脂肪は寝ていても運動していても使われている

体はブドウ糖を燃やしてエネルギーにしているといわれます。そのため、体についた脂肪を燃焼させるには、最初にブドウ糖を消費して糖を枯渇させてから脂肪が燃え始めると思っていたのです。脂肪を燃やすためには、運動を始めてもしばらく時間がかかると思っていました。

ところが、それは間違いでした。安静時、低強度運動時でも主に使われるのは、血中脂肪酸でした。ご存知でしたか?

しかし、長く運動することが脂肪を燃焼させるために効果的なのは間違いはありません。この記事では、もう一度、運動で糖と脂肪を燃焼させることについて少々詳しく調べてみました。

脂肪はいつも使われている

私たちの体は、寝ている時、椅子に座っているとき、ごく軽い運動をしている時は、おもに脂肪を使ってエネルギーをつくっています。血液の中のブドウ糖も使っていますが、この状態で使う全カロリーのうち、80%以上が血中脂肪酸によるものです。血液の中のブドウ糖は、健康診断の時に血液検査で毎回測定されています。あれです。

安静時からごく軽い運動までというのは、最大酸素摂取量(VO2max)の3割程度を指しています。

最大酸素摂取量といってもよくわかりませんね。最大酸素摂取量というのは、自分の限界に近い運動をしたときに吸いこむ酸素の量になります。どんな風に測定するかご存知ですか?

私は20代の頃に最大酸素摂取量を測定したことがあります。自転車を漕ぐ機械(エルゴメーター)にまたがって、呼気と吸気を測定するマスクと心電図のセンサーをつけてペダリングします。ペダルは最初のうちは軽いのですが、負荷がかかって来てだんだん重くなってきます。しかし、回し続けるように指示されているので、自分でもうダメだと思うまで我慢しながら回し続けるのです。

もうダメですといった瞬間に、負荷から解放された時は、目の前に星がチラチラ飛ぶ感じでした。心拍数は確か200近くまで行っていた記憶があります。

この間、呼吸量・酸素・二酸化炭素の量が計測されていて、負荷を上げていっても、酸素消費量が変化しなくなったときの値が、最大酸素摂取量です。

それに比べて、最大酸素摂取量の3割ぐらいの運動量というのは、かなり軽い運動です。

運動強度とブドウ糖

軽い運動では、ほとんどブドウ糖は使われませんでしたが、運動強度が上がるとブドウ糖が使われるようになります。

最大酸素摂取量(VO2max)の6割程度の中強度の運動ではブドウ糖(血糖、筋グリコーゲン)と脂肪(遊離脂肪酸と脂肪)の利用が同程度になります。

さらに、最大酸素摂取量の8割を超えるような、高強度の運動では、全体の消費カロリーのうち、脂肪の利用率が20%程度になります。その分、筋グリコーゲンの割合が全カロリーの50%以上になります。

下のグラフは本を見ながらアバウトにエクセルで作成したものなのでご参考まで。しかし、お知らせしたいのはこのグラフが示す傾向です。

graph02

まず、当たり前のことですが、運動強度が、低強度から中強度、高強度になると消費カロリーが増えます。そして、どの運動強度でも、いつも血中脂肪酸と筋内中性脂肪は消費されています。安静に横になっていても脂肪が消費されるのですから、運動したときだけブドウ糖がなくなるまで消費され、それから脂肪が消費されるということはありません。

そして、ダイエットをしようという人は、単純に運動強度を上げれば、同じ時間で消費するカロリーは増えます。

しかし、グラフの中身をよく見ると、低強度と中強度の運動をしているときは、血中脂肪酸と筋内中性脂肪の消費量はそれほど変わらないように見えますが、高強度のグラフを見ると血中脂肪酸と筋内中性脂肪の消費は明らかに低強度と中強度の運動時より少なくなっています。

高強度の運動時には筋グリコーゲンが多く消費されています。グリコーゲンとは筋肉に蓄えられていたブドウ糖が貯蔵される形になっているものです。脂肪はいくらでも貯蔵できるのですが、グリコーゲンは貯蔵量に限度があります。大人で300グラム程度ともいわれます。これを使い果たすと疲労困憊で高強度の運動は続けられなくなります。

グラフを見ていると、脂肪をうまく燃焼させながら運動強度がそれほど高くならないポイントがありそうですね。

このグラフは自転車を30分漕ぐという運動時間を揃えた条件での比較だそうです。

脂肪を燃やすためにもう一つ重要なのは、運動継続時間です。低強度から中強度の運動の間にそれほど疲労せずに脂肪をたくさん燃焼させ、長く続けることができるポイントがありそうです。

長く続けるために指標になるのが、心拍数です。

心拍数が参考になる

心拍数をもとにしたトレーニング方法で知られるマフェトン理論があります。マフェトン理論を詳しく説明している本やサイトはたくさんあるのでそちらを参考にしてください。

一番簡単なのは、トレーニング時の心拍数が「170-年齢」~「180-年齢」に収まるようにするのです。

脂肪は安静時でも運動時でもいつも消費されています。しかし、運動強度が高くなると脂肪の消費量が減ります。体に余分についた脂肪を燃焼させようと思ったら、ほどほどの運動を長くやるとよいです。その時に参考にするのが心拍数です。

スポンサーリンク

フォローする

スポンサーリンク