コレステロールからビタミンDができる

日に当たらないと「くる病」になる話はビタミンDが不足するためです。ビタミンDは皮膚にあるコレステロールに紫外線が当たりできます。「皮膚にコレステロールがある?」と思ってしまう方のために書きました。脂質のコレステロールから変化したビタミンD3は、水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性のビタミンです。

卵

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日に当たるとビタミンDができる

日に当たるとビタミンDができるとか、日に当たらないと「くる病」になると聞いたことがあります。もっとも、過剰な栄養が問題になる今の時代、「くる病」になる人はほとんどいないと思います。

ところで、「日に当たるとビタミンDができる」という話は、皮膚にコレステロールがあり、コレステロールに光が当たるとビタミンDに変化するということなのです。

「皮膚にコレステロールがある?」とそのまま流して読めなかった方、私と同じです。疑問に思ってしまうのです。

皮膚、いや、細胞膜にコレステロールがあるんだ

皮膚に限ってコレステロールがあるのではなく、細胞膜にコレステロールが存在しているので、体中どこでもコレステロールはあります。

以前、細胞膜の単位はリン脂質だけど、コレステロールはその隣に存在するという記事を書きました。

コレステロールのことを調べていたら、ヒトのような真核細胞生物では、細胞膜にリン脂質と並んでコレステロールが存在していることが分かりました。...

記事の中で細胞膜についていくつか図を載せたのですが、まずこちらは、リン脂質が細胞膜の単位だと説明した図です。

リン脂質はリン酸(赤い頭の部分)と脂肪酸2本(薄い赤に塗った足の部分)からできています。細胞膜は二重構造になっています。

脂肪酸のうち1本は、不飽和脂肪酸が入る仕組みです。そのため片足は曲がっています。

さらに、もっと近寄って見ると、リン脂質の間にはコレステロールが配置されています。図の真ん中にあるいびつな形をしているものがコレステロールです。これが、細胞膜を支えていることがわかります

細胞膜のコレステロール

「皮膚にコレステロールがある」と聞くと、皮膚だけにあるのかと思いますが、正確には細胞膜にコレステロールが配置されているので、体のどこにでもコレステロールは存在します。

コレステロールからビタミンDへの変化

コレステロールが酸化されて7-デヒドロコレステロールとなり、7-デヒドロコレステロールに紫外線(UV)が当たると、ビタミンD3になります。

KEGGの Steroid biosynthesisに詳しく出ていますが、コレステロールはビタミンDへ変化します。

下図をご覧下さい。コレステロールは、下から2番目の環から水素が外れて二重結合が1個増え、7-デヒドロコレステロールとなります。

デヒドロ(dehydro-)は、水素を取り去る意味です。7-は炭素番号7のこと。7番目(と8番目)の炭素から水素が1個ずつ外れて、炭素同士の二重結合ができています。

さらに、7-デヒドロコレステロールに紫外線が当たるとビタミンDの一つ、ビタミンD3になります。

ビタミンD3

ビタミンDの働きは、タンパク質の合成を調節することと、カルシウムとリンの代謝に関わることです。後者が、「日に当たらないとくる病になる」ことに関係しています。

ビタミンDの過剰摂取はいけないが高摂取は望ましいとかにビタミンDの働きや1日の必要量などをまとめて書いてあります。

この記事では、ビタミンDについて、ビタミンDの種類、ビタミンDの作用、欠乏するとどうなるか。またビタミンDの効果や、過剰摂取するとどうなるか。1日の摂取量、ビタミンDが多い食品について調べました。あん肝にはビタミンDがたくさん入っています。

まとめ

「コレステロールからビタミンができる」と聞くと、一瞬、頭の中が「?」となります。ビタミンといえば、ビタミンCがまず浮かびます。

連想ゲームみたいですが、「ビタミンCはレモン」→「レモンは植物の果実」→「野菜や果物にビタミンが多い・・・」私の中ではこんなふうに「ビタミン」が刷り込まれています。説明されないと、ビタミンは野菜や果物に入っているものだと思い込んでいます。

コレステロールは植物にはない脂質です。脂質からもビタミンはできると覚えておきましょう。

コレステロールからできるビタミンD3は、構造式を見ると、水に溶ける性質をもつヒドロキシ基(OH)が1個しかついていないので、水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性のビタミンだとわかります。

私は記事に構造式をよく書いていますが、決して受験生のように覚えているわけではありません。ただ、書いているうちに、構造が似ているものは性質も似ているなど、わかってくることが増えます。

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