納豆とオメガ3の脂肪酸

納豆が好きで毎日100g食べる方は、1日に必要なα-リノレン酸の70%を摂っていることになります。わざわざ、高い油を買ったり、サプリメントを飲まなくても間に合うかもしれませんよ。

私は納豆が好きです。最近、免疫力を上げるとかで品薄ですが、ずいぶん前から自作しています。乾燥大豆と市販の納豆があれば、簡単にできます。

納豆の作り方自作してみよう
納豆は、保温さえうまくできれば簡単に自作できます。私は保温器としてタニカヨーグルティア(ヨーグルトメーカー)を使っています。納豆を作るために、材料や仕込み方法、失敗しないためのコツ(気をつけること)を説明します。大豆の安い入手先もご紹介しま

大豆は含油率が20%程度ありますが、リノール酸が多く、α-リノレン酸は少ないことは知っていますが、実際に納豆の数字を調べたことがなかったので今回記事にしました。

納豆100gにはα-リノレン酸が0.7g含まれている

乾燥大豆と納豆を比較しました。普段食べているのは、糸引き納豆かひきわり納豆です。乾燥大豆で20%程度ある脂質が、茹でて水分をたくさん含んでも、納豆の状態で10%あります。つまり、納豆100gあたり10gは油です。

そのうち、オメガ3の脂肪酸α-リノレン酸は、0.7g程度あります。納豆を100g食べることは現実的なことなので、この数字は覚えておきたいです。

表の数字は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)から調べました。

食品100gあたりの栄養成分
だいず/
全粒
/国産/
黄大豆/乾
糸引き納
挽きわり
納豆
五斗納豆 寺納豆
エネルギー 422kcal 200kcal 194kcal 227kcal 271kcal
水分 12.4g 59.5g 60.9g 45.8g 24.4g
たんぱく質 33.8g 16.5g 16.6g 15.3g 18.6g
脂質 19.7g 10g 10g 8.1g 8.1g
炭水化物 29.5g 12.1g 10.5g 24g 31.5g
飽和脂肪酸 2.59g (1.45)g (1.45)g 1.13g 1.01g
一価不飽和脂肪酸 4.8g (2.21)g (2.21)g 1.22g 1.1g
多価不飽和脂肪酸 10.39g (5.65)g (5.65)g 4.26g 3.7g
n-3系多価不飽和脂肪酸 1.54g 0.67g 0.67g 0.7g 0.6g
n-6系多価不飽和脂肪酸 8.84g 4.98g 4.98g 3.55g 3.1g
16:0パルミチン酸 1900mg 1100mg 1100mg 790mg 750mg
18:0ステアリン酸 510mg 360mg 360mg 270mg 200mg
18:1計 4700mg 2200mg 2200mg 1200mg 1100mg
18:2n-6リノール酸 8800mg 5000mg 5000mg 3600mg 3100mg
18:3n-3αーリノレン酸 1500mg 670mg 670mg 700mg 600mg
20:4n-6アラキドン酸 0 0 0 0 0
20:5n-3イコサペンタエン酸 0 0 0 0 0
22:6n-3ドコサヘキサエン酸 0 0 0 0 0

ところで、見慣れない、五斗納豆と寺納豆とはどのようなものなのでしょう。

五斗納豆

五斗納豆は米沢の特産品みたいです。できた納豆をさらに米麹と塩で発酵させる。

納豆の加工食品で、挽き割り納豆に米麹と塩を加え、発酵・熟成させたもの。山形県米沢地方で古くから作られている。

五斗も入る樽で作ったため、あるいは大豆一石に麹五斗、塩五斗を使うことからこの名がついたとされる。(出典:五斗納豆

株式会社ゆきんこのサイトを読むと、正月にひきわり納豆をつくり、米麹と塩を加えて春まで寝かしておいて食べるそうです。

商品紹介 - ゆきんこ|山形県米沢市の雪割納豆
「雪割納豆」は、すでに調理された味付納豆です。醤油等をかけずにそのまま少量ずつご飯のうえにのせて召し上がっていただけます。大根おろしやねぎといった薬味との相性も抜群です。 ぜひお試しください。

寺納豆

寺納豆は、納豆菌ではなく麹と塩で発酵させたものです。

煮た大豆に麹(こうじ)菌をまぶして塩水で発酵させ、乾燥した食品。浜納豆、大徳寺納豆など。多く寺で作った。塩辛納豆。(出典:寺納豆

こちらも数か月かけて作られる保存食の意味合いが強い納豆です。

α-リノレン酸の1日の必要量までもう少しだ

今回、私がよく食べる納豆について書いたのは、以前、書いたオメガ3脂肪酸の1日の摂取量は?の中で、オメガ3脂肪酸の欠乏症を解消する量について書いたことを思い出したからです。

オメガ3脂肪酸の1日の摂取量は?
オメガ3の脂肪酸は、成人男女とも1日2g程度摂れば目安量を満たします。えごま油なら4g、体積で表すと約4.4mlです。小さじ1杯でお釣りが来ます。まぐろの刺身なら100g食べると十分です。オメガ3の脂肪酸には特有の働きがあり、欠乏すると皮膚炎や成長障害が起こります。しかし、欠乏症を防ぐ量はとても少ないです。

オメガ3の脂肪酸は、成人男女とも約2g/日あれば十分といわれていますが、最小必要量は、α-リノレン酸は1g /日、EPAとDHAは合わせて400mg /日と、α-オレイン酸の方が必要なのです。

しかし、納豆を100g食べると、1日に必要なα-リノレン酸のうち70%をまかなえます。おかずで魚を少し食べるとそれで十分1日に必要なオメガ3は摂れますね。きっと。

多く摂ればよいと考えないようにする

普段自分が食べている食品について調べると、必要なものをどのくらい摂っているのかわかります。納豆はよく食べていますから、ほとんど毎日0.7gくらい摂っていることになります。

あと0.3g程度、たとえば、青野菜を食べて、わかめの味噌汁を飲んで、煎茶を飲むとかなりよい感じであることがわかります。煎茶にはα-リノレン酸がとても多く含まれています。

α-リノレン酸が多い食品ランキング
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今や油のメーカーも、オメガ3の油をカプセルに詰めてサプリメントのように販売する時代です。それを飲むことを否定はしませんが、私は無駄なことのように感じます。

それよりも、食事やデザートに食べる甘いお菓子からリノール酸を減らす工夫をした方がよいと思います。

NOTE

納豆を100g程度毎日のように食べている人は、1日に必要なオメガ3の脂肪酸のうちα-リノレン酸は70%くらいカバーしています。

冒頭に書いたように、私は納豆が好きなので、納豆についていろいろと記事を書いています。

納豆の記事一覧
納豆について書いた記事を集めました。納豆について、納豆の効果や納豆を使ったレシピ、納豆に関することについて読んでいただけたら幸いです。

また、大豆についてもいくつか記事を書いています。

大豆についての記事一覧
大豆についての記事を集めました。一番読まれているのは、大豆の自給率はなぜ低いのかです。

納豆好きの方には面白いと思っていただけるかもしれません。

その他の植物性食品については、農産物の中にどのくらいオメガ3脂肪酸が含まれているかをご覧下さい。

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