リノール酸からもリノレン酸ができる

リノール酸とリノレン酸。たいていリノール酸とα-リノレン酸を比較する話がでてきますが、リノレン酸にはγ-リノレン酸もあります。それはリノール酸とα-リノレン酸が関係する同じ反応の途中で、リノール酸から変換されてできるリノレン酸です。

γ-リノレン酸は月見草油から発見されました。

月見草

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リノール酸

リノール酸はたいていの植物の種に多く含まれています。それでたいていの植物油の脂肪酸組成を調べるとリノール酸が多いのです。

リノール酸については、いまはとり過ぎないようにする時代です。どんなものにリノール酸がどのくらい含まれているのか、そしてとり過ぎるとどんな問題があるのかに関心が集まっています。

以前書いたオメガ6リノール酸が多い食品ランキングでは、リノール酸が多い油、リノール酸が多い食品について詳しく書きました。

この記事では、食用油に含まれているリノール酸と一般の食品に含まれているリノール酸の量を書き出し、表にして比較してみます。 油に興味を持...

また、リノール酸をとり過ぎるとなぜ、体に害があるのか。リノール酸はアラキドン酸に変換されるという記事のアラキドン酸までについて読んでいただけるとお分かりになると思います。

この記事では、リノール酸がアラキドン酸に変換され、さらにドコサペンタエン酸に変換されるまでを順番に説明します。エイコサノイドは炭素数20の脂...

構造式

リノール酸の構造式は下図の通りです。

炭素数18で、カルボキシ基(-COOH)の反対側の端、オメガ(ω)端から6番目、9番目の炭素に二重結合があります。

リノール酸がオメガ6の脂肪酸といわれるのはこのためです。二重結合部分で同じ方向に曲がるので(シス型)、形がいびつになります。

分子式はC18H32O2です。融点は、−5°Cです。常温では液体です。

リノール酸

リノール酸

リノレン酸は2個ある

一方、リノレン酸には、α-リノレン酸とγ-リノレン酸の二つがあります。

α-リノレン酸はよく知られたオメガ3の脂肪酸です。γ-リノレン酸はオメガ6の脂肪酸です。γ-リノレン酸はよほどマニアックな油を使っている方でなければ、あまり知られていないと思います。

α-リノレン酸

α-リノレン酸は、説明する必要がないくらいよく知られるようになりました。α-リノレン酸が50%以上含まれるえごま油や亜麻仁油は、今はどこのスーパーに行っても買えるようになりました。

いまは、リノール酸がとり過ぎになりやすい時代なので、α-リノレン酸が多く含まれた油を使ってバランスを取ることがすすめられています。

以前、書いた記事ですが、α-リノレン酸について含有率を食用油によって比較してみたα-リノレン酸の効果や必要量は?では、えごま油、亜麻仁油を中心に、お店で普通に買える油について、脂肪酸組成をグラフで比較しています。

オメガ3の油が体によいといわれて、今では亜麻仁油を使ったマヨネーズが普通に買えるようになりました。この記事では、いろいろな食用油に含まれてい...

また、α-リノレン酸をたくさん含むに油はどのようなものがあるか、オメガ3の油は5種類あるで紹介しました。

オメガ3のαリノレン酸を含む油は、えごま油と亜麻仁油がよく知られています。少し前なら、どちらも自然食品店か輸入食品店に行かないと買えなかった...

構造式

α-リノレン酸の構造式は以下の通りです。炭素数18の脂肪酸で、カルボキシ基(-COOH)の反対側の端、オメガ(ω)端から3番目、6番目、9番目の炭素に二重結合があります。

オメガ3の脂肪酸といわれるのはこのためです。二重結合部分で同じ方向に曲がるので(シス型)、形がいびつになります。

分子式 は、C18H30O2です。

分子式を見ると炭素(C)が18個、水素(H)が30個、酸素(O)が2個からできていることが分かります。

融点は-11 °C。常温では液体です。

αリノレン酸

αリノレン酸

γ-リノレン酸

γ-リノレン酸は、月見草油に含まれています。

三年前、どちらかというと化粧品寄りの自然食品店で見かけて、α-リノレン酸ではなく、γ-リノレン酸というのがあることを初めて知りました。お肌に使われるようです。

γ-リノレン酸は月見草油から単離された

英語版のウイキペディアによると月見草についてこのように書かれていました。GLAは、gamma-Linolenic acidのことです。

GLAは、月見草の種子油から最初に単離された。このハーブの植物は、ネイティブアメリカンによって体内の腫れを治療するために栽培されました。

17世紀にはヨーロッパに導入され、人気のある民俗救済術となり、王の治療法という名前がついた。(gamma-Linolenic acid

あとで詳しく説明しますが、γ-リノレン酸は、リノール酸から変換され、炭素の二重結合が一つ増えたものです。γ-リノレン酸はリノール酸から変換されるため、必須脂肪酸ではありません。

構造式

γ-リノレン酸の構造式は下図の通りです。炭素数18で炭素の二重結合が3個あるのはα-リノレン酸と同じです。

違いは、二重結合の位置です。

カルボキシ基(-COOH)の反対側の端、オメガ(ω)端から6番目、9番目、12番目の炭素に二重結合があります。γ-リノレン酸はオメガ6の脂肪酸です。

分子式 はα-リノレン酸と同じ、C18H30O2です。

融点も-11℃(出典)で変わりません。

γリノレン酸

γリノレン酸

γ-リノレン酸はリノール酸から変換された次の物質

α-リノレン酸とリノール酸は体の中で同じ酵素によって変換され、炭素の二重結合を増やし、炭素数を2個ずつ増やしていきます。

γ-リノレン酸は、リノール酸が変換され、二重結合が1個増えた脂肪酸です。

α-リノレン酸とリノール酸は同じ酵素で反応が進む

分かりやすいように構造式を使って図を描きました。

△6不飽和化は、カルボキシ基(-COOH)から数えて6番目の炭素が二重結合化されます。
脂肪酸伸長は、カルボキシ基(-COOH)側から炭素数2個分長くなります。

同じように△5不飽和化、△4不飽和化とも同じ原則で炭素が二重結合化されます。

必須脂肪酸の代謝

最終的に、α-リノレン酸はサプリメントでよく知られたドコサヘキサエン酸(DHA)になり、リノール酸は、ドコサペンタエン酸になります。

まとめ

図で見ると、α-リノレン酸とγ-リノレン酸の構造の違いが分かり、また、どのようにできてくるかも分かりました。α(アルファ)とγ(ガンマ)はギリシア文字で、発見された順番につけられたようです。もちろん、α(アルファ)が先です。

γ-リノレン酸の次に、ジホモ-γ-リノレン酸がありますが、炭素数が20なので違う物質であると考えて取りあげませんでした。

α-リノレン酸とリノール酸は同じ酵素によって変換していくので、もし、リノール酸が含まれているものをたくさん食べていると、リノール酸側の反応ばかり進んでしまいます。

リノール酸からアラキドン酸に変換されると、アラキドン酸は体の中で炎症を起こす原因となるエイコサノイドという生理活性物質に変わります。

もちろん、炎症反応も体にとって必要なことですが、炎症を引き起こすものがつくられ過ぎると体に害を及ぼすようになります。

詳しくは、リノール酸はアラキドン酸に変換されるという記事を読んでみてください。

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