鶏卵の脂質は卵黄(黄身)にあります。一般的には卵に含まれるオメガ3脂肪酸は少ないですが、オメガ3を含むエサを与えると増えます。オメガ3脂肪酸を増やした卵もありました。
鶏卵全卵の生とゆで、そして生の卵黄と生の卵白にわけて調べました。日本食品標準成分表2015年版(七訂)を使って調べています。
卵の脂質は黄身だけ
卵の脂質は卵白(白身)にはなく卵黄(黄身)にだけあります。卵黄だけ見ると、脂質が35%くらいあります。道理で「こってり」しているわけです。
全卵でも10%以上あります。たんぱく質も12%以上あり、炭水化物はほとんどありません。
日本卵業協会のサイトを見ると、卵のサイズと重量がでています。LL は70g以上76g未満でL は 64g以上70g未満と書かれていました。
卵1個で、なかなか栄養豊富です。
オメガ3脂肪酸は0.1%
脂肪酸の中では、オレイン酸が一番多く、次いでパルミチン酸、リノール酸と続きます。オメガ3の脂肪酸は、α-リノレン酸、EPA、DHAともありましたが、ごく微量で、全部合わせても100gあたり0.1g、つまり0.1%の含有量です。
全卵/生 | 全卵/ゆで | 卵黄/生 | 卵白/生 | |
エネルギー | 156kcal | 156kcal | 397kcal | 46kcal |
水分 | 76.9g | 76.1g | 49.5g | 88g |
たんぱく質 | 12.4g | 13.1g | 16.6g | 10.3g |
脂質 | 10.7g | 10.4g | 34.5g | Tr |
炭水化物 | 0.4g | 0.3g | 0.2g | 0.4g |
灰分 | 1g | 1g | 1.8g | 0.6g |
食塩相当量 | 0.4g | 0.4g | 0.1g | 0.5g |
脂肪酸総量 | 8.12g | 7.99g | 27.16g | 0.01g |
飽和脂肪酸 | 2.79g | 2.72g | 9.34g | Tr |
一価不飽和脂肪酸 | 3.85g | 3.84g | 12.87g | Tr |
多価不飽和脂肪酸 | 1.7g | 1.65g | 5.68g | Tr |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 0.1g | 0.1g | 0.35g | 0 |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 1.38g | 1.33g | 4.6g | Tr |
16:0パルミチン酸 | 2000mg | 2000mg | 6800mg | 2mg |
18:0ステアリン酸 | 690mg | 690mg | 2300mg | 1mg |
16:1パルミトレイン酸 | 220mg | 200mg | 720mg | 0 |
18:1計 | 3600mg | 3600mg | 12000mg | 1mg |
18:1n9オレイン酸 | 3400mg | 3400mg | 11000mg | 1mg |
18:2n-6リノール酸 | 1100mg | 1100mg | 3800mg | 1mg |
18:3n-3αーリノレン酸 | 29mg | 28mg | 96mg | 0 |
20:4n-6アラキドン酸 | 160mg | 160mg | 540mg | Tr |
20:5n-3イコサペンタエン酸 | 1mg | 1mg | 3mg | 0 |
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 | 67mg | 66mg | 220mg | 0 |
卵の脂肪酸はえさで変わる
普段食べている卵は、100%飼育されています。つまり、エサは与えられたものです。卵の脂質は、エサの中の脂質がほぼ移動したものと考えて間違いありません。そうすると、オメガ3のエサを与えれば、卵に含まれる。オメガ3の脂肪酸が増えます。
オメガ3脂肪酸が多い卵
探してみると、ありました。(他にもいろいろ会社があります)
「亜麻種子を飼料として与えています」と書かれていました。なかなか高品質の卵のようです。
ほかに、単純に考えても、魚粉を与えるとEPAやDHAが増えますね。
NOTE
100%飼育されている動物は、エサは設計して与えられているので、コストを考えなければ含まれるの脂肪酸組成は変えることができます。卵もエサを変えればオメガ3の脂肪酸を増やすことができます。
しかし、もっとごく単純に考えると、自分で魚を食べた方が早いかもしれないですね。
その他の畜産物とオメガ3については、畜産物の中のオメガ3をご参照下さい。