アラキドン酸と、炭素数20のアラキドン酸からつくられるエイコサノイド、特にプロスタグランジンについての記事について簡単にです。
アラキドン酸が多く含まれる食品を調べた
アラキドン酸は炎症の原因になるエイコサノイドの材料だといわれます。日本人はオメガ6脂肪酸のほとんどをリノール酸で摂っています。アラキドン酸が多く含まれる食品を順番に並べてみましたが、オメガ3の脂肪酸と比較するとそれほど多いという感じではないです。
リノール酸はアラキドン酸に変換される
リノール酸がアラキドン酸に変換され、さらにドコサペンタエン酸に変換されるまでを順番に説明します。エイコサノイドは炭素数20の脂肪酸からつくられます。炭素数20のアラキドン酸からは炎症を亢進させるエイコサノイドがつくられます。
プロスタグランジンE2が問題だ
リノール酸を摂りすぎるとよくないといわれる理由は、変換されたアラキドン酸が炎症やアレルギー反応をひどくするプロスタグランジンの材料になるからだといわれます。そのプラスタグランジンは、プロスタグランジンE2(PGE2)が主役のようです。
プロスタグランジンE2とE3、E1の違いを構造式から調べた
炎症を促進するというアラキドン酸からできるPGE2。反対に抑制するというEPAからできるPGE3とジホモ-γ-リノレン酸からできるPGE1。どんな違いがあるのか調べてみると、炭素の二重結合の数が違うだけで同じ構造でした。
プロスタグランジンE2が炎症を促進する仕組みとそれを抑制する仕組み
プロスタグランジンE2(PGE2)は、ヒスタミンを放出するマスト細胞のEP3受容体を介して炎症を促進する作用があります。しかし、EPAからできるいくつかの種類のプロスタグランジン(PG)とトロンボキサン(TX)が存在すると、プロスタグランジンE2を作るアラキドン酸が細胞膜を構成するリン脂質から遊離されにくくなります。
プロスタグランジンが発見される歴史で疑問に思った2つのこと
精液から発見されたプロスタグランジンは、その後、リン脂質のアラキドン酸を追いかけて発見されていきましたが、なぜアラキドン酸だったのでしょう?また、なぜアスピリンがプロスタグランジン生合成を阻害するというアイディアを持ったのでしょう?
アラキドン酸から炎症に関係があるエイコサノイドができる
アラキドン酸は、プロスタグランジン(PG)とトロンボキサン(TX)になるほか、ロイコトリエン(LT)とリポキシン(LX)という生理活性物質になります。まとめてエイコサノイドと呼ばれます。これらの反応は、小さな滝が連続するcascade(カスケード)にたとえられ、アラキドン酸カスケードと呼ばれます。
PGD2は炎症を抑制する
PGD2はアラキドン酸からシクロオキシゲナーゼ(COX)によって作られるプロスタグランジンの1つですが、炎症を亢進するのではなく抑制するものです。癌にも炎症にもアレルギー反応にも関係しています。
アラキドン酸、プロスタグランジン以外のオメガ6についての記事は、オメガ6について知っておきたいことをご参照ください。