リノール酸について

リノール酸について書いた記事は、リノール酸からもリノレン酸ができる。リノール酸が必須脂肪酸になった歴史。オメガ6リノール酸が多い油と食品ランキング。リノール酸とオレイン酸を比べてみる。リノール酸の問題は1970年代にはわかっていたんだね。脂肪のとりすぎとガン。リノール酸とヒドロキシノネナールとアルツハイマー。リノール酸の酸化とノネナールができるまで。加齢臭の原因といわれる2-ノネナールはビールにもできる。リノール酸の酸化。リノール酸が問題だと書く前に書いておきたいこと、です。

サラダオイル

リノール酸からもリノレン酸ができる

オメガ3のα-リノレン酸はよく知られていますが、オメガ6にγ-リノレン酸があります。なぜ同じリノレン酸という名称を使うのかなと思って調べると、リノレン酸はリノール酸のできそこない(?)のように「不規則な派生物」だと思われて命名されたようです。

同じ炭素数18の脂肪酸で、二重結合が3個あります。もちろん、その位置は違います。

リノール酸からもリノレン酸ができる
オメガ3のα-リノレン酸はよく知られていますが、オメガ6にγ-リノレン酸があります。なぜ同じリノレン酸という名称を使うのかなと思って調べると、リノレン酸はリノール酸のできそこない(?)のように「不規則な派生物」だと思われて命名されたよう...

リノール酸が必須脂肪酸になった歴史

ジョージ・バーは、リノール酸を必須脂肪酸と特定し、「必須脂肪酸」というフレーズを作り出しました。この当時、脂肪は単なるカロリー源でしかないと思われていたのです。しかし、完全に脂肪を抜くと、ラットは鱗屑の皮膚炎を発症しそのまま続けると体重が減少し死んでしまいます。各種ビタミンを与えても欠乏症はよくならなかったのですが、わずか数滴のラードを与えると治ってしまいました。1930年頃の話です。

リノール酸が必須脂肪酸になった歴史
ジョージ・バーは、リノール酸を必須脂肪酸と特定し、「必須脂肪酸」というフレーズを作り出しました。この当時、脂肪は単なるカロリー源でしかないと思われていたのです。しかし、完全に脂肪を抜くと、ラットは鱗屑の皮膚炎を発症しそのまま続けると体重が減...

オメガ6リノール酸が多い油と食品ランキング

リノール酸が多い油は、サフラワー油/ハイリノール、ぶどう油(グレープシードオイル)、ひまわり油/ハイリノール、綿実油、とうもろこし油、大豆油・・・となります。大豆油でリノール酸がちょうど100gあたり50gくらいです。

食品の中でリノール酸が多いのは、ラー油、くるみ/いり、けし/乾、まつ/いり、ブラジルナッツ/フライ・味付、まつ/生・・・です。まつ/生(松の実、なま)で100gあたり29gです。詳しくは記事を読んで下さい。

オメガ6リノール酸が多い油と食品ランキング
この記事では、食用油に含まれているリノール酸と一般の食品に含まれているリノール酸の量を書き出し、表にして比較してみます。油に興味を持って調べ始めたのが2013年の12月でしたが、その頃に比べてリノール酸のとり過ぎによる害が当たり前にいわ...

リノール酸とオレイン酸を比べてみる

リノール酸とオレイン酸を比べてみました。いま、リノール酸は評判が悪くて、オレイン酸が豊富に入っているオリーブ油を使う人が多いです。炭素数18で、構造に大した違いはないのです。二重結合の数が一つ多いのがリノール酸です。

リノール酸とオレイン酸を比べてみる
リノール酸とオレイン酸を比べてみました。いま、リノール酸は評判が悪くて、オレイン酸が豊富に入っているオリーブ油を使う人が多いです。炭素数18で、構造に大した違いはないのです。二重結合の数が一つ多いのがリノール酸です。リノール酸とオレイ...

リノール酸の問題は1970年代にはわかっていたんだね

1973年には、アメリカ人のリノール酸の摂り過ぎが問題になっていました。リノール酸を加工する時に、2つある炭素の二重結合がトランス型になると、ネズミが成長できなくなったのです。また、天然型のリノール酸でも摂りすぎは過酸化脂質になりやすいため、病気の原因になりました。抗酸化作用のあるビタミンEとのバランスが考えられていました。

リノール酸の問題は1970年代にはわかっていたんだね
1973年には、アメリカ人のリノール酸の摂り過ぎが問題になっていました。リノール酸を加工する時に、2つある炭素の二重結合がトランス型になると、ネズミが成長できなくなったのです。また、天然型のリノール酸でも摂りすぎは過酸化脂質になりやすいため...

脂肪のとりすぎとガン

脂肪をとり過ぎると、ガンにかかりやすくなり、脂肪酸の中ではリノール酸に発ガン、増殖、転移を促進する働きがあるそうです。はっきり書かれていて驚きました。リノール酸を多く含む植物油(コーン油、ヒマワリ油など)は飽和脂肪酸を多く含むココナツ油などと比べ、実験動物において乳癌や大腸癌の発癌を促進することは、乳癌ではすでに 1971年に、また大腸癌では 1976 年に判明していた、と書かれていました。

脂肪のとりすぎとガン
脂肪をとり過ぎると、ガンにかかりやすくなり、脂肪酸の中ではリノール酸に発ガン、増殖、転移を促進する働きがあるそうです。はっきり書かれていて驚きました。油をとり過ぎるとガンになるという話、何となく聞いたことがあるような気がしますが、都...

リノール酸とヒドロキシノネナールとアルツハイマー

リノール酸が酸化して4-ヒドロキシノネナールになると、Hsp70.1(ヒートショックプロテイン)を傷つけ、神経伝達物質を高速で流すワックスの働きをするタウ蛋白をリサイクル工場であるリソソームに運べなくなります。劣化したタウ蛋白がたまると、カルパインというタンパク分解酵素が活性化し、Hsp70.1が切られ、リソソームの膜が破れてカテプシンが放出され神経細胞が死んでしまいます。

リノール酸とヒドロキシノネナールとアルツハイマー
リノール酸が酸化して4-ヒドロキシノネナールになると、Hsp70.1(ヒートショックプロテイン)を傷つけ、神経伝達物質を高速で流すワックスの働きをするタウ蛋白をリサイクル工場であるリソソームに運べなくなります。劣化したタウ蛋白がたまると、カ...

リノール酸の酸化とノネナールができるまで

リノール酸を酸化させると、理論上、7種類のアルデヒドができることが考えられます。その中に、3-ノネナールが入っています。ところが、実際に実験すると、2-ノネナールが主要産物の一つになっています。ノネナールはリノール酸からいくつかできるアルデヒドの一つなのですが、どうやら、つくられやすいようです。

リノール酸の酸化とノネナールができるまで
リノール酸を酸化させると、理論上、7種類のアルデヒドができることが考えられます。その中に、3-ノネナールが入っています。ところが、実際に実験すると、2-ノネナールが主要産物の一つになっています。ノネナールはリノール酸からいくつかできるアルデ...

加齢臭の原因といわれる2-ノネナールはビールにもできる

ビールから加齢臭の原因物質、2-ノネナールができると聞くと、ちょっと驚きます。しかし、リノール酸が過酸化して2-ノネナールができるのは、おかしなことではありません。しかし、ヒトもそうなのかなと思ったら、ヒトの2-ノネナールの元は、ω(オメガ)-7のパルミトレイン酸やバクセン酸でした。

加齢臭の原因といわれる2-ノネナールはビールにもできる
ビールから加齢臭の原因物質、2-ノネナールができると聞くと、ちょっと驚きます。しかし、リノール酸が過酸化して2-ノネナールができるのは、おかしなことではありません。しかし、ヒトもそうなのかなと思ったら、ヒトの2-ノネナールの元は、ω(オメガ...

リノール酸の酸化

リノール酸の酸化は、二重結合の間にはさまれたメチレン基から水素が引き抜かれ、反応が始まり、二重結合した炭素の隣の炭素にヒドロペルオキシド基(OOH)が結合します。

さらに、ヒドロペルオキシド基(OOH)が結合した部分から分解し、炭素数の小さいアルデヒドや短鎖脂肪酸などいろいろな物質に変化します。

リノール酸の酸化
リノール酸の酸化は、二重結合の間にはさまれたメチレン基から水素が引き抜かれ、反応が始まり、二重結合した炭素の隣の炭素にヒドロペルオキシド基(OOH)が結合します。さらに、ヒドロペルオキシド基(OOH)が結合した部分から分解し、炭素数の小...

リノール酸が問題だと書く前に書いておきたいこと

リノール酸は昔は健康に役立つものでしたが、摂りすぎで今は悪者になっています。その原因は、大豆を始めトウモロコシなど穀物が家畜の餌として大量生産されるようになり、副産物の油が安価に入手できるようになったことではないかと思います。

日本人にとって大豆は大切なタンパク源の一つです。大豆が悪いわけではありません。油を使い過ぎるのが悪いと思います。

リノール酸が問題だと書く前に書いておきたいこと
リノール酸は昔は健康に役立つものでしたが、摂りすぎで今は悪者になっています。その原因は、大豆を始めトウモロコシなど穀物が家畜の餌として大量生産されるようになり、副産物の油が安価に入手できるようになったことではないかと思います。日本人にと...

リノール酸以外の、オメガ6脂肪酸については、オメガ6について知っておきたいことをお読み下さい。

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