-cis)

トランス脂肪酸の形としては次のものがあります。図にも描いておきます。トランス型になるとその箇所は曲がらず直線的に延びます。

  • 9-trans-12-cis
  • 9-cis-12-trans
  • 9-trans-12-trans

トランス型のリノール酸

このうち、9-trans-12cisのリノール酸について働きが調べられていました。

物理的,化学的な反応を与えると,この二重結合がトランス型に変化する。トランス型になると,二重結合の部分で次のような構造に変る。

形の上でただシス型とトランス型に変っただけで,分子式にも分子量にも変化はないので,リノール酸と呼ばれているが,このものが,栄養的にリノール酸としての効果を持っているか否かが問題となる。

Klenkらは無脂肪食で長期にわたって飼育したネズミを用いて,この栄養効果に関する実験を行い,次のような結果を得ている。

トランス脂肪酸となったリノール酸では体重が増えない

そして次の表が載せられていました。この表を見るだけで、意味が分かります。

第3表 トランス酸の栄養効果(Klenk)
動物の体重(g)
実験当初 実験終了時 体重増加
無脂肪食 263±21 272±28.8 7.2±9.5
9-cis-12-transリノール酸メチルエステル 273±20 274±25 2.0±4.3
9-cis-12-cisリノール酸メチルエステル
(天然型)
260±11 312±18.6 52.2±14.0

無脂肪食が与えられているのは、意味があります。

通常無脂肪食で長期にわたって飼育実験を行うと,体内のリノール酸貯蓄がなくなるので,必須脂肪酸欠のため成長が止まる。

その上で、9-cis-12-transリノール酸メチルエステルを与えた群を見てみましょう。体重増加は、わずか2.0±4.3(g)です。無脂肪食にも及びません。

この実験による体重増加は、「子供が大人になる」成長によるものです。リノール酸は、脂肪酸ですから、炭素を2個ずつ切って、エネルギー源にすることはできます。

エネルギー源にならないので体重が増えないわけではありません。

トランス型のリノール酸は栄養効果を持たない

つまり、こういうことです。成長に必要な栄養にはならない。

このことはリノール酸であっても天然型以外の立体配置をもつものは,リノール酸としての栄養効果を持たないことを示すものである。

マーガリンを作る時、リノール酸に水素添加しない方法もあった

私はマーガリンを作る時は、リノール酸に水素添加して、同じ炭素数18の飽和脂肪酸であるステアリン酸をほどほどに作っているのかと思いました。

水素添加については記事を書いています。ショートニングの歴史から大豆油への水素添加の意味を知るという記事と、油に水素を結合させる、水素添加をする意味はわかりますか?があります。

エライジン化

もう一つ、リノール酸の二重結合部分のシス型をトランス型に変えるエライジン化という方法があるようです。これならリノール酸はステアリン酸に変わることなく、リノール酸のままです、一応。

これはさらに簡単な例で説明すれば,オレイン酸とエライジン酸の関係がある。

オレイン酸はリノール酸同様炭素数18の不飽和酸であるが,その二重結合は1個であり,この二重結合がシス型である。このものにエライジン化と呼ばれる反応を行うとトランス型のエライジン酸となり,オレイン酸が常温では液状を示しているのに対し,トランス型のエライジン酸は融点44~45℃で常温では固体状を示している。

これと同様にリノ一ル酸にもエライジン化反応を起してシス型をトランス型にすれば,常温で固体状のトランスリノール酸となるわけで,純植物油製の半流動体をしたマーガリンが得られるわけである。

特に混ぜ物をして動物脂を加えるわけでもなく,硬化油を加えるわけでもなく,その形態を変えることが出来る。エライジン化反応で最もよく用いられる試薬は亜硝酸であるが,その立体配置の転換は,加圧,加熱等の物理的な方法によっても生ずる。

オレイン酸は、下図の通りシス型(天然型)なので曲がっています。これをエライジン化によって文字通りエライジン酸にすると、直線的なトランス型になります。

同じ炭素数の脂肪酸を比較すると、直線的な飽和脂肪酸の方が形がいびつな炭素の二重結合をもつ不飽和脂肪酸より融点が高く、また、不飽和脂肪酸でも、形が直線的なトランス型の方が、形がいびつなシス型(天然型)よりも融点は高くなります。

オレイン酸とエライジン酸

大豆油の不飽和脂肪酸の異性化を読むともう少し書かれていました。

不飽和脂肪酸のcis-trans異性化としては,濃硝酸と水銀または銅を用いたり,亜硝酸ナトリウムと希硝酸を用いてオレイン酸をエライジン酸に異性化するエライジン化反応が知られている.

リノール酸の中で二重結合している炭素の位置が変わったものはトランス型と同じで効果がない

エライジン化反応に関係しますが、油を加工すると、ほかに、二重結合の位置が動くことがあります。

天然のリノール酸ではその二重結合は,カルボキシル基から数えて9と12の位置に存在している。一般にこの二重結合は固定されたものと考えられているが,立体配置と同様に,加圧とか加熱とか各種の反応によって動きやすいもので,天然油を精製する工程の間にも若干は二重結合の位置が動いている。

たとえば、どんな位置に動くかというと二重結合の位置が、カルボキシル基から数えて8と11の位置にずれるものが出てきます。それぞれ天然型と同じシス型です。

ところが、天然型と同じ形をしていても、二重結合の位置がずれると、やはり効果がないようです。

この二重結合の位置のずれたリノール酸は体内ではリノール酸としての作用がなく,またリノール酸としての代謝過程が示されず,無脂肪食で飼育した場合と相違が見出せなかった。

リノール酸は、9番目と12番目に二重結合があり、それぞれ天然型のシス型でなければ効果がないことが分かりました。

リノール酸を摂り過ぎは病気の原因になる

つぎに、その天然型のリノール酸をたくさん摂って害がないのかどうかについてです。

近年急激にリノール酸摂取の増加したアメリカなどでは,色々リノール酸摂取過剰による疾病の問題がでてきている。

主として動物を用いた実験で,現在まで知られているリノール酸摂取過剰による疾病には,生殖不能,胎児不全,赤血球溶血,貧血,脳軟化症,浸出性素因,腎臓変性,脂肪組織の黄褐色化,栄養性筋萎縮症,などがある。

ただし、どのくらいで過剰摂取になるかということは書かれていませんでした。

さらに、もっと分かりやすい話も書かれていました。

ヒヨコにリノール酸の多い飼料を与えると,生後1~2週間で容易に脳軟化症を発現させることができ,このような状態のヒヨコは脚が立たなくなり,首を前後に曲げてしまうようになる。

リノール酸は二重結合を2つ持っているので、酸化されやすく、過酸化脂質になりやすいのです。

リノール酸は細胞膜や細胞小器官の膜に存在する

リノール酸が体の中でどうなるのか、ちゃんと説明されていました。細胞膜や細胞小器官の膜を構成するリン脂質の中に入っているのです。

膜は中と外を仕切るだけでなく、膜に存在するタンパク質は、水も含めたさまざまな物質を選択的に通す、とても大切な機能を持っています。ところが、その膜がきちんと働いてくれなくなる(壊れてしまう)と、細胞が正常な状態を維持できなくなり、病気になってしまうということです。

主として体内にとり込まれたリノール酸がリン脂質中にエステル型で存在している。

このリン脂質が細胞膜,ミトコンドリア,ミクロゾームなどの細胞穎粒の機能膜上に蛋白質と共存して物質代謝に重要な役割を果しているが,この膜上のリノール酸が適当な安定剤の存在しない時には酸化され,過酸化脂質となり,このことが膜の機能低下に関係を持ち,最終的には,上記のような各種疾病状態をあらわすことが明らかにされている。

細胞膜や細胞小器官の膜を構成するリン脂質については、細胞膜の単位はリン脂質だけど、コレステロールはその隣に存在するを読んでいただくと、図を載せてあります。

細胞膜の単位はリン脂質だけど、コレステロールはその隣に存在する
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この対策としてビタミンEを摂ることが有効だと分かりました。

ビタミンE(mg)/PUFA(g)が計算されるようになった

リノール酸の摂取量が増えると、過酸化脂質を増やさないように、ビタミンEを摂る必要が出てきました。

アメリカのHarrisは1960年に、1日当りのビタミンE摂取量を計算し、同じように一日当りのリノール酸だけでなくリノレン酸や魚油などの高度不飽和脂肪酸(PUFA)摂取量と比較しました。高度不飽和脂肪酸としたのは、オメガ3のα-リノレン酸やEPA、DHAも酸化されやすいからです。

そして、ビタミンEは通常mg単位で計算され、高度不飽和脂肪酸(PUFA)はg単位で計算されますが、それを、単純にビタミンE(mg)/PUFA(g)の比で表しました。

E(mg)/PUFA(g)は0.6~0.8がよかった

Harrisの計算ではアメリカ人のE/PUFA=15/24=0.6という数字となる。Harrisは実際アメリカ人について溶血試験を行っても,それほど高い値にならないので,大体0.6という値は妥当な線であろうと考えている。

これに対して,同じくアメリカのHorwittは数ケ年にわたって実際に人間に各種の割合の食事を与えて,血中のビタミンE量,溶血試験等をくりかえし実験を行っているが,この結果から彼は0.6では危険であり,0.8が必要最小限の比率であり,0.6では,一週間それより低い比率の食事に変えると,すぐ溶血性が高くなるので不安定な比率であると述べている。

その他の実験からも,大体0.6~0.8が一応認められた比率であろう。

ふと、現在はE(mg)/PUFA(g)はどのように考えられているのかなと思って検索しました。

E(mg)/PUFA(g)比は、現在はあまり有効ではないのかも

「E(mg)/PUFA(g)」「E/PUFA」でも調べてみましたが、最近の記事は出てこないので、1973年当時はともかく、現在はあまり有効な比率だとは考えられていないのかもしれません。

その理由まで調べきれませんでした。

しかし、ビタミンEは抗酸化ビタミンとして有効です。ビタミンEには抗酸化作用があるを書いた時にいろいろ調べました。

ビタミンEには抗酸化作用がある
この記事では、ビタミンEについて、どのようなものなのか。ビタミンEの作用、欠乏するとどうなるのか。ビタミンEの効果、1日の摂取量、ビタミンEが多い食品、そして発見の歴史について調べました。 ビタミンEとは ビタミン E には、4 種のトコフ

NOTE

1973年に、アメリカのこととはいえ、リノール酸の摂り過ぎの問題がすでに日本でこのように伝えられていたとは少し驚きでした。

その頃のこと、私は覚えていますが、パンにマーガリンを塗るCMがよく流れていて、リノール酸が体によいらしいと思っていました。バターの方がおいしいに決まっていますが、私の家もマーガリンを使い、給食でもマーガリンが出ました。

私がマーガリンがどうも体によくないらしいと知ったのは、2009年頃だったと思います。その頃まで植物油は体によいものだとずっと思っていました。

リノール酸の二重結合にトランス型があると、ネズミが成長できないというのがすごいですね。

今回、もう一つ初めて知ったのは、「エライジン化」です。マーガリンは植物油に水素添加して作るものだと思っていましたが、水素添加しないでも、亜硝酸を使って、不飽和脂肪酸の天然型のシス型の二重結合をトランス型にすると融点が上がり、常温で固体になります。

もっとも、現在はトランス脂肪酸が問題になっていますから、使われない技術だと思います。

これから福場博保先生が書かれた本をできるだけ探してたくさん読んでみようと思います。

また、この他のリノール酸についての記事は、リノール酸についてをお読み下さい。

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