オメガ3の効果について以下の記事を書きました。オメガ3はうつに効果がある。魚を食べていると生活習慣病が予防できる。オリーブ油とえごま油を混ぜると総コレステロールと中性脂肪を下げる効果がありそうだ。EPA・DHA、α-リノレン酸は優先的にエネルギーに変わる。脂肪を燃焼させるならオメガ3をとってオメガ6を制限して運動すること。えごま油と魚油を比べると魚油の方が太りにくい。魚油は体重・体脂肪を増加させない。DHAの効果について。EPAの効果について。
オメガ3脂肪酸の効果についての書いた記事を簡単にご紹介します。
オメガ3の脂肪酸はうつに効果がある?
オメガ3の脂肪酸が「うつ」に効果があるという話、にわかに信じがたいので調べました。やはり、魚をよく食べる日本人では、抑うつ状態とオメガ3摂取には関連が認められないそうです。そうだろうなと思いました。
女性に効果があるが男性には関係がないこと。EPAの摂取量は1g/日が効果的など特徴がいくつかありました。
魚を食べていると生活習慣病が予防できる
文部科学省科学研究費を使った大規模コホート研究を読みました。大人数を対象に、治療を行わず、アンケートによって摂取量を調べてグループ分けして比較しています。冠動脈疾患や脳卒中、糖尿病、乳がん・大腸がん・肝臓がんにかかるリスクを減少させるとありました。
昔から肉を食べるなら魚を食えといわれてましたが、それを裏付けるような話です。
オリーブ油とえごま油を混ぜると総コレステロールと中性脂肪を下げる効果がありそうだ
面白いなと思ったのは、オリーブオイルとえごま油を1:1で混ぜると、総コレステロール値やTG(中性脂肪)値が低くなる効果が期待できるという話でした。やってみますか?
EPA・DHA、α-リノレン酸は優先的にエネルギーに変わる
オメガ3の脂肪酸は優先的にエネルギーになります。
脂肪酸は、β酸化されて燃料になりますが、EPAやDHAはミトコンドリアでβ酸化を受けにくいのです。しかし、細胞内小器官であるペルオキシソームが増えて、この中でβ酸化されます。また、α-リノレン酸は、ミトコンドリアとペルオキシソームでβ酸化されます。
脂肪を燃焼させるならオメガ3をとってオメガ6を制限して運動すること
体重とオメガ3の関係は、α-リノレン酸を含んだ植物油には特に期待できないようですが、魚油には、はっきり太りにくい効果が期待できるようです。「太らない」のではなく「太りにくい」なので、お間違いなく。
えごま油と魚油を比べると魚油の方が太りにくい
えごま油と魚油は同じオメガ3の油です。魚油は体重・体脂肪を増やしにくい性質があります。ラットに摂取させ肝臓にたまる脂肪滴を調べる実験で、魚油は脂肪滴の数が少なく大きさも小さい、脂肪をためにくく体重が増えにくい特徴がありました。一方、えごま油では、分解されやすい小さい脂肪滴がたくさんできる特徴があったものの、体重が増えにくいとはいえない結果になりました。
魚油は体重・体脂肪を増加させない
魚油は、脂肪細胞から分泌され体脂肪を減らす働きをもつレプチンの働きを阻害せず、また、脂肪を分解し脂肪酸をアセチルCoAにする細胞小器官ペルオキシソームを増やす、PPARαを肝臓で活性化することで、体重・体脂肪を増加させないことがわかりました。
DHAの効果について
DHAは、テレビCMだと記憶に関係があるように宣伝されていますが、乳児期の脳の発達からアルツハイマー型認知症の原因物質の蓄積を抑制することまで、すべての年代に役に立つようです。オメガ3が必須脂肪酸だとわかったのは、DHAがきっかけだったのです。
EPAの効果について
EPAのはっきりした効果は「血液サラサラ」です。グリーンランドのイヌイットの血液検査からわかりました。それまでアラキドン酸によって調べられた反応経路をEPAがたどると、血小板凝集を促進させるものがつくられず、さらに、血小板凝集を強力に抑制させるものがつくられることがわかったからです。
オメガ3全般について知るには、オメガ3について知っておきたいことをまずお読み下さい。