魚をたべるとどのくらいDHAとEPAがとれるかな

EPAとDHAはオメガ3の脂肪酸です。EPAにはいわゆる血液サラサラ効果があり、抗凝固薬、血小板凝集抑制薬として使われています。冠動脈疾患、脳卒中、糖尿病、いくつかのがんに効果があります。魚に豊富に含まれています。それぞれ含有量を調べました。

tuna

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EPAとDHAの構造

EPAは炭素数20で二重結合が5個あります。DHAは炭素数が22で二重結合が6個あります。構造式を載せておきますので、比べてみてください。

まず、EPAです。

EPA

EPA

こちらは、DHAです。

DHA

DHA

EPAとDHAの効果

EPAは単独で医薬品になっています。(出典)抗凝固薬、血小板凝集抑制薬と書かれていますので、いわゆる血液をサラサラにする働きがあります。

大正製薬からは薬局で買える薬としてエパデールTという商品名で販売されていました。EPAにははっきりと血液サラサラ作用があるようですね。

日本人の食事摂取基準(2015年版)を読むとEPAとDHAの効果について生活習慣病の発症予防という項目で書かれています。

冠動脈疾患

冠動脈疾患とは心臓の冠動脈が狭まったり詰まったりして起こる狭心症や心筋梗塞のことです。

日本人を対象にした観察研究 JPHC研究 (40~59歳、男女)では、最大五分位(EPA及びDHA摂取量は2.1g/日)の群は最小五分位群(EPA及びDHA摂取量は0.3g/日)に比べて、67%もハザード比が減少した。

さらに中間五分位群(EPA及びDHAの摂取量は0.9g/日)においても有意差が認められ、39%もハザード比が減少した。観察研究JACC研究においては、心不全に対しても効果が認められている。

また、日本人を対象とした介入研究(JELIS)で、総コレステロール値が 250 mg/dL 以上を示す 9,326 人に 1.8 g/日の EPA を投与すると、EPA を投与しないコントロール群(9,319 人)と比べて、一次、二次予防併せて5年間で 19%(P=0.011)の冠動脈疾患罹患の減少が認められている。

JPHC研究とは、国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループが行っている研究です。

五分位とは、EPAとDHA摂取量によって5個のグループに分けて比較していると考えればよいですね。

観察研究JACC研究は、文部科学省科学研究費を使った大規模コホート研究です。大人数を対象に、治療を行わず、アンケートによって摂取量を調べてグループ分けして比較しています。観察研究は、治療を行わないのが特徴です。(出典

介入研究(JELIS)は、両群に薬によって治療を行いながら、さらにEPAを投与する/しないで比較しています。介入とは治療を行うという意味です。

脳卒中

脳卒中に関して、2012 年の観察研究のメタ・アナリシスでは、週 2~4 回魚を摂取する群は週1回以下の群に比べて脳卒中リスクは平均6%減少、魚摂取量が最大群で最小群に比べて脳出血罹患は平均19%減少した。

しかし、塩漬けの魚を食べると、脳出血罹患が 2 倍増加する報告があるので、魚の調理法には注意が必要である。

一方、介入研究のメタ・アナリシス(12 の研究を統合)ではEPA及びDHA投与により、脳卒中罹患の減少は認められていない。

日本人を対象とした介入研究(JELIS)では、1.8g/日のEPAを投与しても、脳卒中の既往のない人では脳卒中の減少は認められていないが、脳卒中患者では脳卒中再発の相対危険の 20% 減少が認められている。

メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析することです。(出典

観察研究、介入研究の違いは、上で書いた通りです。

糖尿病

糖尿病に関するコホート研究のメタ・アナリシスでは、魚摂取量と糖尿病罹患との関連は認められていないが、アジアにおいて負の関連が認められている。

日本人でも JPHC 研究で、男性において、小型の魚(さば、さんま、いわし、うなぎ)を多く摂取する群で、糖尿病罹患リスクの低下が認められている。

魚を食べていると糖尿病罹患リスクが低下するとは興味深いですね。

乳がん・大腸がん・肝臓がん

乳がんコホート研究のメタ・アナリシスで、EPA 及び DHA 摂取量との間に負の関連が認められ、最大摂取群は最少摂取群に比べ、14%のリスク減少が認められている。

また、結腸直腸がんコホート研究のメタ・アナリシスでは男性において、n-3 系脂肪酸(α-リノレン酸を含む)摂取量が多い群で平均 13% のリスク減少が認められている。

日本人でも JPHC 研究の長期間の観察により、男性で魚由来n-3系脂肪酸摂取の最大摂取群で近位大腸部のがんのリスク減少が、摂取量が1.06g/日の群で直腸がんのリスク減少が認められた。

また、JPHC 研究で魚由来n-3系脂肪酸摂取量用量依存性に、肝がん罹患が減少することを認めている。

乳がん、大腸がん、肝臓がんに、それぞれ効果があるようです。

EPAがたくさん含まれている魚

まずは、EPAがたくさん含まれている魚です。すべて生(なま)のものを載せてあります。一部、魚でないものが入っていますが、色をつけて区別しています。ご参考まで。

イコサペンタエン酸(EPA):含有量
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
による
食品名 成分量100g
あたりmg
くじら/本皮生 4300
あんこう/きも生 2300
くじら/うねす生 2200
しろさけ/すじこ 2100
たいせいようさば/生 1600
あゆ/養殖内臓生 1600
やつめうなぎ/生 1500
さんま/皮なし刺身 1500
きちじ/生 1500
くろまぐろ/脂身生 1400
みなみまぐろ/脂身生 1300
かたくちいわし/生 1100
たちうお/生 970
ぶり/成魚/生 940
にしん/生 880
さんま/皮つき/生 850
たいせいようさけ/養殖生 850
まいわし/生 780
ぎんざけ/養殖生 740
このしろ/生 730
まさば/生 690
すっぽん/肉生 630
にじます/海面養殖/皮つき生 600
うなぎ/養殖生 580
いかなご/生 570
こい/養殖内臓生 560
あなご/生 560
まだい/養殖/皮つき生 520
すけとうだら/たらこ/生 510
はたはた/生 510
いしだい/生 500

表を見ると、養殖魚が多いのが少し興ざめです。魚の脂肪酸は食べたエサによって決まります。養殖魚なら与えられる餌によってコントロールされています。

シロサケってどんな鮭だろうと思って調べてみました。これは一般的な鮭のことです。

タイセイヨウサケは、アトランティックサーモンと呼ばれています。そのままですね。養殖は、チリ、カナダ、ノルウェー、ロシア、イギリス、オーストラリアのタスマニア州などで行われています。

ギンザケは、シロザケ、ベニザケより少しランクが落ちる鮭のようです。

DHAがたくさん含まれている魚

次にDHAです。すべて生(なま)のものを載せてあります。こちらも一部、魚でないものが入っていますが、色をつけて区別しています。ご参考まで。

DHAの含有量は多い

一見して、EPAに比べるとDHAの方が含有量が多いことが分かります。

ドコサヘキサエン酸(DHA):含有量
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
による
食品名 成分量100g
あたりmg
あんこう/きも生 3600
くじら/本皮生 3400
くろまぐろ/脂身生 3200
さんま/皮なし刺身 2800
みなみまぐろ/脂身生 2700
しろさけ/すじこ 2400
たいせいようさば/生 2300
あゆ/養殖内臓生 2000
ぼら/からすみ 1900
くじら/うねす生 1800
ぶり/成魚/生 1700
さんま/皮つき/生 1600
きちじ/生 1500
やつめうなぎ/生 1500
たいせいようさけ/養殖生 1400
たちうお/生 1400
にじます/海面養殖/皮つき生 1300
ぎんざけ/養殖生 1200
さわら/生 1100
うなぎ/養殖生 1100
まさば/生 970
かつお/秋獲り生 970
さくらます/生 960
かます/生 940
たかべ/生 920
はまち/養殖皮つき生 910
むろあじ/生 900
しまあじ/養殖生 900
にしまあじ/生 890
まいわし/生 870
きんめだい/生 870
かずのこ/生 870
すっぽん/肉生 860
めじまぐろ/生 850
ごまさば/生 830
はまち/養殖/皮なし刺身 830
いさき/生 810

アンコウはともかく、やはりマグロはDHAが多いです。刺身でマグロ100gなんて物足りないくらいですね。もっとも最近はとても高くなりました。ミナミマグロは、インド洋で多く漁獲されることから、日本ではインドマグロと呼ばれています。クロマグロは本マグロとも呼ばれています。日本沿岸で獲れます。

今から5年くらい前なら、サンマがとても安かったです。サンマも今はあまり獲れない魚になっています。

キチジは、北海道ではキンキと呼ばれる深海魚で高級魚だそうです。

まとめ

最近テレビを見ていると、サプリメントとしてDHAとEPAをよく見るような気がします。

しかし、気をつけて見てください。たいてい原料は魚油のはずです。

私は、サプリメントが好きでないので、魚を食べれば足りると思っています。しかし、ここ何年かでマグロが大幅に値上がりし、刺身がとても高いものになりました。

当然のことながら、昔はとても安かったツナ缶も値上がりし、品質があまりよくないものも出てきました。

それなら、若い頃お世話になったサバの缶詰、サバ缶を食べてもよいかなと思っています。サバの水煮は、なかなか便利です。

スーパーや乾物屋さんでいろいろ買って品質のよいのをさがしてみます。これはアマゾンで一番レビューが多い水煮缶でした。

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